特定技能1号の介護職員は、2025年4月21日から、条件を満たせば訪問介護などの訪問系サービスで働けます。本人は介護職員初任者研修などの修了と、原則1年以上の実務経験が必要です。事業所は5つの遵守事項を整え、外国人ごとに「適合確認書」を受けてから働いてもらいます。
協議会事務局の案内では、適合確認書を受ける前は、同行訪問も含めて訪問系サービスに従事できません。審査は、書類に不備がなければ提出から2か月〜2か月半が目安とされています(2026年5月時点の事務局の目安)。訪問系で働いてもらう予定があるなら、早めに準備を始めることが大切です。
特定技能「介護」の受け入れ全体の条件と流れは、親記事で説明しています。
→ 【2026年版】特定技能「介護分野」受け入れの条件と流れ|試験・協議会・訪問介護
内容は、2026年10月12日に、厚生労働省(厚労省)と出入国在留管理庁(入管庁)の資料、介護分野の協議会事務局(国際厚生事業団)の案内で確認したものです。
働き始めるまでの流れ
訪問系サービスで働いてもらうまでには、次の順番で進めます。入管への在留資格の申請とは別の手続です。
| 順番 | すること | 相手・出す先 | 目安・期限 |
|---|---|---|---|
| 1 | 本人の条件(初任者研修などの修了・実務経験)を確かめる | 事業所の中 | 訪問系の仕事を始める時点で満たしていればよい(事務局の案内) |
| 2 | 研修・同行訪問・ハラスメント対策・緊急時の体制を整え、キャリアアップ計画を本人と作る | 本人 | 申請の前 |
| 3 | 協議会申請システムで、訪問系の事業所を登録し、外国人ごとに適合確認申請をする | 協議会事務局 | 不備がなければ2か月〜2か月半が目安(事務局の案内) |
| 4 | 適合確認書を受ける | 協議会事務局 | 外国人ごとに交付。有効期限はない |
| 5 | 訪問する可能性がある利用者・家族に書面で説明し、署名をもらう | 利用者・家族 | 外国人が訪問する可能性があるとき |
| 6 | 同行訪問(OJT)を行う | サービス提供責任者など | 適合確認書の後(事務局の案内) |
| 7 | 一人での訪問を始める | - | 事業所が「一人で適切にできる」と認めてから |
| 8 | 次のキャリアアップ計画を出す(定期報告)、巡回訪問を受ける | 協議会事務局 | 評価期間(1年)の終わりから4か月以内 |
協議会は、厚労省が設置する「介護分野における特定技能・育成就労協議会」です。適合確認書の手続は、協議会の事務局(国際厚生事業団)が受け付けています。
(出典:厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」、介護分野における特定技能・育成就労協議会入会規程、外国人介護人材の訪問系サービス従事に係るキャリアアップ計画等の取扱いについて、(手続の案内)協議会事務局「適合確認申請に関するよくあるご質問」)
働ける訪問系サービス・働けないサービス
訪問系サービスの中でも、サービスによって条件が違います。介護保険の訪問介護などは、5つの遵守事項と適合確認書が必要です。訪問入浴介護は、遵守事項と事前の届出が要りません。
| サービス | 扱い |
|---|---|
| 訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、総合事業の第1号訪問事業 | 初任者研修などの修了と実務経験、5つの遵守事項、適合確認書が必要 |
| 訪問入浴介護、介護予防訪問入浴介護 | 遵守事項と事前の届出は不要。初任者研修の修了も求められない。ただし指導体制と職場内の入浴などの研修が必要 |
| 障害福祉の訪問系(居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援、移動支援事業、居宅訪問型児童発達支援) | サービスごとに必要な研修課程の修了などが要件。遵守事項は介護保険の訪問系と同じ |
| 小規模多機能型居宅介護(介護予防・看護小規模多機能型を含む)の「訪問」 | 従事できない |
訪問入浴介護は、複数人でサービスを提供するため、指導体制を確保しやすいとされています。研修の例として、訪問入浴介護の基本事項、機材の使い方、緊急時の対応が挙げられています。
生活援助従事者研修だけでは従事できない
生活援助従事者研修だけを修了した人は、訪問系サービスに従事する条件を満たしません。厚労省のQ&Aでは、その人が訪問介護の生活援助だけを行うことは認めていないとしています。特定技能は身体介護などの業務に従事することが求められる制度だからです。
初任者研修を修了した人は、身体介護が中心です。そのうえで、訪問介護の一環として生活援助を行うことは、認められる場合があるとされています。
障害福祉の訪問系の要点
障害福祉の訪問系は、各サービスで求められる資格・研修の要件を満たすことが前提です。研修課程ごとの従事の可否は、障害福祉の留意点通知の別表で確かめてください。
- 移動支援事業は、どの研修を要件にするかを市町村が判断します。車両で巡回して送迎する「車両移送型」は対象外です
- 重度障害者等包括支援は、提供する各訪問系サービスの研修要件を満たす場合に従事できます
- 居宅訪問型児童発達支援は、障害児の介護などの業務に3年以上従事した人が対象です
- 地域生活支援事業の訪問入浴サービスは、複数人で提供することが条件です
サービス付き高齢者向け住宅・住宅型有料老人ホームの注意
厚労省の対象施設一覧では、有料老人ホームは特定施設入居者生活介護を行うものだけが対象です。外部サービス利用型は除かれています。サービス付き高齢者向け住宅は、有料老人ホームの要件を満たすものだけが、有料老人ホームとして対象になります。
協議会事務局は、適合確認書を受けた人が従事できるのは、訪問介護事業所などでの介護保険法上の訪問系サービスの業務だと案内しています。たとえば、訪問介護事業所に併設された住宅型有料老人ホームなどの、介護保険法に基づかない業務には従事できないとしています。
→ 特定技能「介護」で従事できる業務範囲は?不法就労を避けるための考え方
(出典:外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について(令和7年3月31日 社援発0331第40号・老発0331第12号)、同 Q&A、障害福祉サービス等における外国人介護人材の訪問系サービス従事の留意点について、対象施設一覧、(手続の案内)協議会事務局「適合確認申請方法・提出書類」)
本人の条件:初任者研修と実務経験1年
本人には、2つの条件があります。介護職員初任者研修課程などを修了していること(日本人職員と同じ)と、介護事業所などでの実務経験が1年以上あることです。実務経験1年は原則で、例外は次の章で説明します。
実務経験の数え方
実務経験は、厚労省の対象施設一覧にある施設などで、介護等の業務に従事した期間で数えます。障害福祉サービスの事業所や、病院・診療所で介護業務をした期間も含まれます。
期間は、その施設の雇用契約書や労働条件通知書で確かめます。なくした場合は、その期間のシフト表、勤務表、給料明細、源泉徴収票などで確かめます。これらは、巡回訪問で求められたときにすぐ出せるよう、事業所に置いておきます。
協議会事務局は、特定技能の外国人が働けない施設での業務は、実務経験に数えないと案内しています。
→ 介護・福祉分野で特定技能外国人が働ける対象施設の種類について解説
条件を満たす時点
協議会事務局の案内では、初任者研修などの修了と実務経験1年は、適合確認申請の時点ではなく、訪問系の仕事を始める時点で満たしていればよいとされています。申請のときは、修了証明書などを出さずに、申請システムに状況を入力します。証明する書類は、巡回訪問で確認されます。
(出典:要領別冊(介護分野)、同 Q&A(問11〜13)、(手続の案内)協議会事務局「適合確認申請に関するよくあるご質問」)
実務経験が1年に満たない人を従事させる例外
実務経験が1年に満たない人も、受入事業所の判断で、例外的に従事させることができます。その場合、事業所は次の2つの措置をとります。
- 日本語能力試験N2相当など、在留資格で求められるより高い日本語能力がある人に限る
- 利用者ごとに、決められた期間以上の同行訪問を行う
厚労省のQ&Aでは、N2相当として、基本的に日本語能力試験(JLPT)N2の合格を想定しています。
| 利用者へのサービスの回数 | 同行訪問の期間(利用者ごと) |
|---|---|
| 週1回 | 半年。利用者・家族の同意があれば、3か月の同行訪問のあと、見守りカメラなどで常に事業所とやりとりできるようにする方法も可 |
| 週2回 | 3か月 |
| 週3回以上 | 2か月 |
同行訪問は、2か月より短くすることは認められていません。表の期間は最低限の期間です。利用者の状況などを見て、一人で適切にサービスを提供できるようになるまで、利用者ごとに必要な期間を事業所が判断します。
ICTには、見守りカメラのほか、スマートフォンやタブレットなど、常に事業所とやりとりできるものが想定されています。見守りカメラを使う場合は、利用者・家族に説明して同意をとります。
→ 特定技能「介護」の現場で求められている日本語能力水準はどのくらい?
(出典:外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について、同 Q&A(問14)、要領別冊(介護分野))
事業所が守る5つのこと(遵守事項)
事業所は、次の5つを守る体制と計画が必要です。告示(介護分野の基準)にも定められています。
① 外国人への研修
初任者研修とは別に、事業所が研修を行います。主に、一人で訪問できるようになるまでのOJTの期間に行うことが想定されています。研修には、次の内容を入れます。
- 訪問系サービスの基本事項(業務の流れ、基本動作、個別の計画の理解、プライバシーの保護、法令遵守、ハラスメント対策、虐待防止など)
- 生活支援技術(調理、掃除、ゴミ出しなど)
- 利用者・家族・近隣とのコミュニケーション(傾聴、受容、共感など)
- 日本の生活様式(文化、風習、年中行事など)
- 緊急時の対応(利用者の急変時のルール、連絡先、使う機器など)
研修の頻度や回数は、事業所が判断します。法人内の複数の事業所で合同で開く方法や、外部機関を使う方法も考えられるとされています。
② 同行訪問によるOJT
最初から一人で訪問させず、サービス提供責任者や先輩職員が一定期間同行します。回数や期間は、利用者と外国人の状況を見て事業所が判断します。
指導の進め方として、通知では次の例が示されています。初めは見学を中心にし、次に役割を分けて身体介護などを行い、最後は外国人が中心になって同行者が確認する、という段階です。厚労省は、同行訪問チェックシートの参考例も出しています。
③ キャリアアップ計画
業務の内容や注意点をていねいに説明し、本人の意向を確かめたうえで、外国人ごとに本人と共同で計画を作ります。記載するのは、介護技能の修得目標、そのための活動計画、資格取得・研修受講の目標、キャリア目標、日本語能力の習得目標です。
計画には、事業所の説明者と本人の両方が署名し、写しを本人に渡します。協議会事務局は、両者の直筆の署名を求めています。説明者の署名がない例が多いとして、注意を呼びかけています。計画の目標が達成できなかったことだけで、直ちに遵守事項違反とされるわけではありません。
様式は、2025年12月1日の改正後のものを使います。
④ ハラスメント対策
次の対応を、どちらも行います。
- 防止のための対応マニュアルの作成・共有、管理者などの役割の明確化、起きたときの対処ルールの作成・共有、利用者や家族への周知
- 実際に起きたときのルールの実行、外国人が相談できる窓口の設置と周知
対象には、利用者や家族からのセクシュアルハラスメントや、カスタマーハラスメントも含まれます。
⑤ ICTの活用を含む環境整備
次の4つを、どれも行います。
- 緊急時の連絡先や対応の流れをまとめたマニュアルの作成
- 緊急時を想定した研修
- 緊急時に、ほかの職員が駆け付けられる体制
- サービス提供記録や申し送りを、職員全員で共有する仕組み
コミュニケーションアプリや記録ソフトなどのICTを使うことが考えられるとされています。記録作成の負担を減らす工夫も大切です。
あわせて配慮すること
訪問先は、利用者の状態や住まいの環境、利用者・家族の意向と、外国人のコミュニケーション能力や介護技術、意向をふまえて選びます。選んだ判断は記録に残します。外国人の状況に応じて、OJTの期間を長くする、定期的に面談する、日本語の学習を支援するなどの配慮も求められています。
(出典:外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について、同 Q&A(問1〜10・16)、外国人介護人材の訪問系サービス従事に係るキャリアアップ計画等の取扱いについて、介護分野の告示、(手続の案内)協議会事務局「適合確認申請方法・提出書類」)
利用者・家族への書面での説明
外国人が訪問して介護をする可能性がある利用者や家族には、書面を渡して説明し、署名を求めます。説明する内容は、次の4つなどです。
- 外国人が訪問する場合があること
- 訪問する外国人の実務経験など
- ICT機器を使いながら仕事をする場合があること
- 不安なことがあるときに連絡する、事業所の連絡先
署名をもらった書面の写しは、利用者・家族に渡します。様式は、厚労省の「別添1」(実務経験1年以上の人)と「別添2」(1年未満の人)を使います。
(出典:外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について、同 Q&A(問15)、厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について」)
適合確認書を受けるまでの流れと出す書類
遵守事項を満たしているかは、入管への申請のときではなく、訪問系の仕事を始める前に確認されます。確認するのは、厚労省の事業で巡回訪問を行う機関で、特定技能では協議会の事務局(国際厚生事業団)です。
申請のしかた
申請は、協議会申請システムで行います。新しく協議会に入る場合は入会の申請と同時に、すでに構成員の場合は、その外国人を訪問系で受け入れる前に出します。
- 訪問系の事業所が入会証明書に載っていなければ、事業所を登録します(指定通知書などを出します)
- 外国人ごとに適合確認申請をします
協議会事務局の案内では、2026年5月のシステム改修で、事業所の申請、外国人の情報、書類の提出を、申請システムでまとめて行えるようになりました。
適合確認申請で出す書類
| 書類 | ポイント |
|---|---|
| 訪問系サービスの要件に係る報告書 | 事業所ごとに作る。事務局の記入例を参考に、実際に守れる計画を書く。挙証書類の名前とページ番号を正確に |
| キャリアアップ計画 | 外国人ごとに作る。事業所の説明者と本人の直筆の署名入り |
| ハラスメント対策の資料 | 対応マニュアルや対処ルールを作り、事業所内で共有していることが分かるもの |
| 緊急時のマニュアル | 緊急時の連絡先や対応の流れをまとめたもの |
研修プログラムやOJTの資料は、任意で出せます。事務局の案内では、挙証書類の名前やページ番号が合っていないと差し戻すとしています。外国人の氏名と生年月日は、旅券の表記どおりに書きます。
進め方の工夫
協議会事務局のFAQでは、施設系の事業所だけを先に入会証明書に載せてもらい、あとから訪問系の事業所を追加して適合確認申請をする進め方もできるとしています。
登録支援機関が書類作成を手伝う場合、報告書は受入機関と相談し、同意を得て出すよう案内されています。キャリアアップ計画は、外国人本人も含めた3者で相談して作ります。
適合確認書は、外国人ごとに交付されます。入会規程では、有効期限を設けないとしています。
入管への申請と並行して進める場合の注意
適合確認申請と、入管への在留資格の申請(在留資格変更許可申請など)を同じ時期に進めることを禁じる記述は、今回確認した厚労省・入管庁の資料(要領別冊、厚労省の受入れページ、入管庁の運用要領)と協議会事務局の案内には見当たりませんでした。事務局のFAQでは、適合確認申請を出せる時期に特に定めはないとしています。技能実習2号から特定技能1号に変更して訪問系で働く予定の人について、申請書類の書き方も案内されています。
並行して進める場合は、次の3点に注意が必要です。
- 入会証明書に載る事業所:厚労省は、入管への在留諸申請の前に、受入事業所の情報が登録された入会証明書を受けるよう求めています。事務局のFAQでは、訪問系の事業所を追加する申請をした場合、その事業所の適合確認申請が終わるまで入会証明書は発行されないとしています。この2つを合わせると、まだ入会証明書に載っていない訪問系の事業所で受け入れる形で入管に申請する場合は、その事業所が載った入会証明書が出てから(適合確認申請が終わってから)の申請になると考えられます。このように並行して進められる場面は限られるため、入会証明書がいつ出るかを事務局に確かめてから日程を組んでください
- 適合確認書の前は訪問系で働けない:入管の許可が先に出ても、適合確認書を受けるまでは、同行訪問も含めて訪問系の仕事は始められません(事務局の案内)
- 許可から1か月以内に働き始められるか:入管庁の運用要領では、特定技能外国人が許可を受けた日から1か月たっても就労を開始していない場合を、受入れ困難に係る届出の事由の例に挙げています。届出は、事由が生じた日から14日以内です。訪問系の仕事だけを予定していて、適合確認書を待つ間に働き始められなければ、この届出が必要になる可能性があります。運用要領は適合確認書を待つ場合について個別には書いていないため、扱いに迷うときは地方出入国在留管理局に確かめてください
運用要領は、受入れ予定の外国人の在留審査の結果などを確実に把握するよう努めることを求めています。入管の許可が見込まれる時期と、適合確認書が出る時期の両方を見ながら進めることが大切です。事務局のFAQでは、施設系の事業所だけを先に入会証明書に載せる進め方もできるとしています。施設系の事業所で受け入れて働き始めてもらい、適合確認書を受けてから訪問系の事業所へ移す場合は、後の章「施設で働いている人を同じ法人の訪問介護に移す場合」の手続が必要です。
→ 介護分野の特定技能協議会とは?企業や登録支援機関に加入義務はある?
(出典:要領別冊(介護分野)、介護分野における特定技能・育成就労協議会入会規程、外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について、厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」、出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」(第7章第4節)、(手続の案内)協議会事務局「適合確認申請方法・提出書類」、(手続の案内)協議会事務局「適合確認申請に関するよくあるご質問」)
働き始めてから続けること:定期報告と巡回訪問
適合確認書を受けたあとも、1年ごとの定期報告と、巡回訪問での確認が続きます。
定期報告(キャリアアップ計画)
キャリアアップ計画の評価期間は1年です。評価期間が終わるたびに次の計画を作り、前の評価期間の終わりから4か月以内に協議会事務局へ出します。事務局の案内では、初回の評価期間は訪問系の仕事を始めた日から1年です。
- 定期報告の1か月前に、事務局から通知メールが届きます
- 申請時に登録した評価期間と実際が違う場合は、申請システムで変更します
- 定期報告のときは、申請システムの外国人情報(雇用条件書・支援計画書・在留カード)も最新にします
巡回訪問
巡回訪問の前に、事業所と外国人に質問票が送られます。巡回訪問では、管理者やサービス提供責任者、外国人本人との面談があります。求められたらすぐ出せるよう、次の書類を置いておきます。
- 研修の資料、出席の記録、研修計画
- 同行訪問のチェックシート、OJTの計画、シフト表、訪問記録
- ハラスメントの相談受付簿・対応記録・マニュアル
- 緊急時対応マニュアル、勤務体制一覧表
- 実務経験を示す書類(1年未満の人はN2相当を示す書類も)
- 利用者・家族への説明書の写し
- 初任者研修などの修了を確認できる書類
守れていない場合
遵守事項を守れていないと分かると、まず指導があります。是正されない場合は、厚労省と協議のうえで適合確認書が取り消され、協議会の脱退の手続が進められます。取消しの通知を出す可能性があるときは、その前に、弁明の機会を兼ねた巡回訪問が行われます。
脱退となった法人は、脱退の日から5年間、協議会に入れません。そのため、介護分野で特定技能の外国人を受け入れられなくなります。
(出典:厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について」、外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について、同 Q&A(問18・20〜22)、介護分野における特定技能・育成就労協議会入会規程、(手続の案内)協議会事務局「定期報告について」)
施設で働いている人を同じ法人の訪問介護に移す場合
特定技能の人は、同じ法人の別の事業所へ異動することも、別の法人へ移ることもできます。施設系の事業所から、同じ法人の訪問系の事業所へ移す場合は、次の手続が必要です。
- 入管に「特定技能雇用契約の変更に係る届出」を出す(雇用条件の変更から14日以内)
- 訪問系の事業所が入会証明書に載っていなければ、協議会に事業所を追加する
- そのうえで、外国人ごとに適合確認申請をする
入管への届出には、雇用条件書(変更部分)や、介護分野の事業所の概要書(分野参考様式第1-2号)などを付けます。
→ 特定技能の届出 年間ガイド|定期届出(4〜5月)と随時届出(14日以内)の全体像
介護分野の申請書類の全体は、次の記事で説明しています。
→ 特定技能「介護」の必要書類一覧|認定・変更・更新それぞれの添付書類と提出先【2026年版】
(出典:同 Q&A(問29)、別紙3 同一法人内の訪問系サービス事業者に異動した場合の提出書類一覧)
よくある質問
Q 訪問先へ車を運転して行ってもらえますか。 A 運転免許を取ったうえで、道路交通法にしたがって運転することはできます。
Q 生活援助を担当してもらえますか。 A 厚労省のQ&Aでは、身体介護が中心であるとしたうえで、初任者研修を修了した人が訪問介護の一環として生活援助を行うことは、認められる場合があるとしています。生活援助従事者研修だけを修了した人が、生活援助だけを行うことは認められていません。
Q 訪問入浴介護だけなら、手続は要りませんか。 A 遵守事項と、事前の届出は求められていません。ただし、指導体制を整え、職場内で入浴などの研修を行う必要があります。
Q 初任者研修は、いつまでに修了すればよいですか。 A 協議会事務局の案内では、訪問系の仕事を始める時点で修了していればよく、申請の時点では必要ありません。
Q 適合確認書に有効期限はありますか。 A 入会規程では、有効期限を設けないとしています。ただし、1年ごとの定期報告が必要です。
Q 育成就労でも訪問介護に従事できますか。 A 分野別運用方針では、育成就労の外国人も、初任者研修の修了などの条件と、同じ5つの遵守事項のもとで従事できる枠組みが示されています。
個別の事情で必要な手続が変わることがあります。迷う場合は、協議会事務局や、行政書士などの専門家に相談してください。
(出典:同 Q&A(問24・26〜28)、介護分野における特定技能・育成就労協議会入会規程、分野別運用方針 別紙1 介護、(手続の案内)協議会事務局「適合確認申請に関するよくあるご質問」)
まとめ
- 特定技能1号の介護職員は、2025年4月21日から、条件を満たせば訪問系サービスで働けます。
- 本人は初任者研修などの修了と、原則1年以上の実務経験が必要です。1年未満なら、N2相当の日本語能力と、利用者ごとの同行訪問(最低2か月)が条件です。
- 事業所は5つの遵守事項を整え、利用者・家族に書面で説明し、外国人ごとに適合確認書を受けます。適合確認書の前は、同行訪問もできないと案内されています。
- 働き始めたあとは、1年ごとの定期報告(4か月以内)と巡回訪問があります。
→ 【2026年版】特定技能「介護分野」受け入れの条件と流れ|試験・協議会・訪問介護
記事作成で参照した一次情報
- 厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について」
- 外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について(令和7年3月31日 社援発0331第40号・老発0331第12号)
- 同 留意点通知に関するQ&A(別紙1〜3を含む)
- 利用者・家族への説明様式 別添1(実務経験1年以上)
- 利用者・家族への説明様式 別添2(実務経験1年未満)
- 対象施設一覧
- 同一法人内の訪問系サービス事業者に異動した場合の提出書類一覧(別紙3)
- 障害福祉サービス等における外国人介護人材の訪問系サービス従事の留意点について(令和7年3月31日 社援発0331第41号ほか)
- 外国人介護人材の訪問系サービス従事に係るキャリアアップ計画等の取扱いについて(令和7年12月1日 第1次改正)
- キャリアアップ計画様式
- 介護分野の告示(平成31年厚生労働省告示第66号、改正後)
- 厚生労働省「特定の分野に係る要領別冊(介護分野)」
- 厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」
- 介護分野における特定技能・育成就労協議会入会規程
- 出入国在留管理庁「介護分野」
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」(第7章第4節 特定技能外国人の受入れ困難時の届出)
- 分野別運用方針 別紙1 介護(令和8年1月23日閣議決定)
手続の案内(介護分野の協議会事務局・国際厚生事業団。厚労省の要領別冊で問合せ先とされている機関)

