この記事は、NIPPON VISA & LIFE編集部が、国や自治体などの公的機関の情報をもとに作成しています。ルールや料金は、お住まいの市区町村によって違うことがあります。
日本では、宅配便の会社・銀行・警察・出入国在留管理庁(入管)などを名乗るうそのメール・SMS・電話で、お金や個人情報をだまし取る詐欺が起きています。メールやSMSのリンクは押さない、電話でお金の話が出たら切る、一人で決めずに相談する、の3つが基本です。相談先は、警察相談専用電話の#9110と、消費者ホットラインの188です。
お金や買い物の全体は日本でのお金と買い物の基本|銀行口座・支払いの方法・消費税・スマホの契約・海外送金・困ったときの相談先にまとめています。
まず結論:あやしいと思ったら
- メール・SMSのリンクを押さない:本物かどうかは、自分で調べた会社の公式サイトや公式アプリ、電話窓口で確かめます。
- 電話は切る:お金・口座・パスポート・在留カードの話が出たら、いったん電話を切ります。相手が教えた番号には、かけ直しません。
- 個人情報を送らない:暗証番号・パスワード・カードの番号、在留カードやパスポートの写真は、送りません。
- 相談する:家族や友人、#9110(警察)、188(消費生活センター)に相談します。
- 被害にあったら、すぐ連絡する:お金を振り込んだ・カードの番号を入力したときは、銀行やカード会社にすぐ連絡し、警察に相談します。
(出典:警察庁「フィッシング対策」、警察庁「ニセ警察詐欺に注意!」)
よくある手口
| 名乗る相手 | メッセージや電話の例 |
|---|---|
| 宅配便の会社 | 「お荷物のお届けにあがりましたが不在の為持ち帰りました。下記よりご確認ください」 |
| 通販サイト・フリマアプリ | 「支払い方法に問題がある」「不正利用が確認された」 |
| クレジットカード会社・銀行 | 「カードの不正な取引があった」「本人の利用か確認させてほしい」 |
| 携帯電話の会社 | 「支払いが滞っている」「携帯電話料金が未納」 |
| 公的機関 | 「未払いの税金がある」 |
| 警察官 | 「あなたの口座が犯罪に使われている」「逮捕される」 |
| 入管の職員 | 「パスポートが不正に利用されている可能性がある」「在留カードに異常があるため、失効になる」 |
(出典:国民生活センター「通販サイト、カード会社、宅配便事業者などをかたる偽SMS・メールに警戒を!」、警察庁「ニセ警察詐欺に注意!」、出入国在留管理庁「入管を名乗る不審な電話、メール等にご注意ください」)
メール・SMSの詐欺(フィッシング)
フィッシングとは、本物の会社のふりをしたメールやSMSで、うそのサイト(偽サイト)に連れて行き、パスワードやカードの番号を入力させる手口のことです。
見た目では分からない
政府広報オンラインは、うそのメール・SMS・サイトは本物をそのまま写したものが多く、見た目では判断が難しいと説明しています。警察庁も、送った人の名前やメールアドレスは簡単にごまかせると説明しています。「身に覚えのある荷物」「いつも使っているサービス」からの連絡でも、うそのことがあります。
偽サイトで入力させられる情報の例は、クレジットカードの番号、口座の番号、暗証番号、住所・氏名・電話番号・生年月日、インターネットバンキングのIDとパスワード、運転免許証やマイナンバーカードの画像です。
(出典:政府広報オンライン「巧妙化するフィッシングから身を守るには」、警察庁「フィッシング対策」)
ふだんからできる対策
- リンクを押さない:公式サイトをブックマーク(お気に入り)に入れる、公式アプリを使う、などの方法で開きます。警察庁は、金融機関がメールやSMSでIDやパスワードを聞くことはないと説明しています。
- スマートフォンの基本ソフト(OS)やアプリを新しくする。
- 携帯電話の会社の迷惑メッセージを止める機能を使う。
- ワンタイムパスワード(ログインのたびに変わるパスワードのこと)や、指紋・顔の認証を使う。
- 同じパスワードを、いくつものサービスで使わない。
(出典:政府広報オンライン「巧妙化するフィッシングから身を守るには」、警察庁「フィッシング対策」)
電話の詐欺:警察官・入管の職員を名乗る
警察官を名乗る電話(ニセ警察詐欺)
警察官を名乗って「あなたの口座が犯罪に使われている」「携帯電話が不正に契約された」などと言い、「資産を守る」「口座を調べる」として、お金を振り込ませる詐欺が増えています。電話会社や総務省を名乗ったあと、警察官役に代わることもあります。SNSやビデオ通話に誘い、偽の警察手帳や逮捕状を見せることもあります。
警察庁は、本物の警察官は次のことをしないと説明しています。
- 電話で「あなたは捜査の対象になっている」と伝えること
- メッセージアプリで連絡すること
- 警察手帳や逮捕状の画像を送ること
- 個人のスマートフォンに突然ビデオ通話をかけること
- 電話で取り調べをすること
ひとつでも当てはまったら、電話やビデオ通話を切り、近くの警察署に行って相談するか、#9110に相談します。
(出典:警察庁「ニセ警察詐欺に注意!」)
画面に本物の警察の番号が出ても、信じない
犯人が、実在する警察本部や警察署の電話番号を画面に表示させる手口が確認されています。警察庁によると、「+」から始まる国際電話の番号で、最後が「0110」になっているものも多く使われています。表示された番号だけで本物と決めないでください。
(出典:警察庁「警察に偽装した電話番号に注意!」、警察庁「ニセ警察詐欺に注意!」)
中国の大使館・公安局を名乗る電話(警視庁の注意)
警視庁は、日本に住む中国人に向けて、中国の公安局・警察・大使館などを名乗る詐欺電話に注意するよう呼びかけています。「あなた名義の口座や携帯電話が犯罪に使われている」「逮捕状が出ている」などと言い、通信アプリを入れさせて、ビデオ通話で偽の逮捕状を見せ、お金を求める手口です。警視庁は、非通知や知らない番号の電話に出ないこと、自分の身分証の写真を送らないこと、電話を切って友人や警察に相談することを呼びかけています。
(出典:警視庁「中国大使館や中国公安局を名乗る詐欺電話に注意」)
入管の職員を名乗る電話・メール
出入国在留管理庁には、入管の職員を名乗る電話やメールの相談が多く寄せられています。入管が公表している相談事例には、次のようなものがあります。
- 「パスポートが不正に利用されている可能性がある」と言われ、生年月日や住所を聞かれた。
- 自動音声で「重要な書類を保管している」「期限が切れる」などと流れ、番号を押すように言われた。
- 「知人の外国人が空港で足止めされている」として、お金を振り込むように言われた。
- 「在留カードに異常があるため、失効になる」という音声が流れた。
- 資産の書類を出さないと、在留資格の取消しや強制送還になる、というメールが届いた。
入管は、「+」から始まる海外の番号で電話をかけることはない、と案内しています。実在する電話番号やメールアドレスをごまかしていることもあるので、相手の所属や担当の部署を確かめてください。在留の手続で分からないことは、自分で調べた地方出入国在留管理局(地方の入管)の窓口に問い合わせます。
(出典:出入国在留管理庁「入管を名乗る不審な電話、メール等にご注意ください」)
オンライン申請の手数料のメールにも注意
2026年10月1日から、在留申請オンラインシステムで受け付けた申請の手数料は、収入印紙ではなく、コンビニ決済か銀行決済で払う方法に変わりました。出入国在留管理庁は、これに合わせて入管を装った詐欺のメールが心配されるとして、次のように案内しています。
- 支払いのリンクが付いたメールは、オンライン申請の利用者IDに登録したメールアドレスにだけ届きます。
- 入管が、オンライン申請の人にクレジットカード決済やQRコード決済で手数料を求めることはありません。
- 入管が、法律で決まった許可の手数料のほかに、お金を求めることはありません。
本物のメールの差出人(送った人のアドレス)の見分け方は、入管のページに書かれています。
(出典:出入国在留管理庁「出入国在留管理庁を装った詐欺について」)
「+1」「+44」から始まる電話
法務省は、着信の番号が「+1」や「+44」などから始まる電話は、後ろに官公庁の番号が続いていても、ごまかして表示された可能性が高いとして、出ない・かけ直さないよう呼びかけています。
家の固定電話は、「国際電話不取扱受付センター」(電話 0120-210-364)に申し込むと、国際電話をかけたり受けたりするのを無料で止められます。携帯電話は、国際電話の着信を止められるアプリを使うよう、警察庁が案内しています。携帯電話の会社によっては、国際電話の着信を拒否するサービスを使える場合もあるので、契約している会社に問い合わせてください。
(出典:法務省「法務省職員を名乗る電話にご注意ください」、警察庁「警察に偽装した電話番号に注意!」)
困ったとき・よくある失敗
リンクを押して、アプリを入れてしまったら?
国民生活センターによると、宅配便の不在通知のSMSから不正なアプリを入れてしまい、自分のスマートフォンから同じSMSが多くの人に勝手に送られ、身に覚えのない通信料を請求された相談があります。国民生活センターは、不正なアプリを入れてしまったら、スマートフォンを機内モードにして、アプリを消す(アンインストールする)よう案内しています。
(出典:国民生活センター「宅配便業者を装った『不在通知』の偽SMSに注意しましょう」)
パスワードやカードの番号を入力してしまったら?
- パスワードをすぐに変えます。 同じIDとパスワードを使っているほかのサービスも、すべて変えます。
- お金のことは、その会社に連絡します。 お金を勝手に送られたら銀行に、カードを勝手に使われたらカード会社に相談します。
- 警察に相談します。 被害にあったら、近くの警察署か、サイバー事案の通報などのオンライン受付窓口に連絡します。偽サイトのURLは「フィッシング110番」(インターネット・ホットラインセンター)に知らせることもできます。
(出典:警察庁「フィッシング対策」、国民生活センター「通販サイト、カード会社、宅配便事業者などをかたる偽SMS・メールに警戒を!」)
電話に出てしまった。もう遅い?
途中で気づいたら、そこで電話を切ってください。電話では個人情報を話さないこと、着信の履歴の番号にかけ直さないことを、法務省は呼びかけています。不安なときは、その電話が来た携帯電話を持って、近くの警察署か交番に相談できます。
帰国するので、使わない口座をだれかにあげてもいい?
だめです。警察庁は、お金をもらうかどうかに関係なく、口座を人にあげること(譲渡)は犯罪だと注意しています。帰国などで口座を使わなくなるときは、銀行で口座を解約します。住所や在留資格が変わったときは、銀行に届け出る必要があります。人にあげた口座が、特殊詐欺などの犯罪に使われていることがうかがわれる、と警察庁は説明しています。
口座の作り方や、住所が変わったときの連絡は日本で銀行口座を作るには|必要なもの・作れないときの理由・住所や在留期限が変わったときの連絡を見てください。
(出典:警察庁「通帳・キャッシュカードの譲渡は犯罪です!」)
相談先
| 相談したいこと | 窓口 |
|---|---|
| 詐欺かもしれない電話・メール、被害の相談 | 警察相談専用電話 #9110(近くの警察の相談窓口につながる全国共通の番号) |
| 買い物・契約・あやしいメッセージの相談 | 消費者ホットライン 188(近くの市区町村や都道府県の消費生活センターなどを案内する全国共通の番号) |
| 犯罪の被害にあって、警察官にすぐ来てほしい | 110番(警察への緊急の電話) |
| 偽サイトのURLを知らせる | フィッシング110番(インターネット・ホットラインセンター) |
買い物や契約の相談先の詳しいことは買い物や契約で困ったときの相談先|消費者ホットライン188・消費生活センター・クーリング・オフ、110番のかけ方は日本の災害と緊急時の基本|119番・110番、地震・津波・大雨・火山、避難と多言語の情報にまとめています。
(出典:国民生活センター「宅配便業者を装った『不在通知』の偽SMSに注意しましょう」、警察庁「フィッシング対策」、出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」)
記事作成で参照した一次情報
- 警察庁「フィッシング対策」
- 警察庁「ニセ警察詐欺に注意!」
- 警察庁「警察に偽装した電話番号に注意!」
- 警察庁「通帳・キャッシュカードの譲渡は犯罪です!」
- 警視庁「中国大使館や中国公安局を名乗る詐欺電話に注意」
- 出入国在留管理庁「入管を名乗る不審な電話、メール等にご注意ください」
- 出入国在留管理庁「出入国在留管理庁を装った詐欺について」
- 法務省「法務省職員を名乗る電話にご注意ください」
- 政府広報オンライン「巧妙化するフィッシングから身を守るには」
- 国民生活センター「宅配便業者を装った『不在通知』の偽SMSに注意しましょう」
- 国民生活センター「通販サイト、カード会社、宅配便事業者などをかたる偽SMS・メールに警戒を!」

