この記事は、NIPPON VISA & LIFE編集部が、国や自治体などの公的機関の情報をもとに作成しています。ルールや料金は、お住まいの市区町村によって違うことがあります。
日本で部屋がなかなか借りられないときは、一人で探し続けずに、国の仕組みを使いましょう。外国人は、国の住まいの支援の対象に入っています。「セーフティネット住宅」(入居を断らない賃貸住宅)を探すこと、「居住支援法人」(住まい探しを手伝う団体)に相談することができます。
部屋を借りる流れ全体は、日本で部屋を借りる・引っ越すときの流れ|部屋探し・契約・初期費用・入居・住むときのルール・退去 にまとめています。
まず結論:部屋が借りられないときにできること
- 外国語で相談できる不動産店(ふどうさんてん。部屋を紹介する店)を探す
- 国土交通省の「セーフティネット住宅情報提供システム」で、入居を断らない部屋を探す
- 住んでいる(住みたい)地域の居住支援法人に、部屋探しを相談する
- 保証人がいないときは、家賃債務保証会社(やちんさいむほしょうがいしゃ。保証人の代わりになる会社)を使える部屋を探す
- 収入が少ないときは、都道府県や市区町村の公営住宅も調べる
- 外国人であることを理由に不当な扱いを受けたと感じたら、法務局(ほうむきょく)の人権相談に相談する
(出典:国土交通省「住宅セーフティネット制度」、国土交通省「外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居について」、法務省「外国人のための人権相談」)
外国人は国の住まいの支援の対象です
国には、部屋を借りにくい人を助ける「住宅セーフティネット制度」があります。この制度では、部屋を借りるときに特に配慮が必要な人を「住宅確保要配慮者」(じゅうたくかくほようはいりょしゃ)と呼びます。
| 決めているもの | 対象になる人 |
|---|---|
| 法律 | 収入の少ない人、災害にあった人、高齢者、障害のある人、子どもを育てている世帯 |
| 国土交通省の省令(法律の細かいルール) | 外国人など |
| 都道府県・市区町村 | 地域の計画で、対象を増やせる(例:結婚したばかりの世帯) |
省令で、外国人も住宅確保要配慮者に含まれています。
(出典:国土交通省「住宅セーフティネット制度」)
1. セーフティネット住宅を探す
セーフティネット住宅(登録住宅)は、住宅確保要配慮者の入居を断らない賃貸住宅として、都道府県・政令市・中核市に登録された部屋です。
- 探し方:国土交通省の「セーフティネット住宅情報提供システム」で探せます(日本語のサイトです)。
- 申し込み:見つけた部屋の家主(やぬし。部屋を貸す人)に申し込みます。家賃や保証などの契約の条件は、部屋ごとに違います。
- セーフティネット専用住宅:入居できる人を住宅確保要配慮者に限った登録住宅です。改修費の補助を受けて直した部屋は、10年間、住宅確保要配慮者だけが入れる部屋(専用住宅または居住サポート住宅)として貸すことになっています。
- 家賃の補助:セーフティネット専用住宅や居住サポート住宅に収入の少ない人が入るときに、自治体と国が家賃や保証料を下げる補助をしている地域があります。補助があるかどうかは自治体によって違うので、住んでいる自治体に確かめてください。
(出典:国土交通省「住宅セーフティネット制度」、国土交通省「部屋探しのガイドブック」)
2. 居住支援法人に相談する
居住支援法人(きょじゅうしえんほうじん)は、住まい探しなどを手伝う法人として、都道府県が指定した団体です。NPO法人・社会福祉法人・会社などがあります。全国に1,196法人あります(2026年6月30日時点)。
居住支援法人がする仕事の例:
- 部屋探しや入居についての情報提供・相談
- 入居した後の見守り(定期的に様子を確かめること)などの生活の支援
- セーフティネット住宅に入る人の家賃の保証
- 家主に、部屋の貸し方についての情報を伝えること
すべての法人が、これらの仕事を全部しているわけではありません。
探し方
- 国土交通省の「居住支援法人一覧」(PDF)を開く。都道府県ごとに、法人の名前・活動している地域・電話番号・メールアドレスが載っています。
- 一覧には、どんな人を支援しているかの欄があり、「外国人」の欄に印がある法人から探すと便利です。この欄はアンケートをもとにした参考の情報なので、印がない法人でも外国人を支援していることがあります。
- 電話かメールで、部屋を探していることを伝えて相談します。
英語の一覧(Excel)も、国土交通省「居住支援法人」のページからダウンロードできます。相談の内容や費用は、法人によって違うので、最初に確かめましょう。
(出典:国土交通省「住宅確保要配慮者居住支援法人について」、国土交通省「居住支援法人制度の概要」、国土交通省「居住支援法人一覧」)
居住サポート住宅とは
2025年10月1日から、「居住サポート住宅」という仕組みも始まりました。居住支援法人などが家主と協力して、入居した人に次のことをする住宅です。
- ふだんの安否確認(無事かどうかを確かめること)
- 訪問などによる見守り
- 生活や体の具合が不安定になったときに、福祉のサービスにつなぐこと
居住サポート住宅は、国土交通省の「居住サポート住宅情報提供システム」で探せます。
(出典:国土交通省「住宅セーフティネット制度」、国土交通省「改正住宅セーフティネット法について」)
3. 保証人がいないとき:家賃債務保証会社
日本の賃貸住宅の契約では、連帯保証人(れんたいほしょうにん。家賃を払えないときに代わりに払う約束をする人)か、家賃債務保証会社が求められることが多いです。日本に保証人になってくれる人がいなくても、保証会社を使えば契約できる部屋があります。
国は、保証会社について次の2つの制度を作っています。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 登録家賃債務保証業者 | きちんと仕事ができる保証会社を、国土交通大臣が登録する |
| 認定家賃債務保証業者 | 部屋を借りにくい人が使いやすい保証会社を、国土交通大臣が認定する |
認定された保証会社には、部屋を借りにくい人(住宅確保要配慮者)との契約について、例えば次の決まりがあります。
- 緊急連絡先を、親族などの個人に限らない(会社などの法人でもよい)
- 保証人を立てることを、保証の条件にしない
- 居住サポート住宅に入る人の保証を、正当な理由なく断らない
- 保証料が不当に高くない
国土交通省は、外国語での対応をしている登録保証会社の一覧も公開しています(外国人の言語対応サポートを行っている登録家賃債務保証業者一覧)。使える保証会社については、不動産店に聞いてみてください。
(出典:国土交通省「住宅セーフティネット制度」、国土交通省「認定家賃債務保証業者制度の概要」、国土交通省「外国人の言語対応サポートを行っている登録家賃債務保証業者一覧」)
4. 外国語で部屋を探すときに使えるもの
- 部屋探しのガイドブック(国土交通省):部屋探しの流れ、契約、住むときのルールの説明。日本語・英語・中国語・韓国語・スペイン語・ポルトガル語・ベトナム語・ネパール語・タイ語・インドネシア語・ミャンマー語・クメール語・タガログ語・モンゴル語の14言語です。
- 入居申込書・重要事項説明書・賃貸住宅標準契約書の外国語の見本(国土交通省):日本語を含む14言語。日本語の書類と並べて、内容を確かめるのに使えます。
- 外国語が話せる不動産店の情報:国土交通省のページで、日本賃貸住宅管理協会(JPM)の案内として紹介されています(JPM「外国人入居円滑化支援のご案内」)。
どれも、国土交通省の「外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居について」のページから開けます。
(出典:国土交通省「外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居について」)
5. 収入が少ないとき:公営住宅
公営住宅(こうえいじゅうたく)は、住まいに困っている収入の少ない人のために、都道府県や市区町村が安い家賃で貸す住宅です。外国人が申し込めるか、どんな条件があるかは、自治体によって違います。申し込みの時期や方法は、住んでいる都道府県・市区町村のホームページで「公営住宅」「市営住宅」「県営住宅」などと検索するか、市区町村の住宅の担当の窓口で確かめてください。
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第11章)
困ったとき
「外国人だから」と断られたら、どこに相談できる?
外国人であることを理由に不当な差別を受けたと感じたときは、全国の法務局・地方法務局の人権相談に相談できます。職員や人権擁護委員(じんけんようごいいん)が話を聞き、解決の方法を一緒に考えます。
| 窓口 | 内容 |
|---|---|
| 外国語人権相談ダイヤル | 電話 0570-090-911。平日9:00〜17:00(年末年始を除く) |
| 対応する言語 | 英語、中国語、韓国語、フィリピノ語、ポルトガル語、ベトナム語、ネパール語、スペイン語、インドネシア語、タイ語 |
| インターネット | 法務省の「外国語インターネット人権相談受付窓口」から、上の10言語で相談できます |
(出典:法務省「外国人のための人権相談」)
契約やお金のことで困ったら?
部屋の契約、初期費用、敷金の返還などのトラブルは、消費者ホットライン「188」や消費生活センターに相談できます。くわしくは 買い物や契約で困ったときの相談先|消費者ホットライン188・消費生活センター・クーリング・オフ を見てください。
(出典:消費者庁「消費者ホットライン」)
セーフティネット住宅なら、必ず借りられる?
そうとは限りません。セーフティネット住宅は、住宅確保要配慮者の入居を断らない部屋として登録された住宅です。ただし、家賃や保証などの契約の条件は部屋ごとに違い、家主と契約を結ぶ必要があります。申し込む前に、条件をよく確かめましょう。居住支援法人に相談すると、部屋探しを手伝ってもらえることがあります。
(出典:国土交通省「住宅セーフティネット制度」)
記事作成で参照した一次情報
- 国土交通省「住宅セーフティネット制度」
- 国土交通省「改正住宅セーフティネット法について」
- 国土交通省「住宅確保要配慮者居住支援法人について」
- 国土交通省「居住支援法人制度の概要」
- 国土交通省「居住支援法人一覧」(令和8年6月30日時点)
- 国土交通省「認定家賃債務保証業者制度の概要」
- 国土交通省「外国人の言語対応サポートを行っている登録家賃債務保証業者一覧」
- 国土交通省「外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居について」
- 国土交通省「部屋探しのガイドブック」(日本語版)
- 国土交通省「セーフティネット住宅情報提供システム」
- 国土交通省「居住サポート住宅情報提供システム」
- 法務省「外国人のための人権相談」
- 消費者庁「消費者ホットライン」
- 出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」(第11章 住居)

