この記事は、NIPPON VISA & LIFE編集部が、国や自治体などの公的機関の情報をもとに作成しています。ルールや料金は、お住まいの市区町村によって違うことがあります。
日本で部屋を借りるときは、不動産店(部屋を紹介する店)で部屋を探し、審査を受けて契約します。契約のときには、家賃の4〜7か月分くらいのお金がかかることが多いので、早めに準備しましょう。この記事では、部屋を探すときから出るときまでの流れを、場面ごとにまとめます。
まず全体の流れ
- インターネットや不動産店で部屋を探す
- 部屋の下見(したみ:部屋を実際に見に行くこと)をする
- 入居の申し込みをして、審査を受ける
- 重要事項説明(じゅうようじこうせつめい:契約の大事な点の説明)を聞いて、契約書に署名し、初期費用を払う
- 鍵を受け取り、電気・ガス・水道などを申し込んで、引っ越す
- 住所が決まったら、市区町村の役所で転入届(てんにゅうとどけ)をする
- 住んでいる間は、ごみ・音・部屋の使い方のルールを守る
- 出るときは、契約書の期限までに解約を伝え、部屋を返して敷金を精算する
申し込みから入居までは、ふつう1〜2週間かかります。
(出典:国土交通省「部屋探しのガイドブック」)
場面ごとの地図
| こんなとき | 知っておくこと | くわしい記事・情報 |
|---|---|---|
| 部屋を探したい | インターネット、不動産店、学校などで探せる | 下の1 |
| 契約したい | 審査があり、保証会社か連帯保証人が求められることが多い | 下の2 |
| お金を準備したい | 初期費用は家賃の4〜7か月分くらいが目安 | 下の3 |
| 引っ越しの日 | 電気・ガス・水道の申し込み、役所の届出 | 下の4 |
| 住んでいる間 | ごみ・音・部屋の使い方のルール | 下の5 |
| 出るとき | 解約の連絡、原状回復、敷金の精算 | 下の6 |
| 安い住宅を探したい | 公営住宅・UR賃貸住宅 | 下の7 |
1. 部屋を探す
- インターネットの不動産情報のサイトで探せます。外国人の入居を受け入れる賃貸住宅は、国土交通省の「セーフティネット住宅情報提供システム」(日本語)でも探せます。
- まちの不動産店へ行き、希望の条件を伝えて部屋を紹介してもらう方法もあります。日本語があまり話せないときは、日本語を話せる人といっしょに行きましょう。
- 留学生は、大学などの学生担当の課で、部屋の情報があるか聞いてみてください。
- 不動産店では、名前・仕事・いっしょに住む人の数・収入・日本語の力・部屋を探している理由などを聞かれます。その日に申し込むこともあるので、在留カードやパスポートを持って行きましょう。
部屋の見方(間取り)
日本では、部屋の形を「2LDK」のように書きます。「L」は居間(リビング)、「D」は食堂(ダイニング)、「K」は台所(キッチン)です。最初の数字は、それ以外の部屋の数です。「2LDK」は、リビング・ダイニング・キッチンのほかに部屋が2つあるという意味です。
下見で確かめること
下見は無料です。見て気に入らなければ、申し込まなくてかまいません。キッチンやエアコンなどの設備、冷蔵庫や洗濯機を置く場所を確かめましょう。駅やバス停、スーパー、病院がどこにあるかも見ておくと安心です。災害の危険がある場所かどうかは、避難場所・避難所とハザードマップの調べ方|災害の前に住所で確かめることで調べ方を説明しています。
(出典:国土交通省「部屋探しのガイドブック」、出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第11章)
2. 申し込み・審査・契約
申し込みと審査
部屋が気に入ったら、入居申込書を書いて、審査に必要な書類を出します。不動産店と家主(やぬし:部屋の持ち主)が審査をして、通れば契約できます。
| 審査で求められることが多い書類 |
|---|
| パスポート、在留カード |
| 所得証明書(収入を示す書類)、勤務先の証明書や学校の在学証明書など |
| 連帯保証人を立てるときは、その人の所得証明書と印鑑登録証明書 |
日本の賃貸住宅の契約では、家賃を払えなくなったときに備えて、家賃債務保証会社(やちんさいむほしょうがいしゃ)を使うか、連帯保証人(れんたいほしょうにん:代わりに払う約束をする人)を立てることが多いです。保証会社は保険ではありません。保証会社が代わりに払ったお金は、あとであなたに請求されます。
契約の前に:重要事項説明
契約の前に、不動産店から、契約と住まいの大事な点について説明を受けます(重要事項説明)。分からないことは、その場で質問しましょう。契約書に署名すると、内容を理解して守ると約束したことになります。署名の前に、特に次のことを確かめてください。
- 契約が「普通賃貸借契約」か「定期賃貸借契約」か(定期賃貸借契約は、期間が終わると更新されずに終わります)
- 敷金・礼金などの金額。敷引き(しきびき:返ってこないと決めてある分)があればその金額
- 更新のときの更新料があるか、その金額(契約の期間はふつう2年です)
- してはいけないこと(部屋の改装、届け出ていない人との同居、ペットなど)
- 出るときの原状回復の条件
申込金(もうしこみきん)を払うときは、契約できなかった場合に返ってくるかを確かめましょう。
(出典:国土交通省「部屋探しのガイドブック」)
3. 初期費用(契約のときに払うお金)
契約のときには、地域によって違いますが、家賃の4〜7か月分くらいのお金が目安です。支払いは、ふつう現金か振込です。
| 費用 | どんなお金か |
|---|---|
| 敷金(しききん) | 家主に預けるお金。家賃の1〜2か月分くらい。出るときに精算して、残りが返る |
| 礼金(れいきん) | 家主に払うお金。家賃の1〜2か月分くらい。返らない。礼金なしの部屋もある |
| 媒介手数料(仲介手数料) | 不動産店に払う手数料。家賃1か月分以内と決められている |
| 損害保険料(火災保険) | 火事や水漏れに備える保険。入るのが一般的 |
| 家賃・共益費 | 家賃は前の月に払う(前払い)。共益費(管理費)は階段や廊下の電気・掃除などのためのお金 |
| 保証料 | 保証会社を使うとき。2年分をはじめにまとめて払うことが多く、その額は家賃1か月分の30〜60%くらいが多い |
月の途中で入居するときは、家賃はふつう日割りで計算します。給料や家賃の振込に使う銀行口座は、日本で銀行口座を作るには|必要なもの・作れないときの理由・住所や在留期限が変わったときの連絡を見てください。
(出典:国土交通省「部屋探しのガイドブック」)
4. 入居の日:鍵・電気・ガス・水道・役所の届出
- 鍵を受け取る:契約書を交わし、お金を払うと鍵がもらえます。出るときに返すので、なくさないようにしましょう。
- 部屋の状態を確かめる:できれば不動産店の人と、傷や汚れの場所を確かめます。日付の入った写真を撮っておくと、出るときのトラブルを防ぐのに役立ちます。設備は実際に動かしてみましょう。
- 電気・ガス・水道を申し込む:連絡先は不動産店に聞いておきましょう。ガスを使い始めるときは、ガス会社の人が来て、本人の立ち会いが必要です。
- 電話・インターネット:使う会社に申し込みます。
部屋に住み始めたら、14日以内に市区町村の役所で転入届をします。在留カードを持って行くと、住居地(住んでいる場所)の届出もいっしょにできます。くわしくは転入届と住民票|日本に来て住所が決まったら14日以内に市区町村へ(持ち物・流れ・引っ越しのとき)を見てください。
(出典:国土交通省「部屋探しのガイドブック」、出入国在留管理庁「住居地の変更届出(中長期在留者)」)
5. 住んでいる間のルール
- ごみ:出す曜日・時間・場所・分け方は、市区町村によって違います。入居のときに、不動産店や役所で確かめましょう。基本は日本のごみの分け方と出し方|燃やすごみ・資源ごみ・粗大ごみの基本ルールにまとめています。
- 音:アパートやマンションでは、隣や上下の部屋に音が伝わりやすいです。特に夜から朝早くまでは、大きな声、音楽、掃除機や洗濯機、ドアの開け閉め、夜遅いお風呂に気をつけましょう。
- くつ:玄関でくつを脱いでから部屋に入ります。
- 湿気とカビ:日本は湿気が多いので、部屋の空気を入れ替えましょう。窓などについた水滴(結露)は拭き取ります。
- 壁:くぎを打つ、ペンキを塗るなどは、契約で禁止されていることが多いです。契約書を確かめてください。
- 台所・お風呂・トイレ:流しに油や生ごみを流さないでください。トイレには、排せつ物とトイレットペーパーのほかは流さないでください。つまって下の部屋に被害が出ると、弁償しなければならないこともあります。
- 廊下・階段・ベランダ:みんなで使う場所や避難の通り道なので、物を置かないでください。
- 自転車:決められた置き場に置きます。
いっしょに住む人がいるときは、契約のときに家主に届け出ます。届け出ていない人を住まわせると、出て行かなければならなくなることがあります。
(出典:国土交通省「部屋探しのガイドブック」、出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第12章)
6. 引っ越す・部屋を出るとき
- 解約を伝える:契約書に書かれた期限までに、家主か不動産店に書面で伝えます(解約予告)。期限は、ふつう1〜2か月前です。
- 電気・ガス・水道を止める連絡:引っ越しの1週間前までに、それぞれの会社や水道の担当に連絡します。
- 郵便の転送:郵便局で転送の手続をすると、前の住所あての郵便を一定の期間、新しい住所で受け取れます。
- 役所の届出:別の市区町村へ引っ越すときは、転出届と転入届が必要です。
- 鍵を返して、敷金を精算する:部屋を返すときに鍵を返します。敷金は原則として返りますが、原状回復の費用などが引かれます。
原状回復(げんじょうかいふく)とは、借りた人が壊したり汚したりした所を直して返すことです。ふつうに住んでいてできる汚れや、古くなったことによる傷みは、借りた人が払う必要はないというのが、国土交通省のガイドラインの考え方です。ただし、契約書の「特約」(とくやく:特別な取り決め)で、費用の分け方が決められていることがあります。契約のときに確かめましょう。
- 手続の順番と期限:日本で引っ越すときの手続チェックリスト|転出届・転入届・在留カード・電気ガス水道・郵便の転送
- 費用はだれが払うか:日本の賃貸住宅を退去するときの原状回復と敷金|修理の費用はだれが払う?国のガイドラインの例
- 大きな家具や家電を捨てるとき:日本の粗大ごみの出し方|申し込み・処理券(シール)・出す日と場所の基本、日本でテレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンを捨てるには|家電リサイクル法の4品目の出し方と料金
(出典:国土交通省「部屋探しのガイドブック」、国土交通省「賃貸住宅を退去する時の原状回復のポイント」、総務省「住民票の異動届の手続方法」(リーフレット))
7. 公営住宅とUR賃貸住宅
| 住宅 | 特徴 |
|---|---|
| 公営住宅 | 住宅に困っている収入の少ない人のために、都道府県や市区町村が安い家賃で貸す住宅。入居の条件(収入など)は自治体ごとに違う。外国人には、例えば1年以上の在留資格や在留の実績などの条件がある場合がある。申し込みは、その住宅を管理する都道府県や市区町村へ |
| UR賃貸住宅 | UR都市機構が管理する住宅。URが決める基準の月収より多い収入があることなどが条件。外国人は、日本に続けて住む必要がある人で、中長期在留者(永住者を含む)や特別永住者などが入居できる。申し込みはUR営業センターなどへ |
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第11章)
よくある疑問
保証人になってくれる人がいなくても借りられる?
保証会社を使えば、連帯保証人がいなくても契約できる部屋があります。どちらが必要かは部屋ごとに違うので、不動産店に聞いてみてください。
(出典:国土交通省「部屋探しのガイドブック」)
契約の期間が終わったら、出て行かなければならない?
普通賃貸借契約なら、正当な理由がない限り、家主は更新を断れません。更新の話し合いがまとまらなくても、契約は自動的に更新されます。定期賃貸借契約は、期間が終わると終了します(家主と合意すれば、もう一度契約できます)。どちらの契約かは、契約の前に確かめましょう。
(出典:国土交通省「部屋探しのガイドブック」)
契約やお金のことで困ったら?
部屋の契約や敷金の返還などのトラブルは、消費者ホットライン「188」や消費生活センターに相談できます。くわしくは買い物や契約で困ったときの相談先|消費者ホットライン188・消費生活センター・クーリング・オフを見てください。
(出典:消費者庁「消費者ホットライン」、国民生活センター「賃貸住宅の原状回復トラブル」)
外国語で使える情報
- 国土交通省「部屋探しのガイドブック」:部屋探しの流れ、必要な書類と費用、住み方のルール、退去の手続、不動産の言葉の説明が、英語・中国語・韓国語・ベトナム語・ネパール語・タイ語・インドネシア語・ミャンマー語・タガログ語・ポルトガル語などで読めます。各言語のファイルは、国土交通省「外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居について」のページにあります。
- 国土交通省「外国人のための賃貸住宅入居の手引き」:不動産店で見せられる、希望の条件を書くシートなどがあります。
- 自治体国際化協会(CLAIR)の「多言語生活情報」でも、部屋を借りるときの情報を読めます。
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第11章、国土交通省「外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居について」、国土交通省「部屋探しのガイドブック」)

