この記事は、NIPPON VISA & LIFE編集部が、国や自治体などの公的機関の情報をもとに作成しています。ルールや料金は、お住まいの市区町村によって違うことがあります。
日本で雇用保険に入っていた人が仕事を辞めて、次の仕事を探しているときは、雇用保険の「基本手当」(いわゆる失業手当)をもらえることがあります。会社から「離職票」を受け取り、住んでいる地域のハローワークで手続をします。条件・手続の流れ・持ち物を説明します。
まず結論:仕事を辞めたあとの流れ
- 会社を辞めると、会社から離職票(雇用保険被保険者離職票-1・-2)が届きます
- 住んでいる地域を担当するハローワーク(公共職業安定所。国の仕事の相談窓口)に行き、仕事を探す申し込み(求職の申込み)をして、離職票を出します
- ハローワークが、もらえるかどうかと、辞めた理由を決めます
- 指定された日の説明会(雇用保険受給者初回説明会)に出ます
- 原則として4週間に1回、ハローワークで「失業の認定」を受けます。認定のあと、通常5営業日で自分の銀行口座に振り込まれます
- もらえる期間は、原則として辞めた日の次の日から1年間です。手続が遅れると、全部はもらえないことがあります
(出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当の受給手続き」)
仕事についての記事の一覧は 日本での仕事探しと働き方の基本|ハローワーク・労働条件・給料と残業・有給休暇・辞めるとき・相談先 にまとめています。
基本手当をもらえる人
雇用保険に入っていた人
雇用保険は、働く人が仕事を失ったときなどに、生活を支え、次の仕事を見つけやすくするための国の保険です。次の両方に当てはまる人は、会社の大きさに関係なく雇用保険に入ります。派遣社員・契約社員・パート・アルバイトでも同じです。ただし、昼間の学校に通う学生は入りません。
- 1週間に働く時間(所定労働時間)が20時間以上
- 31日以上続けて雇われる見込みがある
雇用保険に入るのは会社の責任です。保険料は、働く人と会社の両方が払います。自分が入っているかは、給与明細(給料の明細)の「雇用保険料」の欄を見るか、会社に聞いて確かめてください。
もらえる条件
雇用保険に入っていた人が仕事を辞め、次の2つに当てはまると、基本手当をもらえます。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 失業の状態であること | ハローワークで仕事を探す申し込みをして、働く気持ちと働ける体があり、仕事を探しているのに、仕事が見つからない |
| 雇用保険に入っていた期間 | 辞めた日より前の2年間に、雇用保険に入っていた期間が合わせて12か月以上ある |
雇用保険に入っていた期間は、11日以上働いた月、または給料の計算のもとになった働いた時間が80時間以上ある月を、1か月として数えます。
会社の倒産・会社の都合による解雇・期間の決まった契約が更新されなかったときなどに辞めた人は、辞めた日より前の1年間に、合わせて6か月以上あればよいことになっています。
(出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」、出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第3章)
すぐに働けない人はもらえない
病気やけが、妊娠・出産・育児、しばらく休むために辞めた場合など、すぐに働けない人は「失業の状態」ではないので、もらえません。
ただし、病気・けが・妊娠・出産・育児などで、続けて30日以上働けないときは、もらえる期間(受給期間)を、働けない日数の分だけ延ばすことができます。延ばせるのは最長3年間です。
(出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」)
必要なもの
ハローワークで手続をするときは、次のものを持っていきます。
| 持っていくもの | 内容 |
|---|---|
| 離職票 | 雇用保険被保険者離職票-1と-2 |
| マイナンバー(個人番号)がわかるもの | マイナンバーカード、通知カード、マイナンバーが書かれた住民票の写しのどれか1つ |
| 本人であることがわかるもの | 運転免許証、マイナンバーカード、写真付きの役所が出した身分証明書などのどれか1つ。ない場合は、公的医療保険の被保険者証などのうち違う種類の2つ(コピーは不可) |
| 写真2枚 | 最近の写真で、正面・上半身、縦3.0cm×横2.4cm |
| 本人の名前の預金通帳かキャッシュカード | 一部、指定できない金融機関があります。ゆうちょ銀行は指定できます |
- マイナンバーカードを見せれば、写真は出さなくてもかまいません。ただし、この手続のときと、そのあとの手続のたびに、マイナンバーカードを見せる必要があります
- 何が使えるか分からないときは、行く前にハローワークに確かめると安心です
(出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当の受給手続き」)
手続のやり方
辞めるとき:離職票を受け取る
- 会社にいる間に、「雇用保険被保険者証」があるかを確かめておきます
- 辞めたあと、会社から離職票(-1と-2)が届きます。会社まで受け取りに行く場合もあります
- 会社から離職票が来ないときは、住んでいる地域を担当するハローワークに相談してください
離職票を受け取ったら、「離職理由」の欄をしっかり確かめてください。 本当は会社の都合による解雇なのに「自己都合(自分の都合で辞めた)」と書かれていると、基本手当をもらい始める時期などで不利になります。書かれている理由に納得できないときは、ハローワークで相談できます。
(出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当の受給手続き」、出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第3章)
ハローワークで:申し込みと説明会
- 住んでいる地域を担当するハローワークで、仕事を探す申し込みをして、離職票を出します
- 申し込みのあと、失業の状態が合わせて7日間になるまでは、基本手当は出ません。これを「待期」といいます
- 指定された日時の説明会(雇用保険受給者初回説明会)に出席します。ここで「受給資格者証」と「失業認定申告書」を受け取り、1回目の失業の認定の日を知らされます
自分の地域のハローワークの場所は、厚生労働省の一覧(全国ハローワークの所在案内)で調べられます。
(出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当の受給手続き」、出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第3章)
もらっている間:4週間に1回の認定と仕事探し
- 失業の認定は、原則として4週間に1回です。指定された日に、失業認定申告書を受給資格者証と一緒に出します
- 認定を受ける期間ごとに、原則として2回以上、仕事を探す活動(求職活動)をした実績が必要です。最初の認定日までの期間は1回です
- 認定のあと、通常5営業日で、指定した口座に振り込まれます
ハローワークでは、仕事の相談、求人の紹介、履歴書の書き方の指導、面接の練習などを、すべて無料で受けられます。
(出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当の受給手続き」、出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第3章)
いつから・何日分もらえる?
もらい始める時期は、辞めた理由で違う
| 辞めた理由 | もらい始める時期 |
|---|---|
| 会社の都合による解雇、会社に勧められて辞めた(退職勧奨) | 申し込みをして離職票が受け付けられた日のあと、失業の状態が合わせて7日間たってから |
| 自分の都合で辞めた(自己都合) | 7日間たったあと、さらに1か月たってから(5年間で3回目以降の自己都合の退職は3か月) |
| 自分の責任による重い理由で解雇された | 7日間たったあと、さらに3か月たってから |
自分の都合で辞めた場合などに、もらえない期間があることを「給付制限」といいます。給付制限がある人は、その期間と、そのすぐあとの認定の期間を合わせて、原則として2回以上(給付制限が3か月の人は3回以上)の求職活動が必要です。
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第3章、ハローワークインターネットサービス「基本手当の受給手続き」)
もらえる日数
もらえる日数(所定給付日数)は、辞めた日の年齢、雇用保険に入っていた期間、辞めた理由などで決まり、90日から360日の間です。
会社の倒産や解雇など以外の理由で辞めた人(自分の都合で辞めた人など)は、就職がとくに難しいとされる人(就職困難者)を除き、年齢に関係なく、次のとおりです。
| 雇用保険に入っていた期間 | もらえる日数 |
|---|---|
| 10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
会社の倒産や解雇などで辞めた人は、年齢と入っていた期間によって、90日から330日です。就職困難者は、年齢と入っていた期間によって、150日から360日です。自分の日数は、ハローワークのページの表で確かめるか、ハローワークで聞いてください。
(出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」、ハローワークインターネットサービス「基本手当について」)
1日にもらえる金額
1日にもらえる金額(基本手当日額)は、辞める前の6か月に毎月決まって払われた給料(ボーナスなどは入れない)の合計を180で割った金額(賃金日額)の、およそ50〜80%です(60歳から64歳の人は45〜80%)。給料が低い人ほど、割合が高くなります。1日にもらえる金額には、年齢ごとに上限があります。
(出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」)
困ったとき・よくある疑問
離職票がなかなか届かないときは?
会社から離職票が来ないときは、住んでいる地域を担当するハローワークに問い合わせてください。
(出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当の受給手続き」)
手続をしないまま1年たったら?
もらえる期間(受給期間)は、原則として辞めた日の次の日から1年間です。もらえる日数が残っていても、この期間を過ぎるともらえません。仕事を探すなら、早めにハローワークで手続をしてください。
(出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当の受給手続き」)
基本手当をもらっている間にアルバイトをしてもいい?
働いたことや内職をしたことは、失業の認定のときに申告しなければなりません。申告しなかったり、求職活動についてうそを書いたりすると、不正受給(ルールに反して受け取ること)になります。働く予定があるときは、先にハローワークに相談してください。
(出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当の受給手続き」)
会社が倒産して給料が払われなかったときは?
会社が倒産して給料が払えなくなったときは、国が払われなかった給料の一部を会社の代わりに払う制度(未払賃金の立替払)があります。労働基準監督署に相談してください。
在留資格の届出は必要?
在留カードを持っている人のうち、一部の在留資格の人は、会社を辞めたときなど、所属している機関(会社など)に変更があったとき、14日以内に地方出入国在留管理官署に届け出る必要があります。対象になる在留資格と届出の種類は、出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第1章の「地方出入国在留管理官署への届出」で確かめてください。
外国語で相談できる窓口
- 通訳がいるハローワークもあります。ハローワークに行けないときは、一部のハローワークには外国語で電話ができます。くわしくは、厚生労働省の案内(通訳がいるハローワーク、外国語での電話)を見てください。ハローワークの使い方は ハローワークの使い方|外国人が日本で仕事を探すとき(持ち物・求職申込み・通訳・紹介状) を読んでください
- 解雇や給料など働く条件の困りごとは、厚生労働省の「外国人労働者向け相談ダイヤル」と「労働条件相談ほっとライン」に外国語で電話で相談できます。言語ごとの電話番号と曜日は、厚生労働省の「外国人労働者向け相談機関」のページで確かめてください
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第3章、厚生労働省「外国人労働者向け相談機関」(確かめよう労働条件))

