この記事は、NIPPON VISA & LIFE編集部が、国や自治体などの公的機関の情報をもとに作成しています。ルールや料金は、お住まいの市区町村によって違うことがあります。
国民年金の保険料を払うのが難しいときは、払わないままにせず、免除か納付猶予を申請してください。申請先は、住んでいる市区町村の役所の国民年金の窓口か、近くの年金事務所です。承認されると、払えなかった期間も年金をもらうための期間に数えられます。
まず結論:払えないときの流れ
- 国民年金の保険料は、令和8年度は1か月17,920円です。納める期限は、その月の次の月の末日です
- 払うのが難しいときは、市区町村の役所の国民年金の窓口か、年金事務所で免除・納付猶予の申請書を出します。郵送や電子申請もできます
- 前の年の所得などで審査され、結果が知らされます
- 承認された期間の保険料は、10年以内ならあとから払う(追納)ことができます。追納すると、将来の年金が増えます
(出典:日本年金機構「国民年金保険料」、日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」)
役所でする手続の全体は 日本に来たら役所でする手続|転入届・マイナンバー・国民健康保険・国民年金・住民税の基本 にまとめています。
払わないままにすると困ること
保険料を払わず、申請もしないでいる期間は「未納」になります。未納のままだと、次のようなことがあります。
- 病気やけがで障害が残ったときの障害基礎年金や、亡くなったときに家族がもらう遺族基礎年金を、受け取れないことがあります
- あとからさかのぼって免除を申請しても、障害基礎年金をもらうための条件(保険料を納めた期間の条件)には数えられません。払えないと分かったら、早めに申請してください
- 年をとってからもらう老齢基礎年金は、保険料を納めた期間と免除などの期間を合わせて10年以上ないと受け取れません
(出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」)
免除と納付猶予のちがい
| 種類 | 審査される人の所得 | 年金額への反映(全部納めたときと比べて) |
|---|---|---|
| 全額免除 | 本人・配偶者・世帯主 | 2分の1 |
| 4分の3免除 | 本人・配偶者・世帯主 | 8分の5 |
| 半額免除 | 本人・配偶者・世帯主 | 8分の6 |
| 4分の1免除 | 本人・配偶者・世帯主 | 8分の7 |
| 納付猶予(20歳以上50歳未満) | 本人・配偶者 | 反映されない(年金をもらうための期間には数える) |
- 免除:保険料の全部か一部が免除されます。一部免除のときは、減らされたあとの保険料を納める必要があります。令和8年度に納める額は、4分の3免除で月4,480円、半額免除で月8,960円、4分の1免除で月13,440円です
- 納付猶予:保険料を納めるのを先に延ばす制度です。20歳以上50歳未満の人が対象で、世帯主(親など)の所得は審査されません
- 年金額の割合は、平成21年4月分からのものです
(出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」)
所得の基準(前の年の所得)
審査されるのは、前の年の所得です(申請する期間によっては、前々年の所得で審査されます)。ここでの「所得」は税金の計算に使う所得で、給料の額そのものではありません。日本年金機構の案内では、次のとおりです。
- 全額免除・納付猶予:(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 以下
- 4分の3免除:88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 以下
- 半額免除:128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 以下
- 4分の1免除:168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 以下
障害者・寡婦・ひとり親の人は、基準が変わります。自分が当てはまるか分からないときは、申請の窓口で聞いてください。
(出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」)
申請のしかた
申請する場所
- 住民登録をしている市区町村の役所の国民年金の担当窓口
- 近くの年金事務所
- 郵送でも出せます。電子申請もできます
持っていくもの
- 基礎年金番号で手続するとき:基礎年金番号通知書か年金手帳など、基礎年金番号が分かる書類
- マイナンバーで手続するとき:マイナンバーカード。カードがないときは、マイナンバーが分かる書類(通知カード、マイナンバーが書かれた住民票の写しなど)と、本人確認の書類(運転免許証・パスポート・在留カードなど)
- 会社を辞めたことなどを理由に申請するときは、そのことが分かる書類(下の「仕事を辞めたとき」)
いつの分まで申請できる?
保険料の納付期限から2年たっていない期間なら、申請できます(申請した時点から2年1か月前までの期間)。
毎年申請が必要?
申請は、原則として毎年度必要です。ただし、全額免除か納付猶予の承認を受けた人は、希望すれば、次の年度も申請したものとして審査を受けられます(継続審査)。
(出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」)
仕事を辞めたとき(失業による特例)
会社を辞めた(失業した)、会社が倒産した、事業をやめたなどのことが確認できれば、失業などをした本人の前の年の所得にかかわらず、免除や納付猶予を受けられる特例があります。配偶者や世帯主の所得は、ふだんどおり審査されます。
- 持っていく書類の例:雇用保険被保険者離職票のコピー、雇用保険受給資格者証のコピーなど
- この特例で承認された人は、次の年度も申請が必要です
(出典:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」)
仕事を辞めたときの雇用保険(失業手当)は 日本で仕事を辞めたときの雇用保険(失業手当)|離職票・ハローワークの手続・もらえる条件と期間 を読んでください。
学生の場合(学生納付特例)
学生の人は、免除・納付猶予ではなく、学生納付特例制度を使います。
- 対象:大学・大学院、短期大学、高等学校、高等専門学校、専修学校、各種学校(修業年限が1年以上の課程)などの学生。夜間・定時制・通信課程も含みます
- 所得の基準:本人の前の年の所得が「128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等」以下。家族の所得は審査されません
- 申請先:市区町村の役所の国民年金の担当窓口、年金事務所。学校が代わりに受け付けている場合は、在学中の学校でも申請できます
- 承認された期間は、年金をもらうための期間(10年以上)には数えますが、そのままでは年金額は増えません。10年以内なら追納できます
あとから払う(追納)
免除・納付猶予・学生納付特例の承認を受けた期間の保険料は、10年以内なら、申し出てあとから納めること(追納)ができます。追納すると、その分だけ将来の老齢基礎年金が増えます。
承認を受けた期間の次の年度から数えて3年度目以降に追納するときは、当時の保険料に、たった期間に応じた額が加わります。
(出典:日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」、日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」)
よくある質問
免除を申請したら、払わなくても大丈夫?
承認された分は払わなくてかまいません。一部免除のときは、減らされたあとの保険料を納める必要があります。結果が知らされるまでは、届いた納付書の扱いを窓口で確かめてください。
承認されなかったら?
所得が基準より多いと、承認されないことがあります。その場合は保険料を納めます。生活が苦しいときは、住んでいる市区町村の役所の窓口に相談してください。
日本語が分からないときは?
日本年金機構のホームページには、英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・インドネシア語・タガログ語・タイ語・ベトナム語・ミャンマー語・ネパール語などの年金のパンフレットがあります(日本年金機構「Language」)。

