外国人の在留手続は、本人が入管の窓口に行くのが原則です。その例外として、地方出入国在留管理局長の承認を受けた会社や団体の職員は、本人に代わって申請書を提出すること(申請取次)ができます。承認を受けると「申請等取次者証明書」が交付され、有効期間は3年です。
この記事は、登録支援機関・受入れ企業・日本語学校・監理団体などで入管手続を担当する方に向けて、証明書の取り方と更新、オンライン申請の始め方、取次ぎができる範囲をまとめたものです。2026年1月1日に施行された改正行政書士法を踏まえ、有償で取次ぐときの注意点も説明します。
申請取次とは

申請取次とは、在留資格の申請などで、外国人本人に代わって申請書や資料を入管に提出することです。入管法施行規則に定められた制度です。
出入国在留管理庁(以下、入管庁)は、この制度の目的を「申請・届出案件の増加による窓口の混雑緩和や申請人・届出人の負担軽減等」と説明しています。
(出典:出入国管理及び難民認定法施行規則 第19条第3項など(e-Gov法令検索)、出入国在留管理庁「申請等取次制度」、申請等取次制度の概要(令和7年10月))
本人出頭の原則
在留期間の更新や在留資格の変更、在留カードの記載事項の変更などは、外国人本人が地方出入国在留管理局に出向いて行うのが原則です。これを「本人出頭の原則」といいます。
申請取次は、この原則の例外です。取次者が手続をすると、原則として本人の出頭が免除されます。ただし、入管が本人から事情を聞く必要がある場合などは、本人の出頭を求められることがあります。
(出典:出入国在留管理庁「申請等取次制度」、申請等取次制度の概要(令和7年10月)、出入国在留管理庁「申請等取次者としての承認手続」)
申請取次ができる人
申請取次ができるのは、次の人です。弁護士・行政書士とそれ以外で、手続が違います。
| 取次ぎができる人 | 取次者になるための手続 | 取次ぎの対象になる外国人 |
|---|---|---|
| 受入れ機関等の職員(企業、学校などの教育機関、監理団体、登録支援機関など) | 地方出入国在留管理局長の承認(申請等取次者証明書) | その機関が受け入れている(受け入れようとする)外国人と、その扶養を受けて同居する配偶者・子など |
| 旅行業者の職員 | 同上 | 旅行手続を依頼した外国人(再入国許可申請だけ) |
| 公益法人の職員 | 同上 | 取次ぎを依頼した外国人(在留資格認定証明書交付申請では、その外国人の代理人) |
| 弁護士・行政書士 | 所属する弁護士会・行政書士会を通じて地方出入国在留管理局長に届出 | 取次ぎを依頼した外国人(在留資格認定証明書交付申請では、その外国人の代理人) |
監理団体の許可を受けている機関は、実習監理を行っている(行おうとしている)技能実習生も対象になります。登録支援機関として登録されている機関は、支援計画の全部の実施を委託されている1号特定技能外国人も対象になります。
(出典:申請等取次制度の概要(令和7年10月)、出入国在留管理庁「受入れ機関等の職員の方」)
申請等取次者証明書の取り方(新規の承認手続)
弁護士・行政書士以外の人が取次ぎをするには、地方出入国在留管理局に「申請等取次の申出」をして承認を受ける必要があります。承認されると「申請等取次者証明書」が交付されます。
承認の条件
承認を受けるには、次の条件をすべて満たす必要があります。
- これまでに入管法に違反する行為など、取次ぎを承認するのが相当でない行為をしたことがない、信用できる人であること。所属する機関も同じように信用できる機関であること。
- 出入国在留管理行政に関する研修会等への参加など、その経歴から、外国人の入国・在留手続の知識があると認められること。
- (旅行業者の職員の場合)所属する会社が外国旅行の旅行業務を扱えること。
1の条件には「過去何年以内」という区切りが書かれていません。過去に入管法違反などがあると、その後の承認に影響する可能性があるので注意してください。
2の条件は、入管庁が一覧で示している機関の研修会を受け、受講証明書を提出するのが原則です。
(出典:出入国在留管理庁「申請等取次者としての承認手続」、出入国在留管理庁「出入国在留管理行政に関する研修会等」)
派遣職員や事務補佐員も「職員」になる場合
承認を受けられる「職員」は、正社員に限りません。次の3つをすべて満たせば、派遣職員や事務補佐員なども「職員」として扱われます。
- 外国人を雇用している機関で、いつも業務を行っていること
- その機関の指揮命令に従っていること
- その機関の正社員と同じような業務をしていて、機関の業務をよく知っていると認められること
提出書類(受入れ機関等の職員の場合)
申出のときに提出する書類は、次のとおりです。様式は入管庁のページからダウンロードできます。
| 書類 | 注意点 | |
|---|---|---|
| ア | 申請等取次申出に係る提出書類一覧・確認表(新規手続用)(参考様式) | チェックしながら書類をそろえる |
| イ | 申請等取次申出書(別記第1号様式) | 入管庁のページに記載例がある |
| ウ | 承認を受けようとする人の写真(3.0cm×2.4cm)2葉 | 提出の日前6か月以内に撮影、無帽・正面・背景なし |
| エ | 承認を受けようとする人の経歴書 | 外国人の場合は在留カードの写しも |
| オ | 承認を受けようとする人の在職証明書 | 会社の代表者で、登記事項証明書で確認できる場合は不要 |
| カ | 外国人の入国・在留手続の知識があることを示す資料 | 研修会の受講(修了)証明書は原則発行から3年以内のもの |
| キ | 法人は登記事項証明書(提出できない場合は会社の概要が分かるパンフレット等)、個人は住民票の写し | |
| ク | 本人確認書類の写し | 窓口で申し出る場合も提出する |
| ケ | 返信用封筒(簡易書留の切手付き)またはレターパックプラス | 結果の通知を郵送で受け取りたい場合 |
イの申請等取次申出書(受入れ機関等の職員用の別記第1号様式)には、画像のA 申出人と住所、B 機関の概要(名称、所在地(電話番号)、代表者氏名、事業内容)、C 承認を受けようとする職員の氏名・国籍・地域・生年月日・性別・職名、D 所属する外国人の在留資格別の人数を書きます。E 添付書類の欄には、上の表のウ〜ケに当たる書類(写真、経歴書・在職証明書、疎明資料、登記事項証明書、本人確認書類、返信用封筒)が並んでいます。

出典:出入国在留管理庁「申請等取次申出書(別記第1号様式)」
研修会を受けていなくてもよい場合:すでに社内に取次者がいて、これまで問題なく取次ぎをしてきた実績があるときは、その取次者から説明・指導を受けたことなどを機関が説明する文書(説明書)を提出すれば、知識があるものとして扱われます。
(出典:出入国在留管理庁「受入れ機関等の職員の方」、申請等取次申出書(別記第1号様式))
提出先
受入れ機関等の所在地を管轄する地方出入国在留管理局か、その出張所に申し出ます。窓口でも郵送でも受け付けています。同じ機関のほかの人の分をまとめて持参する場合は、承認を受ける人の本人確認書類を付けます。
証明書の有効期間と使える場所
申請等取次者証明書の有効期間は3年間です。取次者が在留資格を持つ外国人の場合は、その人の在留期間内か3年後の、どちらか早い日までです。
証明書は、交付した地方局の管轄内だけでなく、全国の地方局と出張所で有効です。申請の提出先は、外国人の住居地か、外国人を受け入れている機関の職員の勤務地を管轄する地方局・出張所です。
(出典:出入国在留管理庁「申請等取次者としての承認手続」、出入国在留管理庁「受入れ機関等の職員の方」)
証明書の更新・再交付と、担当者が退職したとき
更新は有効期限の2か月前から
更新の申出は、有効期限の2か月前から受け付けています。窓口でも郵送でもかまいません。有効期間が切れてしまった場合は、更新ではなく、新規の承認手続をやり直します。
更新で提出する書類は次のとおりです。
- 申請等取次申出に係る提出書類一覧・確認表(更新手続用)(参考様式)
- 申請等取次申出書(受入れ機関等の職員は別記第1号様式)
- 写真(3.0cm×2.4cm)2葉(提出の日前6か月以内に撮影)
- 今の申請等取次者証明書の写し
- 職員であることを証明する身分証明書等の写し、または在職証明書(外国人は在留カードの写しも)
- 本人確認書類の写し
- 返信用封筒またはレターパックプラス(郵送で受け取りたい場合)
更新では、研修会の受講証明書は書類に含まれていません。社内で有効期限を一覧にして、2か月前に準備を始めると安心です。
(出典:出入国在留管理庁「更新手続について」)
なくしたとき・氏名が変わったとき
証明書をなくした、壊れた、氏名などが変わったときは、写真2葉と添付書類を付けて、別記第18号様式で再交付を申し出ます。壊れた場合は、その証明書を返します。
取次者が退職したとき
取次者が所属機関を退職すると、退職した日に承認が止まります。機関は、承認した地方局に「申請等取次者離職報告書」(別記第7号様式)を提出し、証明書を返します。
転職先でも取次者になりたい場合は、新しい所属先で、承認の申出を一からやり直します。
(出典:出入国在留管理庁「申請等取次承認を受けた方が、所属機関を離職された場合について」)
取次ぎができる範囲

受入れ機関等の職員が取次ぎできる手続は、次のとおりです。対象は、上の表の「取次ぎの対象になる外国人」に当たる人の手続だけです。
- 在留資格認定証明書交付申請(登録支援機関の職員だけ。下の注を参照)
- 資格外活動許可申請(技能実習生は除く)
- 在留カードの住居地以外の記載事項変更届出
- 在留カードの有効期間更新申請
- 在留カードの紛失等再交付申請
- 在留カード汚損等再交付申請
- 在留カードの交換希望による再交付申請
- 在留カードの再交付申請命令による再交付申請
- 在留資格変更許可申請
- 在留期間更新許可申請
- 在留資格の変更による永住許可申請
- 在留資格取得許可申請
- 在留資格の取得による永住許可申請
- 再入国許可申請
- 就労資格証明書交付申請
- 申請内容の変更申出
- 在留カードの受領
在留資格認定証明書交付申請の扱い:登録支援機関の職員以外の受入れ機関等の職員は、取次ぎではなく「代理人」として申請できるため、取次ぎの対象になっていません。
所属先ごとに整理すると、次のようになります。
| 所属先 | 取次ぎの対象 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 外国人を雇用する企業 | 雇用している(雇用しようとする)外国人と、扶養を受けて同居する家族 | 在留資格認定証明書交付申請は「代理人」として行う |
| 登録支援機関 | 自社で雇用する外国人などに加え、支援計画の全部の実施を委託されている1号特定技能外国人 | 委託契約があれば、支援をまだ始めていなくてもよい。在留資格認定証明書交付申請も取次ぎできる |
| 教育機関(大学、専門学校、日本語学校など) | 受け入れている(受け入れようとする)留学生など | 在留資格認定証明書交付申請は「代理人」として行う |
| 監理団体 | 自団体で受け入れている外国人などに加え、実習監理を行っている(行おうとしている)技能実習生 | 技能実習生は資格外活動が認められないため、資格外活動許可申請は対象外 |
| 旅行業者 | 旅行手続を依頼した外国人 | 再入国許可申請だけ |
| 公益法人の職員・弁護士・行政書士 | 取次ぎを依頼した外国人(在留資格認定証明書交付申請では、その外国人の代理人) | 所属先との関係で対象が限られない |
(出典:出入国在留管理庁「受入れ機関等の職員の方」、申請等取次制度の概要(令和7年10月))
オンライン申請を使うには(利用者登録と利用申出)
在留申請オンラインシステムを使えば、窓口に行かずに申請できます。所属機関・公益法人・登録支援機関の職員が使うには、事前に「利用申出」をして承認を受ける必要があります。
使える人の条件
| 利用者 | 条件 |
|---|---|
| 所属機関の職員 | 申請等取次者の承認を受けている、または承認の要件を満たしている |
| 登録支援機関の職員 | 申請等取次者として承認されている。申請人の所属機関からオンライン申請の代行の依頼を受けている。支援計画の全部の実施を委託されている場合に限る |
| 公益法人の職員 | 申請等取次者として承認されている。申請人の所属機関からオンライン申請の代行の依頼を受けている |
登録支援機関の職員は、申請等取次者証明書がないとオンライン申請を使えません。オンライン申請を始めたい登録支援機関は、まず証明書を取ることから始めます。
(出典:出入国在留管理庁「所属機関・公益法人・登録支援機関の職員の方」)
手続の流れ
- 利用者登録:システムでメールアドレスを登録し、利用者区分「所属機関等の職員」を選んで利用者IDを取ります。登録画面に進めるのは、メールが届いてから24時間以内です。
- 利用申出:オンライン、郵送、窓口のどれかで申し出て、承認を受けます。所属機関・公益法人・登録支援機関として最初の人は「新規利用申出」、同じ機関で2人目以降は「追加利用申出」です。
- 在留申請:承認後、システムから申請します。在留期限の最終日(在留期間満了日の当日)は、オンラインでは申請できません。
利用申出で提出する主な書類は、必要書類チェックシート、利用申出書(オンラインで申し出る場合は不要)、本人確認資料の写し、申請等取次者証明書の写し(所属機関の職員は研修会の修了証書等の写しでも可)、在職証明書、誓約書です。
(出典:出入国在留管理庁「所属機関・公益法人・登録支援機関の職員の方」)
登録支援機関の職員が気をつけること
- 誓約書は所属機関(法人単位)ごとに提出します。複数の所属機関から依頼を受けている場合は、「外国人を受け入れる機関の名簿」を別紙にしてまとめて提出することもできます。
- 承認の後に新しい所属機関から依頼を受けたときは、その機関の誓約書などを地方局に提出します。
- 2026年1月5日からは、定期報告と新しい依頼を受けたときに「利用者別誓約機関一覧表」(別記第2号様式の(3))も提出します。
- 有効期限の後も使い続けるには、定期報告が必要です。
(出典:出入国在留管理庁「所属機関・公益法人・登録支援機関の職員の方」、出入国在留管理庁「令和8年1月5日以降の提出資料について(公益法人の職員又は登録支援機関の職員の方へ)」)
オンライン申請と行政書士法の注意
入管庁は、次の注意をしています。
弁護士及び行政書士以外の方が、業として、申請人又はその法定代理人などから手数料を得るなどして自ら在留申請オンラインシステムに申請情報を入力した場合、弁護士法違反又は行政書士法違反となることがあります
弁護士・行政書士以外の利用者は、申請人や所属機関の職員と一緒に申請内容を入力するなど、法律に違反しないよう十分気をつけるよう求められています。
(出典:出入国在留管理庁「在留申請オンラインシステムを利用する上での留意事項について(注意喚起)」)
申請取次と代理申請の違い

申請取次は、本人や代理人から依頼を受けて、申請書類を提出することです。申請の主体は、いつも外国人本人か代理人です。
入管庁は、取次ぎは「申請書や資料の提出等の事実行為を行うことが認められているもの」で、取次者が申請人・届出人として署名したり、記載内容を直接訂正したりすることはできないと説明しています。
一方、代理申請は、代理人が本人に代わって申請の内容を決め、書類を作ったり、訂正したり、申請を取り下げたりすることだと当事務所では整理しています。代理人自身の意思表示で、その効果が本人に生じます。入管法令では、代理人になれる人が決められている手続が多くあります。たとえば在留資格認定証明書交付申請の代理人は、施行規則の別表第四で在留資格ごとに定められています(特定技能は「本人と特定技能雇用契約を結んだ本邦の機関の職員」、団体監理型の技能実習は「監理団体の職員」など)。
(出典:出入国在留管理庁「申請等取次者としての承認手続」、出入国管理及び難民認定法施行規則 第6条の2・別表第四(e-Gov法令検索))
事実行為とは
事実行為とは、自分の意思表示を伴わない行為のことです。たとえば、本人や代理人が作った書類を窓口に提出するだけなら、申請の内容に取次者の意思は入りません。それでも、申請が受理されるという効果は生じます。
入管手続での事実行為の例は、次のとおりです。
- 申請書や届出書、資料を提出する
- 窓口でパスポートや在留カードを提示する
- 在留カードを受け取る
これらは本来、本人出頭の原則で本人がしなければなりません。承認を受けた取次者などが、例外として本人に代わって行えます。
(出典:出入国管理及び難民認定法施行規則 第19条第3項など(e-Gov法令検索))
取次ぎの範囲を超える行為:所属先ごとの、できること・できないこと

取次者の権限だけでは、書類の提出などの事実行為しかできません。「申請内容の変更申出」も、本人などが決めた申出書を取次者が提出することはできますが、取次者が自分の判断で申請内容を変更することはできません。ただし、取次者が所属機関の職員である場合は、所属機関の職員としての立場でできることもあります。
次の表は、入管庁の説明(取次ぎは事実行為で、署名や記載内容の直接訂正はできない)と施行規則の代理人の定めをもとに、当事務所が所属先ごとに整理したものです。
外国人を雇用する企業の職員
| 立場 | できること・できないこと |
|---|---|
| 取次者としてできること | 申請書類を提出する/窓口でパスポートや在留カードを提示する/在留カードを受け取る |
| 所属機関の職員としてできること | 所属機関が作る申請書類の作成者になる・加除訂正する/所属機関が発行する証明書類を作る |
| どちらの立場でもできないこと | 申請人が作る申請書類の作成者になる・加除訂正する/申請の取下げの意思表示をする/自分の判断で申請内容の変更を申し出る(在留資格認定証明書交付申請は、代理人としてすべて行える) |
| 立場に関係なくできること | 書類作成の補助/資料集めの補助/資料の点検/資料の翻訳/申請内容の相談に応じる |
登録支援機関の職員
在留資格認定証明書交付申請で特定技能の代理人になれるのは、本人と特定技能雇用契約を結んだ機関の職員です。そのため登録支援機関は、自社で1号特定技能外国人を雇用する場合を除き、代理人として関わることはできないと考えられます。
| 立場 | できること・できないこと |
|---|---|
| 取次者としてできること | 申請書類を提出する/窓口でパスポートや在留カードを提示する/在留カードを受け取る |
| 登録支援機関の職員としてできること | 申請については特になし |
| どちらの立場でもできないこと | 申請人が作る申請書類・所属機関が作る申請書類の作成者になる・加除訂正する/所属機関が発行する証明書類を作る/申請の取下げの意思表示をする/自分の判断で申請内容の変更を申し出る |
| 立場に関係なくできること | 書類作成の補助/資料集めの補助/資料の点検/資料の翻訳/申請内容の相談に応じる |
教育機関(大学、専門学校、日本語学校など)の職員
| 立場 | できること・できないこと |
|---|---|
| 取次者としてできること | 申請書類を提出する/窓口でパスポートや在留カードを提示する/在留カードを受け取る |
| 教育機関の職員としてできること | 所属機関が作る申請書類の作成者になる・加除訂正する/教育機関が発行する証明書類を作る |
| どちらの立場でもできないこと | 申請人が作る申請書類の作成者になる・加除訂正する/申請の取下げの意思表示をする/自分の判断で申請内容の変更を申し出る(在留資格認定証明書交付申請は、代理人としてすべて行える) |
| 立場に関係なくできること | 書類作成の補助/資料集めの補助/資料の点検/資料の翻訳/申請内容の相談に応じる |
監理団体の職員
| 立場 | できること・できないこと |
|---|---|
| 取次者としてできること | 申請書類を提出する/窓口でパスポートや在留カードを提示する/在留カードを受け取る |
| 監理団体の職員としてできること | 所属機関が作る申請書類の作成者になる・加除訂正する/監理団体が発行する証明書類を作る/技能実習計画の作成・変更などの指導 |
| どちらの立場でもできないこと | 申請人が作る申請書類の作成者になる・加除訂正する/申請の取下げの意思表示をする/自分の判断で申請内容の変更を申し出る(団体監理型技能実習の在留資格認定証明書交付申請は、代理人としてすべて行える) |
| 立場に関係なくできること | 書類作成の補助/資料集めの補助/資料の点検/資料の翻訳/申請内容の相談に応じる |
申請取次を有償で行うときの注意(改正行政書士法)

取次ぎ自体は事実行為
申請取次は、書類を提出するなどの事実行為です。入管法上の代理行為に当たらず、行政書士法など入管法以外の法律で規制される行為でもありません。そのため、取次ぎそのものを有償で、業として行うことは問題ないと考えられます。
ただし、在留資格の申請には「官公署に提出する書類の作成」という行為も含まれます。これを報酬を得て業として行うと、行政書士法違反になるおそれがあります。入管庁も、弁護士・行政書士以外の人が、官公署に提出する申請書などの作成を報酬を得て業として行うことは、行政書士法違反に当たるおそれがあると注意しています。有償で取次ぐときは、取次ぎの範囲を超えないことが大切です。
公益法人が有償で行っている取次ぎの例
公益財団法人の入管協会は、申請書類を事前に点検して取次ぐサービスを有償で案内しています。案内されているのは「点検」と「取次ぎ」で、書類の作成は含まれていません。同じく公益財団法人の国際人材協力機構(JITCO)は、技能実習や特定技能などの申請書類を点検して取次ぐサービスを有償で行っており、書類の作成は行わないと明記しています。
これは、「点検」と「取次ぎ」だけなら有償でも行政書士法に違反しないと、公益法人が判断していることを示していると考えられます。登録支援機関の職員が、支援委託を受けた1号特定技能外国人の申請に関わる場合も、有償で「申請書類の点検」と「申請取次」を行うことは、行政書士法に違反しないと解釈することができます。
ただし、書類の作成もする場合は注意が必要です。「作成」と「点検・取次ぎ」をはっきり分けられず、作成を無償で行っていることを客観的に説明できない場合は、行政書士法違反となる可能性があります。
(出典:公益財団法人 入管協会「事前点検(申請取次)」、公益財団法人 国際人材協力機構「JITCOの支援サービス」)
2026年1月1日施行の改正で「いかなる名目によるかを問わず」に
2026年1月1日に改正行政書士法が施行されました。入管分野に関係が大きいのは、行政書士でない人がしてはいけない行為を定めた第19条の改正です。
| 第19条第1項(本文) | |
|---|---|
| 改正前 | 行政書士又は行政書士法人でない者は、業として第一条の二に規定する業務を行うことができない。 |
| 改正後(2026年1月1日から) | 行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第一条の三に規定する業務を行うことができない。 |
「第一条の三に規定する業務」は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(電磁的記録を含む)などを作成することです。なお、第19条にはただし書(他の法律に別段の定めがある場合など)があり、改正の前後で同じです。
この改正で、名目を問わず報酬を得て書類を作ることが禁止されると明記されました。たとえば、監理団体が「会費」「監理費」を、登録支援機関が「支援委託費」を受け取りながら、申請書類の作成を「無償のサービス」として行うと、実質的に報酬を得て書類を作成したと判断されるおそれがあります。
(出典:e-Gov法令検索「行政書士法」)
改正後の進め方
改正後は、次のどれかの形で進める必要性がいっそう高まると考えられます。
- 外国人本人または受入れ企業が、自分で書類を作って申請する
- 外国人本人または受入れ企業が書類を作り、取次者が点検して取次ぐ
- 弁護士または行政書士が書類を作り、申請取次も行う
- 弁護士または行政書士が書類を作り、取次者が取次ぐ
このうち取次者が取次ぐのは2と4で、どちらも取次ぎを有償で行うことは問題ないと考えられます。また、本人や受入れ企業が書類を作るときに、取次者が書き方の助言をすること自体は問題ないと考えられます。
個別の業務が行政書士法に触れないかどうかは、契約の形や実際の作業の分担で変わります。判断に迷う場合は、行政書士などの専門家に相談してください。
行政書士との協業という選択肢
監理団体や登録支援機関が入管申請の負担を減らすには、行政書士との協業も選択肢です。行政書士は、申請全体だけでなく「書類作成」の部分だけを請け負うこともできます。書類作成を行政書士が担当し、取次ぎや資料集めを取次者が行えば、法令を守りながら申請業務を有償にできると考えられます。
きさらぎ行政書士事務所は、Web面談とオンライン申請に対応しており、全国どこからでもご依頼いただけます。複数の案件や継続的なお取引も、個別にお見積もりします。
よくある質問
Q1. 申請等取次者証明書を取るのに、どのくらいの期間がかかりますか?
入管庁のページには、承認までの期間は示されていません。目安を知りたい場合は、提出先の地方出入国在留管理局に問い合わせてください。オンライン申請を始めたい場合は、証明書の承認のあとに利用申出の承認も必要なので、余裕をもって準備しましょう。
Q2. 研修会はどこで受けられますか?
入管庁が「研修会等実施機関一覧」を公表しています。一覧以外にも、教育機関の職員向けの研修会を行っている機関があります。詳しくは最寄りの地方出入国在留管理局に問い合わせてください。
(出典:出入国在留管理庁「出入国在留管理行政に関する研修会等」)
Q3. 有効期限が切れてしまいました。
更新はできません。新規の承認手続をやり直します。更新の申出は有効期限の2か月前からできるので、期限の管理をしておきましょう。
Q4. 登録支援機関は、支援を委託されていない会社の外国人の取次ぎもできますか?
できません。登録支援機関の職員が取次ぎできるのは、自社で受け入れている外国人などのほかは、支援計画の全部の実施を委託されている1号特定技能外国人です。
Q5. 取次者が転職したら、証明書は転職先で使えますか?
使えません。退職した日に承認が止まります。前の所属機関が離職報告書を提出して証明書を返し、本人は転職先で承認の申出をやり直します。
まとめ
- 申請取次は、本人に代わって書類を提出するなどの事実行為で、承認を受けた職員などが行えます。
- 証明書は、地方局に申請等取次申出書などを提出して取ります。有効期間は3年で、更新は有効期限の2か月前から。期限が切れたら新規からやり直しです。
- 登録支援機関がオンライン申請を使うには、証明書を取ったうえで、利用者登録と利用申出が必要です。
- 2026年1月1日の改正行政書士法の施行で、名目を問わず報酬を得て書類を作ることが禁止されると明記されました。取次ぎと書類作成を分けて考えることが、これまで以上に大切です。
記事作成で参照した一次情報
- 出入国在留管理庁「申請等取次制度」
- 出入国在留管理庁「申請等取次制度の概要(令和7年10月)」
- 出入国在留管理庁「申請等取次者としての承認手続」
- 出入国在留管理庁「受入れ機関等の職員の方」
- 出入国在留管理庁「更新手続について」
- 出入国在留管理庁「申請等取次承認を受けた方が、所属機関を離職された場合について」
- 出入国在留管理庁「出入国在留管理行政に関する研修会等」
- 出入国在留管理庁「所属機関・公益法人・登録支援機関の職員の方」
- 出入国在留管理庁「令和8年1月5日以降の提出資料について(公益法人の職員又は登録支援機関の職員の方へ)」
- 出入国在留管理庁「在留申請オンラインシステムを利用する上での留意事項について(注意喚起)」
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法施行規則」
- e-Gov法令検索「行政書士法」
- 公益財団法人 入管協会「事前点検(申請取次)」
- 公益財団法人 国際人材協力機構「JITCOの支援サービス」

