監修者:申請取次行政書士 安藤祐樹
特定技能1号「介護」の在留者数は、2026年6月末で79,884人(速報値)です。2025年12月末の67,871人から半年で12,013人増えました。国籍別ではインドネシアが26,433人で最も多く、ミャンマーの24,313人が続きます。
この記事では、出入国在留管理庁(入管庁)が半年ごとに公表している「特定技能在留外国人数」から、介護分野の人数を国籍別・年ごとに整理します。受入れ人数枠(事業所ごとの上限)は特定技能「介護」の受け入れ人数枠と常勤職員数の算定方法で解説しています。
受入れの全体(試験・協議会・訪問介護など)は、特定技能「介護分野」受け入れの条件と流れをご覧ください。
特定技能「介護」在留者総数の推移
特定技能1号「介護」の在留者数は、制度が始まった2019年から毎年増えています。2026年6月末は79,884人で、特定技能1号全体(425,961人)の18.8%を占めます。(入管庁「特定技能在留外国人数の公表等」)
| 時点 | 2019年末 | 2020年末 | 2021年末 | 2022年末 | 2023年末 | 2024年末 | 2025年末 | 2026年6月末 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 在留者数(人) | 19 | 939 | 5,155 | 16,081 | 28,400 | 44,367 | 67,871 | 79,884 |
※各年12月末と2026年6月末の、入管庁「主な国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数」(第1表)の介護分野の数です。
数字はすべて「速報値」です
入管庁は、この公表の数字を「速報値」であり「確定値」ではないとしています。年末の表も6月末の表も同じ扱いです。(入管庁「利用上の注意」)
受入れ見込数は126,900人、146,900人への見直し案が出ています
介護分野の特定技能1号の受入れ見込数は、2029年3月末(令和11年3月末)までで126,900人です。2026年1月23日に閣議決定された分野別運用方針で定められています。(入管庁「分野別運用方針の主要な記載事項」)
入管庁の「介護分野」のページには、以前の受入れ見込数135,000人(2025年4月21日現在の表示)が残っています。今の受入れ見込数は、上の126,900人です。
入管庁の資料では、2026年7月末時点(速報値)の介護の在留者数は81,436人です。受入れ見込数に対する割合(充足率)は64.2%で、1年間の増加数は24,402人でした。(入管庁「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年7月末時点・速報値)」)
2026年10月19日の有識者会議では、介護分野の特定技能1号の受入れ見込数を146,900人に見直す案が示されました。これは案で、閣議決定はまだです(2026年10月26日時点)。案では、育成就労の見込数を33,800人から13,800人に減らし、その分を特定技能1号に移します。介護分野の合計(160,700人)は変わりません。(入管庁「第15回 特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議」)
見直しの理由として、資料では、1号の在留者数が見込数を決めたときの想定を上回るペースで増えていることを挙げています。今の配分のままだと、令和9年度の後半に受入れ見込数を超える可能性があるとしています。
受入れ見込数に近づいた分野では、新たな受入れが止まることがあります(外食業分野では、2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付を一時的に停止する措置がとられています)。介護分野で採用計画を立てる場合は、見直し案がどう決まるかを入管庁の発表で確かめてください。(入管庁「外食業分野の特定技能1号の受入れについて」)
特定技能「介護」国籍別在留者数の推移
2026年6月末の介護分野では、インドネシアが26,433人(約33%)で最も多く、ミャンマーが24,313人(約30%)で続きます。2020年末から2023年末まではベトナムが最多でしたが、2024年末にインドネシアとミャンマーが上回りました。
| 国籍・地域 | 2019年末 | 2020年末 | 2021年末 | 2022年末 | 2023年末 | 2024年末 | 2025年末 | 2026年6月末 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| インドネシア | 3 | 217 | 574 | 3,286 | 7,411 | 12,242 | 21,139 | 26,433 |
| ミャンマー | - | 67 | 410 | 1,927 | 4,730 | 11,717 | 19,803 | 24,313 |
| ベトナム | 2 | 368 | 2,730 | 5,958 | 7,937 | 8,910 | 10,401 | 9,928 |
| ネパール | - | 28 | 400 | 1,381 | 2,282 | 3,602 | 6,013 | 7,410 |
| フィリピン | 14 | 116 | 535 | 2,049 | 3,497 | 4,538 | 5,704 | 6,112 |
| 中国 | - | 92 | 293 | 682 | 1,032 | 1,103 | 1,340 | 1,540 |
| タイ | - | 4 | 22 | 99 | 237 | 334 | 436 | 472 |
| カンボジア | - | 12 | 19 | 182 | 290 | 320 | 402 | 434 |
| その他 | - | 35 | 172 | 517 | 984 | 1,601 | 2,633 | 3,242 |
| 合計 | 19 | 939 | 5,155 | 16,081 | 28,400 | 44,367 | 67,871 | 79,884 |
※入管庁の第1表(各時点、速報値)の介護分野の列。「-」は該当がないもの(2020年12月末までの表の表記)。国籍の並びは2026年6月末の多い順です。
試験ルートと技能実習ルート
特定技能1号「介護」になる道には、試験に合格する「試験ルート」、技能実習2号を良好に修了した「技能実習ルート」などがあります。2026年6月末の介護分野では、試験ルートが69,285人、技能実習ルートが10,384人(約13%)でした。介護福祉士養成施設修了ルートは15人、EPA介護福祉士候補者ルートは200人です。(入管庁 第7表(介護分野))
国ごとの手続(協力覚書)
日本は、特定技能について17か国と二国間の協力覚書(MOC)を作成しています(2026年10月26日に入管庁のページで確認)。国によっては、本国の送出手続や、在留資格の申請で出す独自の書類があります。入管庁は、協力覚書を作成した国でなければ受入れができないものではない、としています。(入管庁「特定技能に関する二国間の協力覚書」)
以下では、国籍ごとの推移と、入管庁のページにある各国の手続を紹介します。
インドネシア
インドネシアは、2026年6月末で26,433人と、介護分野で最も多い国籍です。2024年末の12,242人から1年半で2倍以上になりました。試験ルートが23,629人、技能実習ルートが2,697人です。
入管庁のページによると、受入れ機関がインドネシア国籍の方を直接採用する場合、インドネシア側は、同国政府の求人・求職システム(IPKOL)への登録を強く希望しています。在留資格認定証明書の交付を受けた本人は、査証申請の前に、同国の海外労働者管理システム(SISKOP2MI)に登録する必要があるとされています。
| 時点 | 2019年末 | 2020年末 | 2021年末 | 2022年末 | 2023年末 | 2024年末 | 2025年末 | 2026年6月末 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| インドネシア(人) | 3 | 217 | 574 | 3,286 | 7,411 | 12,242 | 21,139 | 26,433 |
ミャンマー
ミャンマーは、2026年6月末で24,313人と、インドネシアに次いで2番目に多い国籍です。2022年末は1,927人で4番目でしたが、その後に大きく増えました。試験ルートが22,161人、技能実習ルートが2,151人です。
入管庁のページでは、ミャンマーとの協力覚書は2024年4月1日から5年間、継続期間が更新されています。
| 時点 | 2019年末 | 2020年末 | 2021年末 | 2022年末 | 2023年末 | 2024年末 | 2025年末 | 2026年6月末 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ミャンマー(人) | - | 67 | 410 | 1,927 | 4,730 | 11,717 | 19,803 | 24,313 |
ベトナム
ベトナムは、2020年末から2023年末まで介護分野で最も多い国籍でした。2026年6月末は9,928人で3番目です。2025年12月末の10,401人から473人減りました。
ベトナムは技能実習ルートの割合が高いのが特徴です。2026年6月末は、技能実習ルートが3,532人(約36%)で、介護分野全体の約13%を大きく上回ります。
ベトナム国籍の方を受け入れる場合は、在留資格の申請で、ベトナム側の承認を受けた「推薦者表」の提出が必要になることがあります。2024年6月27日以降、当面の間、日本にいる方の在留資格変更許可申請では、技能実習2号・3号の修了者(修了見込みを含む)と、日本で2年以上の課程を修了した留学生(修了見込みを含む)が対象です。特定技能で在留中の方の転職や在留期間更新では、提出は要りません。
| 時点 | 2019年末 | 2020年末 | 2021年末 | 2022年末 | 2023年末 | 2024年末 | 2025年末 | 2026年6月末 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ベトナム(人) | 2 | 368 | 2,730 | 5,958 | 7,937 | 8,910 | 10,401 | 9,928 |
ネパール
ネパールは、2026年6月末で7,410人と、4番目に多い国籍です。2024年末の3,602人から1年半で2倍以上になりました。試験ルートが7,200人(約97%)で、技能実習ルートは210人です。
入管庁のページによると、特定技能の査証の取得や在留資格の変更のあと、ネパールに一時帰国した方は、ネパール側で海外労働許可証を取得し、出国時に提示する必要があるとされています。
| 時点 | 2019年末 | 2020年末 | 2021年末 | 2022年末 | 2023年末 | 2024年末 | 2025年末 | 2026年6月末 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ネパール(人) | - | 28 | 400 | 1,381 | 2,282 | 3,602 | 6,013 | 7,410 |
フィリピン
フィリピンは、2026年6月末で6,112人です。2019年末の時点では、介護分野で最も多い国籍(14人)でした。試験ルートが5,178人、技能実習ルートが839人、EPA介護福祉士候補者ルートが90人です。
入管庁のページによると、フィリピン人を受け入れるには、フィリピン側の送出手続として、受入れ機関が必要書類を在日フィリピン大使館・総領事館の移住労働者事務所(MWO)に提出し、審査を受けて本国の移住労働者省(DMW)に登録される必要があります。本人は、出国時に海外雇用許可証(OEC)を提示する必要があるとされています。
| 時点 | 2019年末 | 2020年末 | 2021年末 | 2022年末 | 2023年末 | 2024年末 | 2025年末 | 2026年6月末 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| フィリピン(人) | 14 | 116 | 535 | 2,049 | 3,497 | 4,538 | 5,704 | 6,112 |
中国
中国は、在留外国人全体では最も多い国籍で、2026年6月末で941,031人です(入管庁 報道発表資料)。一方、特定技能「介護」は1,540人にとどまります。
入管庁の協力覚書の一覧(2026年10月26日確認)に、中国は載っていません。ただし、前に書いたとおり、協力覚書がない国の方でも受入れはできます。介護分野の中国国籍の方は、試験ルートが1,224人(約8割)、技能実習ルートが316人です。
| 時点 | 2019年末 | 2020年末 | 2021年末 | 2022年末 | 2023年末 | 2024年末 | 2025年末 | 2026年6月末 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 中国(人) | - | 92 | 293 | 682 | 1,032 | 1,103 | 1,340 | 1,540 |
カンボジア
カンボジアは、2026年6月末で434人です。人数は多くありませんが、毎年少しずつ増えています。
入管庁のページによると、カンボジア国籍の方の在留資格の申請では、カンボジア側が発行する「登録証明書」の提出が必要です(2019年8月5日から)。
| 時点 | 2019年末 | 2020年末 | 2021年末 | 2022年末 | 2023年末 | 2024年末 | 2025年末 | 2026年6月末 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| カンボジア(人) | - | 12 | 19 | 182 | 290 | 320 | 402 | 434 |
タイ
タイは、2026年6月末で472人です。タイ国籍の特定技能1号は全分野で6,983人いますが、工業製品製造業(2,250人)・飲食料品製造業(1,900人)・農業(1,243人)の3分野で約77%を占めます。
入管庁のページによると、日本にいるタイ国籍の方が技能実習2号・3号を修了して特定技能1号へ在留資格を変更する場合は、駐日タイ大使館労働担当官事務所の認証を受けた雇用契約書の提出が必要です。
| 時点 | 2019年末 | 2020年末 | 2021年末 | 2022年末 | 2023年末 | 2024年末 | 2025年末 | 2026年6月末 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タイ(人) | - | 4 | 22 | 99 | 237 | 334 | 436 | 472 |
その他の国籍
上の8か国以外の国籍の方は、2026年6月末で合計3,242人です。入管庁の第7表では、このうちスリランカが1,666人、インドが564人、モンゴルが422人、バングラデシュが326人です。
その他の国籍の合計は、2024年末の1,601人から約2倍に増えています。
| 時点 | 2019年末 | 2020年末 | 2021年末 | 2022年末 | 2023年末 | 2024年末 | 2025年末 | 2026年6月末 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| その他(人) | - | 35 | 172 | 517 | 984 | 1,601 | 2,633 | 3,242 |
まとめ
特定技能1号「介護」の在留者数は、2026年6月末で79,884人(速報値)になりました。増加の中心はインドネシアとミャンマーで、ネパールも伸びています。ベトナムは直近の半年で減りました。
受入れ見込数(126,900人)に対して、在留者数は2026年7月末で64.2%に達しています。146,900人への見直し案が閣議決定されるかどうかで、今後の受入れの余地が変わります。採用計画を立てるときは、入管庁の最新の発表を確かめてください。
介護分野は、専門的・技術的分野の在留資格「介護」があるため、特定技能2号の対象になっていません。1号の通算在留期間は原則5年です(介護福祉士国家試験の結果によっては、最長1年延長できる措置があります)。長く働いてもらうには、介護福祉士の国家試験に合格し、在留資格「介護」へ変更する道があります。(入管庁「介護分野」、厚生労働省「介護分野の特定技能外国人の在留期間の延長」)
国籍ごとの送出手続や、在留資格の変更の要否は、本人の経歴によって変わります。個別の受入れについては、専門家に相談してください。

