家族滞在ビザ(在留資格「家族滞在」)で日本に呼べるのは、配偶者と子だけです。呼ぶ人(扶養者)が技術・人文知識・国際業務などの就労資格、特定技能2号、文化活動、大学などの留学で在留していれば対象になります。特定技能1号・技能実習・育成就労の人は、原則として家族を呼べません。
収入の条件として、公表された基準額はありません。審査期間は、海外から呼ぶ場合で平均70.0日でした(2026年7月許可分の実績)。
在留資格の全体像は、既存の解説 外国人が日本に滞在するための就労ビザや居住ビザなど全29種類の概要を解説 で確認できます。
家族滞在ビザとは(対象は配偶者と子だけ)
家族滞在は、日本に在留する外国人の扶養を受ける「配偶者」または「子」が、日本で日常的な生活を送るための在留資格です。働くための在留資格ではありません。
入管法では、家族滞在の活動を次のように決めています。対象の在留資格で在留する人に扶養される配偶者または子として、日常的な活動をすることです。日常的な活動とは、家事をする、学校に通う、といった家族としての普通の生活のことです。
- 配偶者:扶養者と結婚している人です。扶養者と離婚したり死別したりすると、配偶者ではなくなります。
- 子:扶養者の子で、扶養者の扶養を受けている人です。
- 親・兄弟姉妹:家族滞在の対象ではありません(高度専門職の人の親の例外は後で説明します)。
内縁(結婚の届出をしていない関係)の相手、同性のパートナー、養子、成人した子などは、個別の事情で扱いが変わります。自分の家族が当たるか迷うときは、申請の前に専門家に相談してください。
在留期間は、法務大臣が一人ひとりに決める期間で、5年を超えない範囲です。
(出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」別表第一の四、出入国在留管理庁「在留資格『家族滞在』」)
どの在留資格なら家族を呼べるか(早見表)
家族滞在で家族を呼べるかは、扶養者の在留資格で決まります。法律で対象から外されているのは、外交・公用・特定技能1号・技能実習・短期滞在です。研修と特定活動も対象に入っていません。留学は、大学などの正規の学生に限られます。2027年4月1日に施行される改正後の入管法では、技能実習に代わって育成就労が対象から外され、新しくできる企業内転勤2号も対象外になります。
| 扶養者の在留資格 | 家族滞在で呼べるか | 補足 |
|---|---|---|
| 教授、芸術、宗教、報道 | 呼べる | |
| 高度専門職 | 呼べる | 親・家事使用人の優遇あり(後で説明) |
| 経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育 | 呼べる | |
| 技術・人文知識・国際業務、企業内転勤 | 呼べる | 2027年4月からの企業内転勤2号は対象外 |
| 介護、興行、技能 | 呼べる | |
| 特定技能2号 | 呼べる | |
| 文化活動 | 呼べる | |
| 留学(大学・大学院・短大・高専・専門学校など) | 呼べる | 日本語学校・専ら夜間・通信の学生は対象外 |
| 特定技能1号 | 原則呼べない | 例外あり(次の章) |
| 技能実習 | 呼べない | 法律で対象外 |
| 育成就労(2027年4月から) | 呼べない | 改正後の入管法で対象外 |
| 短期滞在、研修 | 呼べない | 法律で対象外 |
| 特定活動 | 家族滞在では呼べない | 法律で対象外 |
| 外交、公用 | 家族滞在ではない | 家族も外交・公用の在留資格 |
| 家族滞在 | 呼べない | 家族滞在の人は扶養者になれない |
(出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」別表第一の四、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」2027年4月1日施行の改正後の条文 別表第一の四、出入国在留管理庁「在留資格『家族滞在』」)
技術・人文知識・国際業務(技人国)の要件や手続は、内部リンク:a-0009 技術・人文知識・国際業務で説明しています。
留学生は「大学などの正規の学生」に限られる
留学生が家族を呼べるのは、大学(大学院・短大を含む)、これに準ずる機関、高等専門学校、専門学校(専修学校の専門課程)や専攻科で学ぶ場合です。夜間に授業をする大学院の学生も含まれます。
一方、日本語学校の学生や、大学などで専ら日本語を学ぶ学生(日本語別科など)は対象外です。専ら夜間に通う学生や、通信で学ぶ学生も同じです。
留学生は働いて得る収入がないことが前提です。そのため、家族の生活費を預金や奨学金で示す必要があります(後の「必要書類」で説明します)。
(出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」家族滞在・留学の項)
育成就労は家族滞在の扶養者になれない
育成就労は、2027年4月1日に始まる新しい在留資格です。改正後の入管法では、家族滞在の活動を「外交、公用、企業内転勤2号、特定技能1号、育成就労、短期滞在を除く在留資格で在留する人などの扶養を受ける配偶者または子」としています。つまり、今の技能実習と同じく、育成就労の人は家族滞在の扶養者になれません。
入管庁も、育成就労制度では原則として家族の帯同(家族を連れてくること)を認めないと説明しています。
育成就労制度の全体像は、内部リンク:a-0006 育成就労制度で説明しています。
(出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」2027年4月1日施行の改正後の条文 別表第一の四、出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」Q59)
日本人・永住者・定住者の家族は別の在留資格になる
日本人、永住者、特別永住者、定住者の家族は、家族滞在ではなく別の在留資格で在留します。主なものは次のとおりです。
- 日本人の配偶者等:日本人の配偶者、特別養子、日本人の子として生まれた人
- 永住者の配偶者等:永住者・特別永住者の配偶者、永住者・特別永住者の子として日本で生まれ、その後も日本に住んでいる人
- 定住者:1年以上の在留期間を指定された定住者の配偶者、日本人・永住者・特別永住者・1年以上の在留期間の定住者に扶養される未成年で未婚の実子、6歳未満の養子など(定住者告示で決められた人)
(出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」別表第二、出入国在留管理庁「定住者告示」)
呼べない在留資格の人が家族と暮らすには
呼べない在留資格の人でも、在留資格が変われば家族滞在の対象になることがあります。ただし、変更も家族の呼び寄せも審査があり、認められるとは限りません。
特定技能1号:原則不可、例外として「特定活動」
特定技能1号では、家族の帯同は認められていません。ただし2026年4月1日、入管庁の運用要領に例外が書き加えられました。例えば、次のような場合です。
- 日本で、特定技能1号の人どうしの間に生まれた子ども
- 留学から特定技能1号に変わるときに、すでに家族滞在で日本にいる配偶者や子ども
このような家族は、特に人道上の配慮が必要として、在留資格「特定活動」への変更が認められる場合があります。
ただし、本国に一時帰国して出産する「里帰り出産」をして、本国に子どもを育てる人がいる場合は、人道上の配慮が必要とはみなされません。
(出典:出入国在留管理庁「『特定技能外国人受入れに関する運用要領』の一部改正について」(令和8年4月1日))
特定技能2号に進めば家族滞在の対象になる
特定技能2号は、家族滞在の扶養者になれる在留資格です。特定技能1号の人が2号の試験などに合格して2号に変われば、配偶者と子を家族滞在で呼ぶ道が開けます。特定技能1号の在留期間の考え方は、内部リンク:a-0002 特定技能1号の在留期間で説明しています。
技能実習・育成就労の人
技能実習・育成就労の在留中は、原則として家族を呼べません。特定技能に進み、さらに特定技能2号になった段階で、家族滞在を検討することになります。
日本語学校の留学生
日本語学校で学んでいる間は、家族を呼べません。大学や専門学校の正規の課程に進学すれば、対象になる場合があります。その場合も、家族の生活費をまかなえるかが審査されます。
高度専門職の家族の優遇(配偶者の就労・親・家事使用人)
高度専門職(高度外国人材)の人は、配偶者と子を家族滞在で呼べるうえ、家族について次の優遇があります。
- 配偶者の就労:普通は、配偶者が「教育」や「技術・人文知識・国際業務」に当たる仕事をするには、学歴・職歴などの要件を満たす必要があります。高度外国人材の配偶者は、これらの要件を満たさなくても、その仕事ができます。
- 親の帯同:高度外国人材や配偶者の7歳未満の子(養子を含む)を育てる場合や、妊娠中の配偶者・本人を助ける場合に、親の入国・在留が認められます。主な要件は、本人と配偶者の年収を合わせた世帯年収が800万円以上であること、同居すること、どちらか一方の親に限ることです。
- 家事使用人の帯同:世帯年収が1,000万円以上で、家事使用人に月額20万円以上の報酬を払う予定であることなどの要件で、家事使用人を原則1名まで連れてくることができます(投資運用業などの金融人材は、世帯年収3,000万円以上なら2名まで)。
親や家事使用人は、家族滞在ではなく「特定活動」で在留します。
(出典:出入国在留管理庁「高度人材ポイント制による出入国在留管理上の優遇措置」)
家族滞在の許可の条件(扶養・収入)
家族滞在の許可では、主に「扶養を受けていること」と「扶養者に家族を養う力があること」が見られます。収入について、入管庁が公表している基準額はありません。
扶養を受けていること
家族が、扶養者に頼って生活していることが必要です。自分の収入で生活できる人は、「扶養を受ける」配偶者・子に当たらない可能性があります。
入管庁は、税金や社会保険の「扶養」の金額を、家族滞在の基準としては示していません。
扶養者に家族を養う力があること
入管庁が求める書類は、扶養者の職業と収入を示す書類です。働いている扶養者は、在職証明書と、住民税の課税(または非課税)証明書・納税証明書を提出します。
「年収いくら以上なら許可される」という公表された基準はありません。扶養者の収入、扶養する家族の人数、預金などから、日本で家族が生活できるかが判断されると考えられます。インターネット上の金額の目安は、公式の基準ではありません。
収入に不安がある場合は、預金残高などの資料を加えることも検討し、専門家に相談してください。
家族関係を書類で証明できること
結婚や親子の関係を、公的な書類で示す必要があります。国によって証明書の種類が違うため、早めに準備を始めましょう。
(出典:出入国在留管理庁「在留資格『家族滞在』」)
必要書類(認定・変更・更新・取得)
家族滞在の申請には4つの種類があります。どの申請でも、家族関係と扶養者の収入を示す書類が中心になります。
| 申請の種類 | どんなときか |
|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請(認定) | 海外にいる家族を日本に呼ぶとき |
| 在留資格変更許可申請(変更) | 日本に在留している家族が、ほかの在留資格から家族滞在に変わるとき |
| 在留期間更新許可申請(更新) | 家族滞在の在留期間を更新するとき |
| 在留資格取得許可申請(取得) | 日本で子が生まれたときなど |
どの申請でも提出する書類
- 申請書
- 写真1葉(指定の規格を満たしたもの)
- 家族関係を証明する書類(次のいずれか):戸籍謄本、婚姻届受理証明書、結婚証明書の写し、出生証明書の写し、これらに準ずる書類
- 扶養者の在留カードまたはパスポートの写し
写真のルールは2026年6月14日から変わりました。変更・更新・取得では、在留カードの交付の日に1歳以上の人は写真が必要です(以前は16歳未満は不要でした)。在留カードについては、内部リンク:a-0007 在留カードで説明しています。
扶養者の職業と収入を示す書類
| 扶養者の状況 | 提出する書類 |
|---|---|
| 働いている・事業をしている | 在職証明書または営業許可書の写しなど、住民税の課税(または非課税)証明書と納税証明書(1年間の総所得と納税状況が分かるもの) |
| 働いていない(留学生など) | 扶養者名義の預金残高証明書、または奨学金の金額と期間が分かる証明書など、家族の生活費を払えることを示す書類 |
住民税の証明書は、1月1日に住んでいた市区町村で発行されます。総所得と納税状況の両方が書かれた証明書なら、1枚でかまいません。
申請ごとに追加で必要なもの
- 認定:返信用封筒(簡易書留用の切手を貼ったもの)
- 変更・更新:パスポートと在留カードを提示する
- 取得:パスポートを提示する、出生したことを証明する書類、質問書。住民票を提出すると、許可後に市区町村で住居地を届け出る必要がなくなります(推奨)
書類の注意点
- 日本で発行された証明書は、発行日から3か月以内のものを提出します。
- 外国語の書類には、日本語の訳文を付けます。
- 審査の途中で、ほかの資料を求められることがあります。
入管庁は申請ごとに提出書類のチェックシートを公開しています。認定、変更、更新、取得のチェックシートで確認してください。
(出典:出入国在留管理庁「在留資格『家族滞在』」)
申請の流れと審査期間
海外から呼ぶ場合は、まず日本で在留資格認定証明書を申請します。審査期間は、2026年7月許可分の実績で、認定が平均70.0日、更新が38.7日、変更が43.5日でした。
海外から家族を呼ぶ場合
- 日本にいる扶養者などが、在留資格認定証明書を申請する(申請できるのは、日本で家族を扶養する人や、日本に住む家族の親族など)
- 証明書が交付されたら、海外の家族に送る
- 家族が、住んでいる国の日本大使館・総領事館でビザ(査証)を申請する
- 日本の空港などで上陸の許可を受ける
在留資格認定証明書の仕組みは、既存の解説 在留資格認定証明書(COE)の解説 を参考にしてください。
日本にいる家族が家族滞在に変わる場合
たとえば、留学生だった配偶者が学校を卒業し、技人国で働く扶養者の配偶者として家族滞在に変わる場合です。在留期限が切れる前に、在留資格変更許可申請をします。
日本で子が生まれた場合
日本で生まれた子は、生まれた日から60日以内なら、在留資格がなくても日本に在留できます。60日を超えて日本にいる場合は、生まれた日から30日以内に在留資格取得許可申請をする必要があります。
更新
扶養者の在留期間を更新したら、家族の在留期限も確認しましょう。更新でも、家族関係と扶養者の収入が確認されます。
審査期間の目安
| 申請の種類 | 平均の日数(2026年7月許可分) |
|---|---|
| 認定 | 70.0日 |
| 更新 | 38.7日 |
| 変更 | 43.5日 |
この日数は、申請の受理から許可までの平均です。追加資料を求められた場合は、その提出までの日数も含まれます。認定は時間がかかるため、呼び寄せは余裕を持って計画しましょう。
(出典:出入国在留管理庁「在留審査処理期間(令和8年7月許可分)」、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第22条の2、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法施行規則」別表第四)
変更・更新の手数料は、2026年10月1日から許可される在留期間に応じた額に変わりました。金額は内部リンク:a-0001 在留手続の手数料で確認してください。
家族滞在で働くには資格外活動許可が必要(包括許可は週28時間まで)
家族滞在の人は、原則として働けません。資格外活動許可の「包括許可」を受ければ、1週について28時間以内でアルバイトなどができます。包括許可の申請は、申請書だけで行えます。
包括許可でできること・できないこと
- 1週について28時間以内の、報酬を受ける活動や事業を運営する活動ができます。
- 風俗営業などの店での仕事は、包括許可ではできません。ただし2026年10月1日から、家族滞在の人に限り、個別許可を受ければ、ぱちんこ店などの遊技場で働けるようになりました(次の「遊技場(ぱちんこ店など)で働く場合」)。
- 個人事業主として配達などの依頼を受け、成果に応じて報酬を得る仕事も、働いた時間を客観的に確認できれば包括許可で可能です。
遊技場(ぱちんこ店など)で働く場合(2026年10月1日から)
入管庁は2026年10月1日から、在留資格「家族滞在」の人に限って、個別許可を受ければ遊技場(ぱちんこ店など)で働くことを認めています。
- 対象:家族滞在の人だけです。留学の人や、扶養を受ける配偶者・子などとして「特定活動」で在留している人は対象外です。
- 包括許可を持っていても個別許可が必要:すでに包括許可を受けている人も、遊技場で働くには、別に個別の資格外活動許可を受ける必要があります。許可を受けるまでは働けません。
- 就労時間:包括許可・個別許可を合わせたすべての資格外活動の合計が、1週について28時間以内であることが必要です。ほかの店のアルバイトと掛け持ちする場合も、合計で28時間以内です。
主な要件は次のとおりです。
- 就労先の店が、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)の風俗営業の許可を受けていること(風営法第2条第1項第4号・第5号の営業に限ります)
- 就労先の店が、次のことを約束する誓約書を提出すること:外国人雇用状況の届出など、外国人を雇用する事業主の法令上の義務を守る/雇用した外国人に特定在留カードの取得を勧める/雇用した外国人がほかの資格外活動もしている場合は、合計が1週28時間以内かを定期的に確認する
- 働く内容が法令に違反しないこと、家族滞在の活動のさまたげにならないことなど、資格外活動許可の一般的な要件を満たすこと
申請では、申請書、活動内容・活動時間・報酬などを説明する文書、勤務先が作る誓約書、本人が作る誓約書、店の営業許可証などの写し、ほかの資格外活動の状況を説明する文書(合計で1週28時間以内であることを示すもの)を提出します。誓約書には入管庁の参考様式があります。
遊技場以外の風俗営業などの店での仕事は、この取扱いの対象ではありません。
個別許可が必要な場合
- 個人事業主として働き、働いた時間を客観的に確認するのが難しい場合
- 業務委託や請負の契約で、就労時間がはっきりしない場合
- 包括許可の範囲を超える活動をする場合(その活動の期間は、在留期間の半分を超えないことが条件です)
新しく会社を作る、従業員を雇用する、事務所を構えて事業をする、といった場合は、「経営・管理」の在留資格への変更が必要です。
許可なく働くと不法就労になる
許可を受けずに働いたり、許可の範囲(包括許可なら1週28時間以内)を超えて働いたりすると、不法就労になります。退去強制や罰則の対象になり得ます。雇用する企業は、在留カードで資格外活動許可の有無を確認してください。
もっと長く働きたい場合は、技人国などの就労資格への変更を検討します。学歴や仕事の内容などの要件を満たす必要があります。
(出典:出入国在留管理庁「『家族滞在』の在留資格に係る資格外活動許可について」、出入国在留管理庁「資格外活動許可について」、出入国在留管理庁「遊技場営業店舗における資格外活動許可について」、出入国在留管理庁「遊技場営業店舗(ぱちんこ店等)でのアルバイトについて」、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第19条・第24条・第73条)
家族滞在の子どもの進路(高校卒業後の就職など)
家族滞在の子どもが日本の高校を卒業して就職する場合、技人国などの学歴の要件は満たしません。ただし一定の要件を満たせば、「定住者」または「特定活動」への変更の対象になる場合があります。
ここでいう「特定活動」には、告示の号数がありません。特定活動のうち、あらかじめ類型を決めたものは「特定活動告示」(平成2年法務省告示第131号)に号として並んでいますが、この高校卒業後の就労の取扱いは告示に入っていません。法務大臣が一人ひとりに活動を指定するもので、実務では「告示外特定活動」と呼ばれます。指定される活動は、日本の企業などに雇用されて報酬を受ける活動です(風俗営業などの店での仕事を除きます)。
| 要件 | 定住者 | 特定活動 |
|---|---|---|
| 日本の義務教育 | 小学校・中学校を卒業している | 求められていない |
| 日本の高校 | 卒業または卒業見込み | 卒業または卒業見込み(高校に編入した人は、日本語能力試験N2程度も必要) |
| 扶養者 | 求められていない | 扶養者が身元保証人として日本にいる |
| 入国のとき | 18歳未満 | 18歳未満 |
| 在留の経過 | 入国後ずっと家族滞在 | 入国後ずっと家族滞在 |
| 就職 | 就職先が決まっている(内定を含む) | 就職先が決まっている(内定を含む) |
| その他 | 住居地の届出など公的な義務を守っている | 住居地の届出など公的な義務を守っている |
ここでいう就職は、資格外活動許可の範囲(1週28時間)を超えて働く場合です。家族滞在でなくても、家族滞在に当たる立場の人(留学など)も対象になります。
「特定活動」になった人は、のちに「定住者」に変わる道もあります。主な要件は、就労を目的とする特定活動や就労資格(技能実習を除く)で5年以上在留していること、就職先が決まっていること、自分で生計を立てられることなどです。
18歳以上で来日した子や、日本の高校を出ていない子は、この取扱いの対象外です。留学や就労資格などを個別に考えることになるため、専門家に相談してください。
(出典:出入国在留管理庁「『家族滞在』の在留資格をもって在留し、高等学校卒業後に日本での就労を希望する方へ」、出入国在留管理庁「高等学校卒業後に日本での就労を考えている外国籍を有する方へ」、出入国在留管理庁「特定活動告示」(令和8年4月8日改正まで反映)、出入国在留管理庁「在留資格『特定活動』」、出入国在留管理庁 在留管理課長通知「高等学校等卒業後に本邦で就労する者の取扱いについて(依頼)」(令和5年10月11日、文部科学省ウェブサイト掲載))
扶養者の状況が変わったら(離婚・死別・永住・転職)
家族滞在は、扶養者との関係で成り立つ在留資格です。扶養者の状況が変わったら、早めに手続を確認しましょう。
離婚・死別したとき
配偶者として家族滞在で在留している人が、扶養者と離婚または死別したときは、14日以内に入管庁に「配偶者に関する届出」をします。インターネットでも届け出られます。この届出は配偶者の義務で、子にはありません。
また、家族滞在の活動を続けて3か月以上していないと、在留資格の取消しの対象になり得ます(正当な理由がある場合を除きます)。離婚や死別のあとも日本で暮らしたい場合は、早めにほかの在留資格への変更を検討してください。
子は、親が離婚しても、引き続き扶養者の扶養を受けているなら、家族滞在で在留できる場合があります。
扶養者が永住者になったとき
扶養者が永住許可を受けると、家族滞在の扶養者には当たらなくなります。家族は、別の在留資格への変更や、家族そろっての永住許可申請を検討します。
- 配偶者:「永住者の配偶者等」への変更
- 子:「永住者の配偶者等」になるのは、永住者の子として日本で生まれ、その後も日本に住んでいる子です。それ以外の子は、「定住者」(永住者に扶養される未成年で未婚の実子)への変更などを検討します。
どの在留資格になるかは、子が生まれた時期や場所で変わります。迷うときは専門家に相談してください。永住許可のガイドラインは、内部リンク:a-0005 永住許可ガイドラインで説明しています。
扶養者が帰国した・在留資格を失ったとき
扶養者がいなくなると、家族も家族滞在で在留する根拠を失います。日本に残りたい場合は、ほかの在留資格に当たるかを確認してください。
扶養者が転職・失業したとき
更新のときに、扶養者の収入が確認されます。扶養者本人の届出(勤務先が変わったときの届出など)も忘れずに行いましょう。
(出典:出入国在留管理庁「配偶者に関する届出」、出入国在留管理庁「在留資格の取消し(入管法第22条の4)」、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第19条の16・第22条の4・別表第二、出入国在留管理庁「定住者告示」)
よくある質問
Q1. 技術・人文知識・国際業務で働いています。家族を呼べますか?
呼べます。技人国は家族滞在の扶養者になれる在留資格です。家族があなたの扶養を受けること、あなたに家族を養う収入があることなどが審査されます。
Q2. 特定技能1号です。日本で子どもが生まれました。
特定技能1号の人どうしの間に日本で生まれた子どもは、人道上の配慮から「特定活動」への変更が認められる場合があります。子が生まれた日から60日を超えて日本にいる場合は、生まれた日から30日以内に在留資格の取得を申請する必要があるため、すぐに相談してください。
Q3. 日本語学校の留学生です。配偶者を呼べますか?
呼べません。家族を呼べる留学生は、大学や専門学校などの正規の課程の学生に限られます。
Q4. 親を呼べますか?
家族滞在では呼べません。高度専門職の人は、7歳未満の子を育てるなどの理由で、一定の要件のもとで親を呼べる場合があります。
Q5. 年収がいくらあれば許可されますか?
公表された基準額はありません。扶養者の収入、家族の人数、預金などから総合的に判断されると考えられます。
Q6. 家族滞在の配偶者はフルタイムで働けますか?
家族滞在のままでは、フルタイムで働き続けることはできません。包括許可で働けるのは1週28時間以内です。それを超える活動は個別許可が必要で、在留期間の半分を超えないことなどの条件があります。フルタイムで働き続けるには、就労資格への変更が必要です。
Q7. 成人した子どもを呼べますか?
法律では、子の年齢の上限は決められていません。ただし、扶養を受けていることが必要です。自分で生活できる年齢や状況の場合は、扶養を受けているかが慎重に見られる可能性があります。
まとめ
- 家族滞在で呼べるのは配偶者と子だけです。親・兄弟姉妹は対象外です。
- 技人国などの就労資格、特定技能2号、文化活動、大学などの留学なら家族を呼べます。
- 特定技能1号・技能実習・育成就労・日本語学校の留学生は、原則として呼べません。特定技能1号には「特定活動」の例外があります。
- 収入の公表された基準額はありません。扶養者の収入と納税を示す書類が中心です。
- 審査期間は2026年7月許可分で、認定70.0日、更新38.7日、変更43.5日でした。
- 家族滞在で働くには資格外活動許可が必要です。包括許可で働けるのは1週28時間以内で、それを超える活動は条件つきの個別許可になります。
- 離婚・死別したら14日以内に届出が必要です。扶養者の状況が変わったら早めに確認しましょう。
家族を呼べるか、どの在留資格になるかは、家族の状況によって変わります。迷ったら専門家に相談してください。
記事作成で参照した一次情報
- 出入国在留管理庁「在留資格『家族滞在』」
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法施行規則」
- 出入国在留管理庁「『特定技能外国人受入れに関する運用要領』の一部改正について」(令和8年4月1日)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」
- 出入国在留管理庁「定住者告示」
- 出入国在留管理庁「高度人材ポイント制による出入国在留管理上の優遇措置」
- 出入国在留管理庁「在留審査処理期間」
- 出入国在留管理庁「資格外活動許可について」
- 出入国在留管理庁「『家族滞在』の在留資格に係る資格外活動許可について」
- 出入国在留管理庁「遊技場営業店舗における資格外活動許可について」
- 出入国在留管理庁「特定活動告示」
- 出入国在留管理庁「『家族滞在』の在留資格をもって在留し、高等学校卒業後に日本での就労を希望する方へ」
- 出入国在留管理庁「配偶者に関する届出」
- 出入国在留管理庁「在留資格の取消し(入管法第22条の4)」

