「技術・人文知識・国際業務」(技人国)は、エンジニア、通訳・翻訳、企画、営業、事務などの専門的な仕事をするための在留資格です。2026年4月15日以降の申請から、カテゴリー3・4の会社(中小企業や新しい会社など)は「所属機関の代表者に関する申告書」の提出が必要になりました。通訳や接客など、主に言葉を使って人と接する仕事なら、言語能力(CEFR・B2相当)を証明する資料も必要です。
派遣社員として働く場合の取扱いも、2026年3月9日の申請分から変わりました。
この記事では、技人国の許可の要件、できる仕事とできない仕事、会社のカテゴリー別の必要書類、審査期間をわかりやすく解説します。外国人を雇う会社と、外国人本人が手続の前に確認したい点を整理します。
在留資格の全体像は、次の記事で説明しています。
→ 在留資格とは
技術・人文知識・国際業務(技人国)とは
技人国は、日本の会社などとの契約にもとづいて、専門的な知識を使う仕事をするための在留資格です。入管法では、次のような業務に従事する活動と決められています。
- 理学・工学などの自然科学や、法律学・経済学・社会学などの人文科学の分野に属する技術・知識を必要とする業務(「技術・人文知識」)
- 外国の文化に基盤がある考え方や感受性を必要とする業務(「国際業務」)
入管庁は、機械工学などの技術者、通訳、デザイナー、会社の語学教師、マーケティングの担当者などを例に挙げています。
「契約」には、雇用のほか、委任・委託・嘱託なども含まれます。ただし、特定の会社など(複数でも可)との継続的な契約でなければなりません。契約の相手は、会社のほか、国・地方公共団体、日本に事務所がある外国の法人や個人なども含まれます。
2025年末の時点で、技人国で日本に住む人は475,790人です。在留資格別では、永住者に次いで2番目に多い在留資格です。
在留期間は「5年」「3年」「1年」「3月」のいずれかです。どの期間になるかは、働く予定の期間、本人の活動の実績、税金などの公的な義務を果たしているか、会社の規模や実績などを総合的に見て決まります。
永住許可のガイドラインは2026年10月1日に改定されました。永住許可の要件は次の記事で説明しています。
(出典:出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」、出入国在留管理庁「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の明確化等について」、出入国在留管理庁「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」Q8・Q37、出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」)
2026年に変わったこと(提出書類の追加・派遣の取扱い)
2026年には、技人国の申請で出す書類が2回変わりました。対象になるのは、主にカテゴリー3・4の会社と、派遣で働く人です。
| 変わったこと | いつから | 対象 | 何を出すか |
|---|---|---|---|
| 代表者に関する申告書 | 2026年4月15日以降の申請 | カテゴリー3・4の会社(認定・変更・取得・更新) | 所属機関の代表者に関する申告書(参考様式) |
| 言語能力の資料 | 2026年4月15日以降の申請 | カテゴリー3・4の会社で、主に言語能力を使う対人業務などをする人 | 仕事で使う言語について、CEFR・B2相当の能力を証明する資料 |
| 派遣の提出書類 | 2026年3月9日の申請分から | 派遣社員として働く人 | 派遣元・派遣先の誓約書、労働者派遣個別契約書など |
所属機関の代表者に関する申告書
会社の代表者について申告する書類です。代表者が日本人か特別永住者なら、チェックを付けるだけです。それ以外の場合は、代表者の氏名(英字)と在留カード番号を書きます。
作成できるのは、その会社の職員だけです。様式には、事実でない内容があれば虚偽の申請と判断される可能性がある、という文が入っています。
言語能力(CEFR・B2相当)の資料
翻訳・通訳や、ホテルのフロントなどの接客のように、主に言語能力を使って人と接する仕事をする場合に必要です。入管庁は、主に言語能力を使う対人業務は、B2相当の言語能力があることが前提だとしています。その能力がなければ、技人国に必要な「一定水準以上の業務」とは認められません。
いつ出すかは、申請の種類で変わります。
- 認定・変更・取得の申請:主に言語能力を使う仕事をする場合に必要です。
- 更新の申請:前から同じ仕事を続けているなら原則不要です。転職や仕事内容の変更で、言語能力を使う仕事が中心になった場合は必要です。
- 上の場合でなくても、申請の内容によって提出を求められることがあります。カテゴリー1・2の会社でも、審査の中で求められる可能性があります。
日本語の場合、次のどれかに当たればB2相当とみなされます。
- 日本語能力試験(JLPT)N2以上
- BJTビジネス日本語能力テストで400点以上
- 中長期在留者として20年以上日本に住んでいる
- 日本の大学を卒業した、または日本の高等専門学校・専修学校の専門課程・専攻科を修了した(専攻と仕事に関連がある場合に限ります。文部科学大臣の認定を受けた学科の修了者は柔軟に判断されます)
- 日本の義務教育を終えて、高校を卒業した
日本語以外の言語(英語など)を使う仕事では、次のどれかで判断されます。
- その言語が本人の母国語か公用語である
- CEFRの表示がある試験で、B2以上と証明されている
- 上の2つに当たらない場合は、仕事に必要な言語能力があると明らかに言える理由を説明する(例:その言語が公用語の国の大学に留学したことを卒業証明書などで示す)
通訳・翻訳の採用については、次の記事でも説明しています。
→ 通訳・翻訳の採用
派遣社員として働く場合
派遣で働く場合は、申請のときに派遣先が決まっていなければ許可を受けられません。例外は、新しく採用した人に研修をしてからでないと派遣先が決まらない場合だけです。この場合は、研修の内容がわかる資料、派遣先での業務の範囲を書いた労働条件通知書、派遣元の誓約書2種類などで審査されます。派遣先の誓約書と個別契約書は、派遣先が決まった後に用意し、次の更新のときに出します。
このほか、次の点に注意してください。
- 在留期間は、派遣契約の期間に応じて決まります。
- 入管は、派遣元だけでなく派遣先にも、仕事の内容や働き方を直接確認することがあります。
- 更新では、派遣元管理台帳・派遣先管理台帳・就業状況報告書も出します。
(出典:出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」【お知らせ】、出入国在留管理庁「所属機関の代表者に関する申告書(参考様式)」、出入国在留管理庁「翻訳・通訳業務等の言語能力を用いる対人業務に従事する場合の在留資格の明確化について」(別紙4)、出入国在留管理庁「派遣形態で就労する場合の取扱いについて」(令和8年7月)、出入国在留管理庁 Q&A Q28・Q29)
許可の要件(学歴・実務経験・報酬)
許可の要件は、大きく3つです。①仕事が技人国に当たること、②学歴か実務経験があること、③日本人と同じ額以上の報酬を受けることです。
「技術・人文知識」の仕事:学歴か10年の実務経験
技術・知識を使う仕事では、次のどれかが必要です。
- 仕事に関連する科目を専攻して大学を卒業した(同等以上の教育を含みます。日本の短期大学の卒業も「大学を卒業」に当たります)
- 仕事に関連する科目を専攻して、日本の専修学校の専門課程または専攻科を修了した(「専門士」「高度専門士」の称号などの要件があります)
- 10年以上の実務経験がある(大学・高専・高校・専修学校などで関連科目を専攻した期間を含みます)
外国の専門学校(日本の専門学校に当たる学校)の卒業は、この要件に当たりません。
IT関係の仕事では、法務大臣が告示で定めた情報処理技術の試験に合格しているか資格を持っていれば、学歴や実務経験は問われません。日本の基本情報技術者試験や応用情報技術者試験のほか、中国・フィリピン・ベトナムなどの試験も含まれます。
専攻と仕事の関連性
大学の専攻と仕事の関連性は、柔軟に判断されます(海外の大学や高専も同様です)。一方、専修学校は職業に必要な力を育てる学校なので、原則として専攻と仕事に相当程度の関連性が必要です。
ただし、次の場合は柔軟に判断されます。
- 文部科学大臣の認定を受けた学科(外国人留学生キャリア形成促進プログラム)を修了した人
- 関連性が認められた仕事に3年程度ついた人の、その後の仕事
「国際業務」の仕事:3年の実務経験
外国の文化にもとづく考え方や感受性を使う仕事は、翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝、海外取引、服飾や室内装飾のデザイン、商品開発などです。関連する仕事の実務経験が3年以上必要です。ただし、大学を卒業した人が翻訳・通訳・語学の指導をする場合は、実務経験はいりません。
報酬:日本人と同じ額以上
日本人が同じ仕事をする場合と同じ額以上の報酬が必要です。通勤手当、扶養手当、住宅手当などの実費を補う手当(課税されるものを除く)は、報酬に含みません。入管庁の事例には、同時に採用された日本人の新卒の月給が18万円なのに、外国人の月給が13万5千円だったため不許可になった例があります。
実務経験に数えないもの・その他の確認点
- 技能実習や特定技能で積んだ経験は、技人国の「実務経験」として扱われません。
- 「未経験可、すぐに慣れます」と募集するような仕事や、要件を満たさない日本人社員が普通にしている仕事は、対象になりません。
- 受け入れる会社(派遣先を含みます)が、外国人への暴行や在留カードの取り上げ、報酬の不払いなどで特定技能・技能実習の受入れを停止されている間は、原則として技人国の外国人も新しく受け入れられません。
- 変更・更新では、素行や届出の義務を守っているかも見られます。たとえば、留学中に週28時間を超えるアルバイトを続けていた場合は、素行が善良とはみなされません。
(出典:出入国在留管理庁「該当する活動・上陸許可基準について」、出入国在留管理庁「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の明確化等について」1・2・3、出入国在留管理庁「情報処理技術に関する試験・資格(IT告示)」、同 別紙3(許可・不許可事例)、出入国在留管理庁 Q&A Q34・Q35・Q41)
できる仕事・できない仕事
技人国に当たるかどうかは、在留期間中の仕事を全体として見て判断されます。技人国に当たる仕事がごく一部で、残りが特別な知識のいらない仕事や、繰り返しの訓練でできる仕事なら、技人国には当たりません。
入管庁が公表している許可事例・不許可事例から、主なものをまとめました。
| 分野 | 許可された例 | 不許可になった例 |
|---|---|---|
| IT・技術 | ソフトウェアエンジニア、システムの設計・試験、CADのシステム解析、電気通信設備工事の施工図作成・現場の指揮監督 | パソコンのデータ保存・部品交換、バイクのタイヤ交換などの修理 |
| 語学 | 輸入販売会社での通訳・翻訳、出版物の翻訳、語学学校の教師 | 飲食店で英語で注文を取るだけの「通訳」、必要性が認められない留学生アルバイトへの通訳 |
| 企画・営業・事務 | 海外取引の会計、マーケティング支援、ITのコンサルタント | 従業員12名の料理店での電話予約の受付・帳簿付け |
| 製造・サービスの現場 | ホテルの総合職(主にフロントでの通訳・予約管理など) | 弁当の箱詰め、工場での部品の加工・組立・梱包、洋菓子の製造、清掃 |
仕事の内容をもっと具体的に確かめる必要があるときは、入管から職務内容の詳しい説明などを求められることがあります。派遣会社の場合も、契約書の職務内容が「店舗スタッフ」で、実際は小売店での販売だったため不許可になった例があります。
専修学校の卒業生では、専攻との関連性がないとして不許可になった例もあります。たとえば、声優学科の卒業生がホテルで翻訳・通訳をする申請などです。
特定活動46号(本邦大学等卒業者)との違い
技人国では、一般的なサービス業務や製造業務が中心になる仕事は認められません。一方、日本の大学を卒業するなどして高い日本語能力を持つ人は、「特定活動」(告示46号・本邦大学等卒業者)で働ける場合があります。こちらは、飲食店の店舗管理や、通訳を兼ねた接客(日本人への接客を含みます)など、幅広い仕事ができます。
(出典:出入国在留管理庁「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の明確化等について」1(2)、同 別紙3(許可・不許可事例)、出入国在留管理庁 Q&A Q22・Q38・Q39)
入社直後の現場研修(実務研修)はどこまで認められるか
入社直後の研修で、店舗での接客や工場のライン作業をすることは、条件を満たせば認められます。条件は、日本人の大卒社員にも同じように行う研修の一部であること、在留期間全体の大半を占めないことです。
ここでいう「在留期間」は、1回の許可で決まる期間ではありません。雇用契約書や研修計画から見込まれる、技人国で日本にいる期間全体です。
- 期間の定めなく正社員として雇われた人が「1年」の在留期間を受けた場合、その1年がすべて研修ということもあり得ます。
- 3年だけの契約で更新の予定もないのに、採用から2年間研修をする、という申請は認められません。
採用から1年を超えて研修をする場合は、研修計画を出して、期間が合理的かを審査されます。外国人だけに設けた研修や、日本人社員と差がある研修は、日本語研修のような合理的な理由がなければ認められません。
研修がある場合の在留期間は、原則として「1年」です。更新のときに予定より長く研修を続けるなら、その事情を説明する必要があります。合理的な理由がなければ、更新は認められません。長い在留期間を得るために、研修があることを隠して申請してはいけません。
入管庁の事例では、総合職として期間の定めなく採用された文学部卒の人が、日本人の大卒者と同じように2年間スーパーで研修してから本社で働く計画が許可されています。反対に、何年続くかわからない店舗での接客・調理を経て、選ばれた人だけが本社の仕事に就く計画は不許可になっています。
(出典:出入国在留管理庁「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格で許容される実務研修について」(別紙1)、同 別紙3(許可・不許可事例)、出入国在留管理庁 Q&A Q36)
会社のカテゴリー(1〜4)の見分け方
入管庁は、会社などを規模に応じて4つのカテゴリーに分けています。カテゴリー1・2は、提出する書類が少なくなります。
| 区分 | 主な会社など |
|---|---|
| カテゴリー1 | 日本の証券取引所の上場企業、保険業の相互会社、国・地方公共団体、独立行政法人、特殊法人・認可法人、公益法人、法人税法別表第1の公共法人、イノベーション創出企業、一定の条件を満たす企業(くるみん認定・えるぼし認定・健康経営優良法人など) |
| カテゴリー2 | 前年の給与所得の源泉徴収税額が1,000万円以上の団体・個人、カテゴリー審査の資料を出して在留申請オンラインシステムの利用申出が承認された機関 |
| カテゴリー3 | 前年の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出した団体・個人(カテゴリー2を除く) |
| カテゴリー4 | 上のどれにも当たらない団体・個人(新しく作った会社など) |
カテゴリーを証明する書類を出せない場合は、カテゴリー4になります。前年の法定調書合計表がまだできていない時期は、前々年のものを出します。
留学から技人国に変更する申請では、日本の大学院・大学・短期大学を卒業した人(卒業予定を含みます)なども、カテゴリー2に入ります。
(出典:出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」(カテゴリーの表)、出入国在留管理庁「一定の条件を満たす企業等について」、出入国在留管理庁 Q&A Q11・Q12)
必要書類(認定・変更・更新)
カテゴリー1・2の会社は、申請書・写真・カテゴリーの証明書類などの共通書類だけで、ほかの資料は原則としていりません。カテゴリー3・4の会社は、仕事の内容や会社の事業を説明する資料が必要です。
| 書類 | 認定・変更・取得 | 更新 |
|---|---|---|
| 申請書、写真、カテゴリーを証明する書類 | 全カテゴリー | 全カテゴリー |
| パスポート・在留カードの提示 | 変更(取得はパスポート) | 全カテゴリー |
| 返信用封筒 | 認定 | ― |
| 専門士・高度専門士の証明(専門学校卒の人) | 該当者 | ― |
| 派遣の誓約書・労働条件通知書・個別契約書 | 該当者 | 該当者(管理台帳・就業状況報告書も) |
| 労働条件通知書など仕事の内容がわかる資料 | カテゴリー3・4 | 転職後初めての更新(カテゴリー3・4) |
| 履歴書、学歴・職歴の証明 | カテゴリー3・4 | ― |
| 登記事項証明書、事業内容の資料、直近の決算書(新規事業は事業計画書) | カテゴリー3・4 | 転職後初めての更新(カテゴリー3・4) |
| 所属機関の代表者に関する申告書 | カテゴリー3・4 | カテゴリー3・4 |
| 言語能力(B2相当)の資料 | カテゴリー3・4で主に言語能力を使う対人業務 | 転職・業務変更で対人業務になった場合 |
| 住民税の課税(非課税)証明書・納税証明書 | ― | カテゴリー3・4 |
| 法定調書合計表を出せない理由の資料 | カテゴリー4 | 転職後初めての更新(カテゴリー4) |
変更・更新・取得の写真は、在留カードの交付の日に1歳以上の人が必要です(2026年6月13日までは16歳以上の人でした)。日本の役所などが発行する証明書は、発行から3か月以内のものを出します。外国語の書類には日本語訳を付けます。審査の中で、ここにない資料を求められることもあります。
最新の書類は、入管庁の提出書類チェックシートで確認してください。認定・変更はカテゴリー共通のものとカテゴリー3・4用のもの、更新は共通のものがあります。
(出典:出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」(提出書類・申請に当たっての留意事項)、出入国在留管理庁「提出書類チェックシート(認定・カテゴリー3・4のみ)」、出入国在留管理庁「提出書類チェックシート(変更・カテゴリー3・4のみ)」、出入国在留管理庁「提出書類チェックシート(更新)」)
申請の流れと審査期間
採用のしかたによって、必要な手続が違います。
海外から呼ぶ場合
会社の職員が代理人になり、会社の所在地を管轄する地方入管に「在留資格認定証明書」を申請します。交付されたら本人に送り、本人が日本大使館などで査証(ビザ)を申請します。日本の空港で上陸許可を受けると、技人国で住めるようになります。
日本にいる転職者を雇う場合
すでに技人国を持っている人が、転職後も技人国の仕事をするなら、在留資格の変更はいりません。本人は、契約が終わった日・新しい契約をした日から14日以内に「契約機関に関する届出」をします。在留期限が近いときは、更新の申請も必要です。
留学生を新卒で採用する場合
本人が「留学」から技人国への在留資格変更を申請します。会社の職員でも、申請取次の承認を受けて本人から頼まれていれば、申請を取り次げます。オンライン申請の承認を受けた会社は、オンラインでも申請できます。
3月に卒業する留学生の変更申請は、例年12月から受け付けています。卒業見込みの証明書で申請し、卒業後に卒業証明書を出してから結果を受け取ります。
許可が出る前でも、入社式や給料の出ない研修に出ることはできます。給料を受ける仕事を始められるのは、変更の許可を受けた後です。
審査中に留学の在留期限が過ぎても、結果が出るまで(長くても期限から2か月まで)は「特例期間」として日本にいられます。ただし、特例期間にできるのは前の在留資格の活動だけで、技人国の仕事はできません。
審査期間の目安
入管庁の標準処理期間は、認定が1か月から3か月、変更が1か月から2か月、更新が2週間から1か月です。
実際の日数(平均)は、2026年7月に許可された分で次のとおりです。
| 申請 | 許可までの平均日数 | うち審査が終わるまで |
|---|---|---|
| 在留資格認定証明書 | 49.8日 | ― |
| 在留期間更新 | 40.8日 | 31.1日 |
| 在留資格変更 | 72.9日 | 63.3日 |
これは追加資料を出すまでの日数を含み、不許可や取下げは含みません。入管庁によると、例年4月の就職時期に向けて申請が増え、就労資格の審査期間は長くなる傾向があります。
変更・更新の手数料は、2026年10月1日以降に受け付けた申請から、許可される在留期間に応じた額に変わりました。2026年9月30日までに受け付けた申請は、許可が10月以降でも改定前の額です。金額は次の記事で確認してください。
→ 在留手続の手数料
(出典:出入国在留管理庁 Q&A Q2・Q5〜Q7・Q13・Q17、出入国在留管理庁「在留審査処理期間(令和8年7月許可分)」、出入国在留管理庁「所属(契約)機関に関する届出」、出入国在留管理庁「在留期間の満了日までに申請した場合の特例期間について」)
雇う会社が気をつけること(転職者・配置転換・届出)
技人国の許可は、本人の学歴・経歴と、会社での仕事の内容を見て出されています。転職者を雇うときや、配置転換で仕事が変わるときは、新しい仕事が技人国に当たるか、本人の専攻と関連があるかを確かめておきましょう。合わない仕事を続けると、次の更新が不許可になるおそれがあります。
心配な場合は就労資格証明書で事前に審査を受けられる
「就労資格証明書」の申請は任意で、転職したら必ず出すものではありません。
新しい仕事が技人国に当たるか心配な場合は、就労資格証明書の交付を申請して、事前にその仕事が今の在留資格に合っているかの審査を受けることができます。申請先は本人の住居地を管轄する地方入管です。手数料は2,000円(オンライン申請は1,600円)で、2026年10月9日に入管庁のページで確認した額です。標準処理期間は当日ですが、勤務先を変えた場合などは1か月から3か月かかります。
なお、就労資格証明書は、働くための許可書ではありません。働けるかどうかは、在留資格や資格外活動許可で決まります。
届出
- 本人:契約機関に関する届出(契約の終了・新しい契約から14日以内)
- 会社:ハローワークへの外国人雇用状況の届出(雇入れと離職のとき。雇用保険の被保険者になる人は、資格取得届・喪失届を出せば届出をしたことになります)
- 会社:入管への「中長期在留者の受入れに関する届出」(雇入れと雇用の終了のとき。提出に努めるとされています)
在留カードで、在留資格・在留期限・就労制限の有無を確認することも大切です。
→ 在留カード
技人国に当たらない仕事をさせた場合
技人国に当たらない仕事をさせると、会社が「不法就労助長罪」に問われるおそれがあります。今の罰則は、3年以下の拘禁刑か300万円以下の罰金、またはその両方です。2027年4月1日からは、5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金に引き上げられます。
派遣では、派遣先で技人国に当たらない仕事をさせた場合、派遣元と派遣先のどちらも不法就労助長罪に当たり得る、と入管庁は説明しています。派遣元は、技人国でできる仕事の範囲を派遣先にも説明してください。
→ 不法就労助長罪
(出典:出入国在留管理庁「就労資格証明書交付申請」、出入国在留管理庁「就労資格証明書(入管法第19条の2)」、出入国在留管理庁 Q&A Q1〜Q4・Q42・Q43、厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(19条の16・73条の2))
本来の仕事以外をしてもよい場合(資格外活動許可)
技人国の人が、技人国に当たらない仕事で報酬を得るには、原則として「資格外活動許可」が必要です。
地方公共団体などと雇用契約を結んでいる技人国の人には、週28時間以内で、地方公共団体などとの雇用契約にもとづく「教育」「技人国」「技能(スポーツの指導に限る)」の活動を認める許可の形が、法務省令で決められています。それ以外で、技人国に当たらない仕事をする場合は、勤務先や仕事の内容などを決めて個別に許可を受けることになります。
本来の仕事の合間に、一時的に別の作業を手伝うことがどこまで認められるかは、入管庁の公表資料にはっきりした基準がありません。主な仕事が技人国に当たらない作業にならないよう気をつけ、迷ったら専門家に相談してください。
外国人社員が役員に昇進して、会社の経営や管理が主な仕事になる場合は、在留資格「経営・管理」への変更を検討してください。時期や手続は個別の事情で変わるので、専門家に相談することをおすすめします。
(出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法施行規則」(19条5項)、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(19条・別表第一の二)、出入国在留管理庁「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の明確化等について」1(2)ウ)
他の在留資格との関係
技人国は対象の仕事が広いので、ほかの在留資格と重なることがあります。主なものを表にまとめました。
| 在留資格 | 技人国との関係 |
|---|---|
| 経営・管理 | 会社の経営・管理の仕事は「経営・管理」に当たるので、技人国の対象から外れます |
| 企業内転勤 | 仕事の内容は技人国と同じです。外国の本店などから期間を決めて転勤する人が対象で、転勤の直前に、外国の事業所で技人国に当たる仕事を続けて1年以上していることが必要です。5年を超える長い在留は、必要性を慎重に審査されます |
| 介護 | 介護福祉士の資格がある人が介護の仕事をする在留資格です。介護福祉士の資格を持っていても、技人国で介護の仕事はできません |
| 医療、法律・会計業務 | 医師・弁護士・税理士など、資格を持つ人が資格のいる仕事をする場合は、それぞれの在留資格です。法律事務所での弁護士の補助業務が技人国で許可された例があります |
| 教育 | 小学校・中学校・高校などの教育機関で教えるのは「教育」です。会社などでの語学の指導は技人国に当たる場合があります |
| 特定活動46号 | 日本の大学卒業などと高い日本語能力が条件で、接客を含む幅広い仕事ができます(前の章を参照) |
(出典:出入国在留管理庁「該当する活動・上陸許可基準について」(入管法別表第一の二)、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」(別表第一)、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」(企業内転勤の項)、出入国在留管理庁「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の明確化等について」別紙3、出入国在留管理庁 Q&A Q39・Q44)
よくある質問
Q1. 中小企業です。2026年4月から何が増えましたか?
カテゴリー3・4の会社なら、すべての申請で「所属機関の代表者に関する申告書」が必要です。主に言語能力を使う対人業務の場合は、言語能力(B2相当)の資料も必要です。
Q2. エンジニアでも日本語能力試験の証明が必要ですか?
主に言語能力を使って人と接する仕事でなければ、原則として必要ありません。ただし、申請の内容によって提出を求められることがあります。
Q3. 更新のときも日本語の証明が必要ですか?
前から同じ仕事を続けているなら、原則として必要ありません。転職や仕事内容の変更で、言語能力を使う仕事が中心になった場合は必要です。
Q4. 特定技能で働いた経験は、技人国の実務経験になりますか?
なりません。技能実習や特定技能の経験だけでは、技人国の「実務経験」として扱われません。
Q5. 外国の専門学校を卒業しました。技人国は取れますか?
外国の専門学校の卒業は、学歴の要件に当たりません。大学の卒業や10年以上の実務経験など、ほかの要件に当たるかを確認してください。個別の事情で結論が変わるので、専門家に相談することをおすすめします。
Q6. 家族を日本に呼べますか?
技人国の人は、扶養する配偶者と子を「家族滞在」で呼べる場合があります。
→ 家族滞在
Q7. 派遣社員として働く場合の注意点は?
申請のときに派遣先が決まっていることが前提です。在留期間は、派遣契約の期間に応じて決まります。
(出典:出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」、出入国在留管理庁 Q&A Q28・Q29・Q35・Q41・Q42、出入国在留管理庁「在留資格『家族滞在』」、出入国在留管理庁「派遣形態で就労する場合の取扱いについて」)
まとめ
- 技人国は、専門的な知識や外国の文化にもとづく感受性を使う仕事のための在留資格です。在留期間は5年・3年・1年・3月です。
- 要件は、①仕事が技人国に当たること、②関連する学歴か実務経験(技術・人文知識は10年、国際業務は3年)、③日本人と同じ額以上の報酬です。
- 2026年4月15日以降の申請から、カテゴリー3・4の会社は代表者に関する申告書が必要です。主に言語能力を使う対人業務なら、B2相当の言語能力の資料も必要です。
- 派遣で働く場合は、申請のときに派遣先が決まっていることが前提です。
- 審査は、変更で平均72.9日(2026年7月許可分)かかっています。4月入社なら早めに準備してください。
- 自分の会社のカテゴリーと仕事の内容で何を出せばよいか迷ったら、地方入管か専門家に相談してください。
記事作成で参照した一次情報
- 出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」
- 出入国在留管理庁「所属機関の代表者に関する申告書(参考様式)」
- 出入国在留管理庁「提出書類チェックシート(認定・カテゴリー3・4のみ)」
- 出入国在留管理庁「提出書類チェックシート(変更・カテゴリー3・4のみ)」
- 出入国在留管理庁「提出書類チェックシート(更新)」
- 出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』をもって派遣形態で就労する場合の取扱いについて」(令和8年7月)
- 出入国在留管理庁「該当する活動・上陸許可基準について」
- 出入国在留管理庁「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の明確化等について」(最終改定令和8年4月)
- 同 本文、別紙1(実務研修)、別紙3(許可・不許可事例)、別紙4(言語能力を用いる対人業務)
- 出入国在留管理庁「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(令和8年7月)
- 出入国在留管理庁「一定の条件を満たす企業等について」
- 出入国在留管理庁「情報処理技術に関する試験・資格(IT告示)」
- 出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」
- 出入国在留管理庁「在留審査処理期間(令和8年7月許可分)」
- 出入国在留管理庁「就労資格証明書交付申請」
- 出入国在留管理庁「就労資格証明書(入管法第19条の2)」
- 出入国在留管理庁「所属(契約)機関に関する届出」
- 出入国在留管理庁「在留期間の満了日までに申請した場合の特例期間について」
- 出入国在留管理庁「在留資格『家族滞在』」
- 厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」
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