特定技能の所属機関のカテゴリーとは?1〜4の判定と省略できる提出書類

特定技能の所属機関のカテゴリーとは?1〜4の判定と省略できる提出書類
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この記事の監修者:安藤祐樹
申請取次行政書士
きさらぎ行政書士事務所代表。20代の頃に海外で複数の国を転々としながら農業や観光業などに従事し、多くの外国人と交流する。その経験を通じて、帰国後は日本で生活する外国人の異国での挑戦をサポートしたいと思い、行政書士の道を選ぶ。現在は入管業務を専門分野として活動中。愛知県行政書士会所属(登録番号22200630号)

特定技能の「カテゴリー1〜4」は、外国人を雇う会社(所属機関)を4つに分けた区分で、主に許可される在留期間の上限に関わります。一方、申請のときに会社の書類(第2表)を省略できるかは、カテゴリーとは別の基準で決まります。基準は「同じ年度にすでに特定技能の外国人を受け入れているか」と「一定の実績があり適正な受入れが見込まれる機関か」です。

この記事では、2つの物差しの違い、自社のカテゴリーの確かめ方、申請の種類ごとに省略できる書類、省略するときの注意点を、会社の担当者と登録支援機関の方向けに整理します。会社から「うちはカテゴリー4なので在留期間は1年」と言われた外国人の方にも、仕組みを知る手がかりになります。

この記事の内容は、2026年10月17日に出入国在留管理庁(入管庁)の提出書類一覧表(第1表は令和8年10月9日改定)、特定技能外国人の受入れに関する運用要領、入国・在留審査要領 第12編(情報公開請求による開示資料)で確認したものです。在留期間の決まり方の詳しい説明は、特定技能1号の在留期間はどう決まる?会社のカテゴリー別の上限と、1か月の差で変わる手数料をご覧ください。

Table of Contents

「カテゴリー」と「書類を省略できる会社」は別の物差し

結論から言うと、カテゴリーは在留期間の上限を決める場面の区分、書類の省略は運用要領と提出書類一覧表の「一定の基準」で決まります。名前が似ていて条件も重なりますが、別のものとして確かめてください。

比べる点カテゴリー1〜4書類を省略できる「一定の基準」
書いてある資料入国・在留審査要領 第12編(入管の内部の審査基準)特定技能外国人の受入れに関する運用要領、提出書類一覧表
何に関わるか許可される在留期間の上限会社の書類(第2表)と、第1表の一部の書類の省略
条件の中心指導勧告・改善命令の有無、電子申請・届出の誓約、上場などの類型、債務超過の有無、法人か個人事業主か同じ年度に受け入れ済みか、又は「指導勧告・改善命令なし+オンライン申請・電子届出で行う+上場などの類型」
電子申請の扱い電子申請・電子届出を活用することを誓約(登録支援機関に支援を委託していれば、登録支援機関も誓約)在留諸申請をオンライン申請、各種届出を電子届出で実際に行う

カテゴリー1と書類省略(第2表の1)は、上場企業などの類型がほぼ同じです。ただし、書類省略はオンライン申請・電子届出で実際に行うことが条件です。運用要領は、利用者登録が済んでいないと一定の基準を満たせず、省略が認められない場合があるとしています。

なお、技術・人文知識・国際業務などの在留資格の申請にも「カテゴリー1〜4」があります。こちらは提出書類を分けるための区分で、基準も特定技能とは違います。ほかの在留資格のカテゴリーの説明を、特定技能に当てはめないでください。

(出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領(本体)」、出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」、入国・在留審査要領 第12編(令和8年版、情報公開請求による開示資料))

カテゴリー1〜4の判定基準

カテゴリーは、審査要領で次のように分けられています。カテゴリー1から順に当てはめ、当たらなければ次のカテゴリーを見ます。

カテゴリー当たる機関(要約)
カテゴリー1過去3年間に指導勧告書の交付・改善命令処分を受けておらず、電子申請・電子届出を活用することを誓約している機関で、次のどれかに当たるもの:①日本の証券取引所に上場している企業 ②保険業を営む相互会社 ③イノベーション創出企業 ④一定の条件を満たす企業等 ⑤前年分の源泉徴収税額が1,000万円以上の団体・個人 ⑥特定技能所属機関として3年間の継続した受入れ実績があり、過去3年間に債務超過となっていない法人
カテゴリー2カテゴリー1・4のどちらにも当たらず、過去3年間に指導勧告書の交付・改善命令処分を受けておらず、過去3年間に債務超過となっていない機関(このほかに公表されていない要件が1つある)
カテゴリー3法人で、カテゴリー1・2・4のどれにも当たらない機関
カテゴリー4カテゴリー1・2に当たらない個人事業主。又は、カテゴリー1に当たらない法人で、過去3年間に指導勧告書の交付・改善命令処分を受けているものなど(このほかに公表されていない要件がある)

開示された審査要領では、カテゴリー2とカテゴリー4の要件の一部が黒塗り(不開示)です。このため、自社がカテゴリー2か3かは、公表されている資料だけでは確定できない場合があります。 迷うときは、登録支援機関や行政書士等の専門家に相談してください。

審査要領は、2つの言葉の意味も決めています。

  • 過去3年間:申請の3年前に当たる日から、申請日までの期間です。
  • 3年間の継続した受入れ実績:申請日に、特定技能の外国人1人が同じ会社と3年以上雇用契約を続けている場合です。また、3年に満たない複数の人の雇用契約が、途切れずに全体として3年以上続いている場合も当たります。

(出典:入国・在留審査要領 第12編(令和8年版、情報公開請求による開示資料))

自社のカテゴリーを確かめる手順

自社の状況は、次の順番で確かめると整理しやすくなります。ここで確かめたことは、書類の省略(次の見出し)の判断にもそのまま使えます。

  1. 過去3年間に、指導勧告書の交付や改善命令処分を受けていないか。 受けている法人は、カテゴリー4に当たる可能性があります。
  2. 6つの類型のどれかに当たるか。 上場企業・保険業の相互会社、イノベーション創出企業、一定の条件を満たす企業等、源泉徴収税額1,000万円以上、3年間の継続した受入れ実績(債務超過なし)です。
  3. 電子申請・電子届出を使うか。 カテゴリー1は活用の誓約が要件です。書類の省略には、オンライン申請・電子届出で実際に行うことが必要です。
  4. 当たらない場合は、過去3年間の債務超過の有無と、法人か個人事業主かで、カテゴリー2〜4のどれに近いかを見ます。

「一定の条件を満たす企業等」の11の認定

類型の「一定の条件を満たす企業等」は、入管庁が次の11の認定・登録などを挙げています。どれかを受けていれば、この類型に当たります。証明には、認定証の写しなどを使います。

所管認定・登録など
厚生労働省ユースエール認定、くるみん・プラチナくるみん認定、えるぼし・プラチナえるぼし認定、安全衛生優良企業、職業紹介優良事業者、製造請負優良適正事業者(GJ認定)、優良派遣事業者
経済産業省健康経営優良法人、地域未来牽引企業
国土交通省空港管理規則上の第一類構内営業者・第二類構内営業者
消費者庁内部通報制度認証(自己適合宣言登録制度)登録事業者

源泉徴収税額と3年の受入れ実績の確かめ方

源泉徴収税額1,000万円以上は、前年分の「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」のうち、給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額で確かめます。書類を省略するときは、この合計表の写しを出します。数字は経理の担当者や税理士に確認してください。

3年間の継続した受入れ実績で書類を省略するときは、3年間受け入れている(又は受け入れていた)特定技能の外国人の「申請年月日と受付番号」又は「申請年月日と在留カード番号」を書きます。過去の申請の控えを保管しておくと、準備が楽になります。初めて特定技能の外国人を受け入れる会社は、この類型は使えません。

会社の書類(第2表)をどこまで出すかの判定の流れ。1. 更新か、2. 同じ年度に受け入れ済みか、3. 指導勧告なし・オンライン申請と電子届出・6つの類型の3つに当たるか、の順に確かめる図
会社の書類(第2表)をどこまで出すかの判定の流れ。1. 更新か、2. 同じ年度に受け入れ済みか、3. 指導勧告なし・オンライン申請と電子届出・6つの類型の3つに当たるか、の順に確かめる図
出典:編集部作成(出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』」の提出書類一覧表と特定技能外国人の受入れに関する運用要領(本体)をもとに作成)

上の図は、書類の省略を判断する順番です。図の1〜3を上から順に確かめ、「はい」になったところで出す書類が決まります。

(出典:出入国在留管理庁「一定の条件を満たす企業等について」、出入国在留管理庁「所属機関に関する必要書類(一定の実績があり適正な受入れが見込まれる機関)第2表の1」、入国・在留審査要領 第12編(令和8年版、情報公開請求による開示資料))

省略できる提出書類:申請の種類と会社の状況で変わる

会社の書類(第2表)をどこまで出すかは、申請の種類と会社の状況で決まります。在留期間の更新では第2表そのものが要りません。認定(海外から呼ぶ)と変更(ほかの在留資格から特定技能に変わる、又は転職する)では、次の表のとおりです。

申請の種類と会社の状況会社の書類(第2表)第1表の一部の書類(報酬・賃金規程・雇用の経緯・職業紹介)
認定・変更:同じ年度にすでに特定技能の外国人を受け入れている提出不要省略できる
認定・変更:一定の実績があり適正な受入れが見込まれる機関(第2表の1)第2表の1(当たることの証明+誓約書)省略できる
認定・変更:上のどちらにも当たらない第2表の2(法人)又は第2表の3(個人事業主)出す
更新不要更新用の第1表には、もともと載っていない

第1表で省略できる4つの書類

令和8年10月9日改定の第1表(認定用・変更用)では、次の4つに「同一年度内に既に受け入れている機関又は一定の実績があり適正な受入れが見込まれる機関は省略可」と書かれています。

  • 特定技能外国人の報酬に関する説明書(参考様式第1-4号)
  • 賃金規程の写し(賃金規程で報酬を決めた場合)
  • 雇用の経緯に係る説明書(参考様式第1-16号)
  • 職業紹介事業者の画面を印刷したもの(あっせんした人がいる場合)

申請書、雇用契約書・雇用条件書、健康診断の書類、支援計画書、分野ごとの書類(第3表)などは、省略の対象ではありません。雇用契約書の書き方は特定技能1号の雇用契約書・雇用条件書・賃金の支払|記入例と手当・控除などの注意点で説明しています。

第2表の1で出すもの

一定の実績がある機関として省略するときは、第2表の2・3の代わりに、類型に当たることを示す書類と「書類省略に当たっての誓約書」(参考様式第1-29号)を出します。

類型出す書類
上場企業・保険業の相互会社四季報の写し、又は上場を証明する文書の写し
イノベーション創出企業対象企業であることを証明する文書(補助金交付決定通知書の写しなど)
一定の条件を満たす企業等証明する文書(認定証の写しなど)
源泉徴収税額1,000万円以上前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の写し
3年間の継続した受入れ実績特定技能所属機関概要書(参考様式第1-11-1号。「2 決算状況」以外は省略可)と、過去の申請の申請年月日・受付番号など

出せる書類がない場合は、第2表の2又は3の書類を出します。

省略しないときに出すもの(第2表の2・3)

法人の第2表の2には、主に次の書類があります。省略できると、これらの準備が要らなくなります。

  • 特定技能所属機関概要書(参考様式第1-11-1号)
  • 自社で支援する場合の体制の書類(受け入れた中長期在留者のリスト、支援責任者・支援担当者の履歴書など。支援計画書との関係は特定技能1号の支援計画書の書き方|全部委託・自社支援の記載例で欄ごとに解説)
  • 登記事項証明書、業務執行に関与する役員の住民票の写し
  • 役員に関する誓約書(参考様式第1-23号。受入れの業務に関与しない役員がいる場合)
  • 労働保険料等納付証明書、社会保険料納入状況回答票(又は24か月分の保険料の領収証書の写し)、納税証明書(その3)、直近2年度分の法人住民税の納税証明書

個人事業主の第2表の3も、住民票の写しや労働保険・健康保険・年金・税の書類など、同じ考え方の書類が並んでいます。特定技能2号の一覧表も、同じ年度の受入れによる提出不要と、第2表の1の条件は同じ書き方です。

なお、年1回の定期届出でも、同じような基準で添付書類を省略できます。くわしくは特定技能の届出 年間ガイド|定期届出(4〜5月)と随時届出(14日以内)の全体像をご覧ください。

(出典:出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』」、「特定技能1号」に係る提出書類一覧表 第1表(在留資格認定証明書交付申請用)、同 第1表(在留資格変更許可申請用)、同 第1表(在留期間更新許可申請用)、所属機関に関する必要書類 第2表の1、同 第2表の2(法人)、同 第2表の3(個人事業主))

書類を省略するときの注意点

書類の省略は便利ですが、条件を満たしていないと、かえって申請が遅れることがあります。運用要領は、次の点に注意するよう書いています。

  • 利用者登録は早めに。 オンライン申請・電子届出には、事前の利用者登録が必要です。登録の完了までには一定の期間がかかります。運用要領は、オンライン申請や電子届出の提出期限の3か月前には利用者登録を申請するよう求めています。
  • 派遣雇用は省略できない場合がある。 派遣の形で雇う場合、会社の派遣認定期間の満了日が、本人の今の在留期間の満了日(認定の申請では申請日)から7月以内なら、書類の省略は認められません。
  • 省略しても求められたら出す。 地方出入国在留管理局から必要に応じて求められた場合は、省略した書類も提出が必要です。

「同じ年度」の数え方(どの申請・届出で受け入れていればよいか)について、入管庁の資料にはくわしい説明が見当たりません。判断に迷うときは、申請先の地方出入国在留管理局に確認してください。

転職してくる人を受け入れる場合も、新しい会社の状況で第2表を判断します。転職の手続の流れは特定技能の転職手続き|在留資格変更の流れと審査期間、申請中は働ける?で説明しています。

(出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領(本体)」)

カテゴリーで変わること:在留期間の上限

審査要領では、カテゴリーによって、特定技能1号で許可される在留期間の上限の考え方が分けられています。認定・変更では、法人のカテゴリー1〜3は最長2年、カテゴリー4は最長1年とされています。更新では、法人のカテゴリー1〜3は最長3年、カテゴリー4は最長1年とされています。個人事業主は、カテゴリー1・2では法人より短く、カテゴリー4では法人と同じ1年です(カテゴリー3は法人だけの区分です)。

カテゴリー認定・変更(法人)認定・変更(個人事業主)更新(法人)更新(個人事業主)
カテゴリー12年1年3年2年
カテゴリー22年1年3年1年
カテゴリー32年個人事業主はカテゴリー3の対象外3年個人事業主はカテゴリー3の対象外
カテゴリー41年1年1年1年

実際に許可される期間は、雇用契約の期間や、通算5年のうち残っている期間でも変わります。くわしくは特定技能1号の在留期間はどう決まる?会社のカテゴリー別の上限と、1か月の差で変わる手数料をご覧ください。

(出典:入国・在留審査要領 第12編(令和8年版、情報公開請求による開示資料))

よくある質問

Q. 初めて特定技能の外国人を受け入れる会社でも、カテゴリー1になれますか? 上場企業、一定の条件を満たす企業等、源泉徴収税額1,000万円以上などの類型に当たり、指導勧告・改善命令がなく、電子申請・電子届出の活用を誓約していれば、当たる可能性があります。3年間の継続した受入れ実績の類型は使えません。(根拠:審査要領 第12編)

Q. 源泉徴収税額1,000万円は、どこで確かめますか? 前年分の「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」の、給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額で確かめます。(根拠:第2表の1、運用要領)

Q. 同じ年度に2人目を申請するときは、会社の書類は要りませんか? 認定・変更の申請では、同じ年度にすでに特定技能の外国人を受け入れている会社は、第2表の書類は提出不要です。ただし、入管から求められたら出します。(根拠:提出書類一覧表、運用要領)

Q. 更新のときに会社の書類は要りますか? 在留期間の更新では、第2表は要りません。第1表(申請書を含む)と第3表(分野の書類)は出します。(根拠:入管庁 特定技能のページ)

Q. 会社のカテゴリーは、入管から知らせてもらえますか? 入管庁の公表資料には、会社にカテゴリーを知らせる仕組みについての説明は見当たりません。この記事の手順で自社の状況を確かめ、迷うときは専門家に相談してください。

まとめ

  • 特定技能の「カテゴリー1〜4」は、主に在留期間の上限に関わる会社の区分です。書類の省略は、運用要領と提出書類一覧表の「一定の基準」で決まります。
  • カテゴリーは、指導勧告・改善命令の有無、6つの類型、電子申請の誓約、債務超過、法人か個人事業主かの順に確かめます。一部の要件は公表されていません。
  • 認定・変更では、同じ年度に受け入れ済みなら第2表は提出不要、一定の実績がある機関なら第2表の1と誓約書で足ります。更新では第2表は要りません。
  • 省略には、オンライン申請・電子届出の利用者登録が必要です。派遣の例外や、入管から求められたら出すことにも注意してください。自社の場合に迷うときは、専門家に相談してください。

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