特定技能の転職手続き|在留資格変更の流れと審査期間、申請中は働ける?

特定技能の転職手続き|在留資格変更の流れと審査期間、申請中は働ける?
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この記事の監修者:安藤祐樹
申請取次行政書士
きさらぎ行政書士事務所代表。20代の頃に海外で複数の国を転々としながら農業や観光業などに従事し、多くの外国人と交流する。その経験を通じて、帰国後は日本で生活する外国人の異国での挑戦をサポートしたいと思い、行政書士の道を選ぶ。現在は入管業務を専門分野として活動中。愛知県行政書士会所属(登録番号22200630号)

特定技能の人が別の会社に移るときは、そのたびに「在留資格変更許可申請」が必要です。届出だけでは転職できません。許可が出るまでは、新しい会社で働くことはできません。審査の標準処理期間は1か月〜2か月です。手数料は許可される在留期間で決まり、1年なら窓口で33,000円です(2026年10月1日以降の受付分)。

転職先の会社・登録支援機関、転職元の会社、本人のそれぞれがすること(申請・届出・注意点)を、順番に整理します。

この記事の内容は、2026年10月7日に出入国在留管理庁(入管庁)の資料で確認したものです。

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結論:特定技能の転職には在留資格変更許可が必要

特定技能の人が会社を変えるときは、在留資格変更許可を受けなければなりません。特定技能1号も2号も同じです。

理由は、在留カードと一緒に渡される「指定書」にあります。指定書には、働くことができる会社(所属機関)の名前と住所、そして分野(特定産業分野)が書かれています。会社や分野を変えるには、この指定を変える許可が必要になります。

ほかの就労の在留資格とは、ここが違います。たとえば「技術・人文知識・国際業務」では、会社を変えても届出で足りる場合があります(技術・人文知識・国際業務の転職と届出の解説)。特定技能では、会社を変えるたびに許可が要ります。

同じ会社のまま仕事の内容を変える場合は、扱いが違います。

  • 同じ分野の中で仕事を変える:雇用契約の変更の届出
  • 別の分野の仕事に変える:在留資格変更許可申請

(出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」p.11〜13・107、出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q13・Q36・Q42、出入国在留管理庁「『特定技能』に係る提出書類一覧表」)

この転職は認められる?分野・業務区分・試験の考え方

転職が認められるのは、新しい仕事に必要な技能を持っていることが確かめられる場合です。分野の中には「業務区分」という細かい区分けがあり、区分ごとに試験があります。政府の基本方針では、転職できるのは「同じ業務区分の中」か「試験などで技能の水準が共通すると確認されている業務区分の間」とされています。

転職のパターン技能の確認手続
同じ分野・同じ業務区分の会社へ追加の試験は不要在留資格変更許可申請
同じ分野・別の業務区分の会社へ新しい業務区分の技能試験の合格、または技能の水準が共通すると確認されている区分どうし在留資格変更許可申請
別の分野の会社へ新しい分野の技能試験の合格と、その分野が求める日本語能力の証明(免除の条件は下の説明を参照)在留資格変更許可申請

技能実習2号を良好に修了した人は、試験が免除される場合があります。技能試験は、技能実習2号の職種・作業と新しい業務に関連性がある場合に免除されます。日本語試験は、関連性がない場合でも免除される場合があります。たとえば、求める日本語の水準が「国際交流基金日本語基礎テスト」か「日本語能力試験(N4以上)」の分野・区分では、原則として職種・作業にかかわらず免除されます。

業務区分の名前や試験は、分野ごとの運用要領(別冊)で決まっています。自分の転職がどれに当たるかは、分野ごとに確かめてください。判断に迷うときは、専門家に相談してください。

転職先の会社にも、守るべき基準があります。報酬が日本人と同等以上であること、分野ごとの協議会に入ることなどです。この点は、特定技能1号の申請ガイドでまとめて説明する予定です。

(出典:出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q13・Q25〜Q27・Q50・Q60、出入国在留管理庁「特定技能運用要領」)

外食業の転職はできる?

できます。外食業分野は、在留者数が受入れ見込数(受入れの上限)を超えることが見込まれたため、2026年4月13日(令和8年)以降に受け付けた「外食業以外からの変更」は、原則として不許可とされています。ただし、外食業分野で特定技能1号として在留している人の転職などに伴う申請は、通常どおり審査されます。

入管庁が2026年9月10日に掲載した審査状況でも、「外食業分野内での転職」は受付日による制限がなく(すべての申請が対象)、通常どおり審査が終わりしだい許可しているとされています。審査の結果は申請ごとに判断されます。状況は変わることがあるので、申請の前に入管庁のページを確認してください。

(出典:出入国在留管理庁「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について」、出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」)

通算5年には転職活動の期間も入る

特定技能1号で日本にいられる期間は、通算で原則5年までです。この5年には、仕事をしていない期間(失業中)や、申請中の特例期間も含まれます。転職の準備に時間がかかると、その分だけ残りの期間が減ります。

(出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」p.25、出入国在留管理庁「通算在留期間」)

転職の流れ:退職から入社までのタイムライン

空白をつくらない基本は、「今の会社で働きながら、変更許可を申請する」ことです。申請中でも、今の会社との雇用契約が続いていれば、今の会社では働けます。

段階転職元の会社転職先の会社・登録支援機関本人
1 転職の相談退職日を本人と話し合う業務区分と試験の要否を確認試験の合格証や在留カードを確認
2 雇用契約―特定技能雇用契約を結び、支援計画をつくる契約の内容を理解して署名。新しい契約の届出(14日以内)
3 書類の準備必要に応じて在職中の証明などに協力提出書類一覧・確認表で書類をそろえる本人の書類をそろえる
4 変更許可の申請―取次の承認がある職員が申請することも可住居地を管轄する入管に申請
5 審査中契約が続いていれば今の会社で勤務許可が出るまで働かせない新しい会社では働かない
6 許可―許可の連絡を本人と確認新しい在留カードと指定書を受け取る
7 退職・入社契約終了の届出(14日以内)入社。以後は所属機関として届出・支援を行う契約終了の届出(14日以内)

退職日と入社日は、審査期間を見込んで決めます。許可が出る前に退職すると、許可までのあいだは収入のない期間になります。

先に退職した場合は、次の点に気をつけてください。

  • 許可が出るまで、新しい会社では働けません。
  • 正当な理由なく、特定技能の活動を3か月以上していないと、在留資格の取消しの対象になり得ます。
  • 仕事をしていない期間も、通算5年に含まれます。

(出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」p.12・106〜108・118、出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q38、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第22条の4)

だれが、どこに申請するか

申請は、本人が住居地を管轄する地方出入国在留管理官署(地方入管)に行います。本人のほか、次の人が取り次ぐこともできます。

  • 申請等取次者として承認を受けた、所属機関の職員や登録支援機関の職員
  • 地方入管に届け出た行政書士・弁護士

取次者が申請するときも、本人は日本にいる必要があります。オンライン申請もできます。

→ 申請等取次者証明書の取り方・更新|申出書と提出書類、登録支援機関が取次できる範囲【改正行政書士法対応】

(出典:出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」、出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q22)

必要書類

必要書類は、入管庁の「特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧・確認表」で確認します。分野ごとの書類もあります。同じ年度のうちに、すでに特定技能外国人を受け入れている会社は、所属機関に関する書類の一部を出さなくてよいとされています。

(出典:出入国在留管理庁「『特定技能』に係る提出書類一覧表」)

審査期間:どのくらいかかるか

在留資格変更許可申請の標準処理期間は、1か月〜2か月です。入社日は、申請から少なくとも2か月以上あけて、余裕をもって決めてください。下の公表値のとおり、平均でも約2か月かかっており、時期によってはさらに長くなります。

入管庁は、在留資格ごとの処理期間を毎月公表しています。2026年10月7日の時点で最新の令和8年7月許可分では、特定技能1号への在留資格変更は次のとおりでした。

区分(令和8年7月許可分)平均日数
審査が終わるまで44.0日
処分(許可の告知)まで59.5日

この数字には、次の点に注意が必要です。

  • 外食業分野の申請を除いて計算されています。
  • 転職だけでなく、技能実習などから特定技能1号への変更も含みます。
  • 追加資料を求められた場合、その提出までの日数も含みます。
  • 例年、4月の就職時期に向けて申請が増え、就労の在留資格の審査が長くなる傾向があると注記されています。

なお、入管庁は技能実習から特定技能に移る人に、就労開始予定日の2か月以上前に申請するよう呼びかけています。転職についての公式の目安ではありませんが、余裕をもって申請する参考になります。

(出典:出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」、出入国在留管理庁「在留審査処理期間」、出入国在留管理庁「在留審査処理期間(日数)令和8年7月許可分」、出入国在留管理庁「技能実習生が『特定技能』に在留資格変更許可申請を行った後、稼働ができなくなるケース」)

審査中に在留期限が来たら

在留期限までに結果が出ないときは、「特例期間」として、そのまま日本にいることができます。特例期間は、結果が出る時か、在留期限から2か月が過ぎる日の終わりの、早いほうまでです。特例期間にできるのは、それまでの活動(今の会社での仕事)だけです。新しい会社では働けません。

(出典:出入国在留管理庁「特例期間とは?」)

申請中に新しい会社で働ける?よくある誤解

働けません。入管庁の運用要領には、在留資格変更許可の申請中は、変更する予定の就労先で働くことは認められないと書かれています。入社前の「アルバイト」として働くこともできません。特定技能の人は、ほかの会社でアルバイトをすることもできないとされています。

許可を受けずに新しい会社で働くと、本人は在留資格の取消しや退去強制の対象になり得ます。働かせた会社も、不法就労助長罪に問われるおそれがあります。不法就労助長罪の法定刑は、3年以下の拘禁刑か300万円以下の罰金(または両方)です。2027年4月1日からは、5年以下の拘禁刑か500万円以下の罰金(または両方)に引き上げられます。

(出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」p.12・118、出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q54、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第73条の2)

会社の都合などで仕事を失った人の特例

会社の倒産や事業の縮小による解雇、ハラスメントなど、やむを得ない事情で働けなくなった人のための特例があります。条件を満たせば、「特定活動(就労継続支援)」に変更して、試験に合格するまでのあいだ、移る予定の会社で働くことができます。

主な条件は次のとおりです。

  • 働けなくなってから3か月を過ぎても、新しい雇用先が見つかっていない
  • 特定技能1号に移るために、技能試験や日本語試験の合格が必要である
  • 受入れ先の会社が、特定技能外国人を通算1年以上受け入れた実績を持つ

在留期間は1年で、一定の場合に限り2回まで更新できます。詳しい要件は、入管庁のページで確認してください。

(出典:出入国在留管理庁「やむを得ない事情により活動継続が困難な場合(『特定活動』(就労継続支援))」)

会社がする届出:転職元と転職先

転職元と転職先の会社は、それぞれ入管に届け出る必要があります。期限は、いずれも事由が起きた日から14日以内です。

転職元の会社

  • 雇用契約が終わったとき:特定技能雇用契約の終了の届出(参考様式第3-1-2号)
  • 会社の都合で契約を終えるとき:あらかじめ受入れ困難の届出(参考様式第3-4号)。本人の自己都合による退職なら不要
  • 支援を登録支援機関にすべて任せていた場合:委託契約の終了も同じ届出書に書く

本人の責任ではない理由で契約が終わるときは、転職元の会社に義務があります。本人に働き続けたいかを確かめ、希望すればハローワークなどを案内して転職を支援しなければなりません。受入れ困難の届出に付ける説明書(参考様式第5-11号)にも、転職の支援の内容を書きます。

転職の支援をしたあとの報告は、だれが支援しているかで変わります。

  • 自社で支援している場合:支援計画の実施困難に係る届出書(参考様式第3-7号)に、転職支援実施報告書(参考様式第5-12号)を付けて届け出ます。
  • 支援をすべて登録支援機関に委託している場合:会社の届出は不要で、登録支援機関が報告書(参考様式第4-3号)を出します。

転職先の会社

変更許可を受けて受入れが始まると、転職先の会社は特定技能所属機関になります。それからは、随時の届出や定期の届出、1号特定技能外国人への支援(登録支援機関への委託を含む)を行います。

会社の合併・分割・法人化で所属機関が変わる場合も、在留資格変更許可申請が必要です。この場合、契約終了の届出は要りません。

→ 特定技能の届出 年間ガイド|定期届出(4〜5月)と随時届出(14日以内)の全体像

(出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」p.106〜108・117〜118・121〜122)

本人がやること

特定技能で働いている方が転職するときに、自分でしなければならないことです。

  • 許可が出るまで、新しい会社で働かない。 アルバイトもできません。
  • 入管に届け出る。 今の会社との契約が終わったとき、新しい会社と契約したときは、それぞれ14日以内に届け出ます。会社の届出とは別に、本人の届出が必要です。電子届出システム、窓口、郵送で届け出ることができます。
  • 仕事をしない期間に気をつける。 正当な理由なく3か月以上、特定技能の仕事をしていないと、在留資格を取り消されることがあります。仕事をしていない期間も、通算5年に含まれます。
  • 許可のあと、新しい在留カードと指定書を確認する。 指定書に新しい会社の名前が書かれているかを見てください。

届出のやり方は、技術・人文知識・国際業務の転職と届出の解説も参考になります。

(出典:出入国在留管理庁「所属(契約)機関に関する届出」、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第19条の16、出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q38)

費用と、転職後にもらえる在留期間の目安

2026年10月1日以降に受け付けた変更許可は、手数料が「許可される在留期間」で決まります。2026年9月30日までに受け付けた申請は、許可が10月以降でも改定前の6,000円です。

転職(変更)で許可される在留期間は、特定技能1号の場合、会社のカテゴリーなどによって最長2年か最長1年とされています(入国・在留審査要領)。更新では最長3年まであるため、転職のときの期間は短くなりやすいといえます。主な区分の手数料は次のとおりです。

許可される在留期間窓口オンライン
1年33,000円27,000円
1年超3年未満48,000円42,000円

たとえば2年の許可なら「1年超3年未満」の区分です。通算5年の残りが短い人は、さらに短い期間になることがあります。また、入管法の届出(住居地や所属機関の届出など)をしていない人には、4か月が許可されることがあるとされています。届出は期限内に済ませましょう。

→ 【2026年10月〜】ビザ更新・変更の手数料が最大7万5千円に|新しい料金表と払い方

→ 特定技能1号の在留期間はどう決まる?会社のカテゴリー別の上限と、1か月の差で変わる手数料

(出典:出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」、入国・在留審査要領 第12編(令和8年版、情報公開請求による開示資料))

よくある質問

Q1. 同じグループの別の会社に移るときも、申請が必要ですか?

指定書には会社の名前と住所が書かれています。グループ会社でも、雇用契約を結ぶ会社(法人)が変われば、所属機関が変わるため、在留資格変更許可申請が必要と考えられます。個別のケースは、地方入管や専門家に確認してください。

Q2. 転職先が決まる前に辞めてもいいですか?

辞めること自体はできます。ただし、許可が出るまで新しい会社では働けません。3か月以上仕事をしない状態が続くと、在留資格を取り消されることがあります。その期間も通算5年に含まれます。

Q3. 外食業はもう転職できませんか?

外食業分野の中での転職は、通常どおり審査されています(2026年9月10日掲載の審査状況)。外食業以外から外食業への変更は、2026年4月13日以降の受付分は原則不許可です。

Q4. 申請が不許可になったら、どうなりますか?

今の会社との雇用契約が続いていて、在留期限が残っていれば、今の会社で働き続けることができます。一方、審査中に在留期限が過ぎていた(特例期間だった)場合は、結果が出た時点で特例期間が終わります。その場合や在留期限が近い場合は、すぐに専門家に相談してください。

Q5. 特定技能2号でも申請が必要ですか?

必要です。2号も、会社や分野を変えるときは在留資格変更許可を受けなければなりません。

(出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」p.11〜13、出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」Q38、出入国在留管理庁「特定技能1号(外食業分野)の在留諸申請の審査状況」、出入国在留管理庁「特例期間とは?」)

まとめ

  • 特定技能の人が会社を変えるときは、そのたびに在留資格変更許可申請が必要です。届出だけでは転職できません。
  • 許可が出るまで、新しい会社では働けません。今の会社で働きながら申請するのが基本です。
  • 審査の標準処理期間は1か月〜2か月です。入社日は、申請から少なくとも2か月以上あけて決めましょう。
  • 転職元・転職先の会社と本人は、それぞれ14日以内の届出が必要です。
  • 自分の転職が認められるか、いつ申請すればよいか迷ったら、専門家に相談してください。

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きさらぎ行政書士事務所代表。20代の頃に海外で複数の国を転々としながら農業や観光業などに従事し、多くの外国人と交流する。その経験を通じて、帰国後は日本で生活する外国人の異国での挑戦をサポートしたいと思い、行政書士の道を選ぶ。現在は入管業務を専門分野として活動中。愛知県行政書士会所属(登録番号22200630号)

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