特定技能1号で許可される在留期間は、働く会社のカテゴリー、雇用契約の期間、通算5年のうち残っている期間の3つで決まります。1年や3年だけでなく、「11月」や「2年8月」のように1か月単位で決まることもあります。2026年10月から手数料が在留期間ごとの金額になったため、この決まり方は費用にも関わります。
結論:期間は「会社のカテゴリー」「雇用契約」「残りの通算期間」で決まる
特定技能1号の在留期間は、法令で「3年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間」と定められています。決まった選択肢から選ぶのではなく、一人ひとりについて期間が指定されます。
入管の内部の審査基準である「入国・在留審査要領」(以下、審査要領)には、この期間を決めるときの考え方が書かれています。この記事では、そのうち本人と会社の準備に役立つ部分を説明します。審査要領は法令ではなく、改訂されることがあります。また、個別の事情によって違う判断になることもあります。
(出典:出入国管理及び難民認定法施行規則 別表第二(e-Gov法令検索)、入国・在留審査要領 第12編(令和8年版、情報公開請求による開示資料))
会社(所属機関)のカテゴリーとは
審査要領では、特定技能の外国人を雇う会社(特定技能所属機関)を、カテゴリー1〜4に分けています。おおまかには次のような考え方です。
- カテゴリー1:過去3年間に指導勧告書の交付や改善命令処分を受けておらず、電子申請・電子届出を使うことを誓約している会社のうち、上場企業、前年分の源泉徴収税額が1,000万円以上の団体・個人、特定技能の受入れを3年間続けていて債務超過がない法人などです。
- カテゴリー2:カテゴリー1に当たらず、過去3年間に指導勧告書の交付や改善命令処分を受けておらず、債務超過にもなっていない会社などです。
- カテゴリー3:カテゴリー1・2・4のどれにも当たらない法人です。
- カテゴリー4:カテゴリー1・2に当たらない個人事業主や、過去3年間に指導勧告書の交付や改善命令処分を受けた法人などです。
自分の会社がどのカテゴリーに当たるかは、会社や登録支援機関に確認してください。
(出典:入国・在留審査要領 第12編(令和8年版、情報公開請求による開示資料))
付与される最長期間の一覧
カテゴリーと手続の種類によって、許可される在留期間の上限が違います。
| カテゴリー | 認定・変更(法人) | 認定・変更(個人事業主) | 更新(法人) | 更新(個人事業主) |
|---|---|---|---|---|
| カテゴリー1 | 2年 | 1年 | 3年 | 2年 |
| カテゴリー2 | 2年 | 1年 | 3年 | 1年 |
| カテゴリー3 | 2年 | 対象外 | 3年 | 対象外 |
| カテゴリー4 | 1年 | 1年 | 1年 | 1年 |
「認定・変更」は、海外から呼ぶとき(在留資格認定証明書)や、ほかの在留資格から特定技能1号に変わるときです。「更新」は、特定技能1号の在留期間を延ばすときです。つまり、3年の在留期間が出る可能性があるのは、カテゴリー1〜3の法人で働く人の更新です。
また、個人事業主に雇われる場合は、本人の国民健康保険料や国民年金保険料の支払い義務が2年で時効になることを踏まえ、在留期間の上限を2年とする考え方も示されています。
(出典:入国・在留審査要領 第12編(令和8年版、情報公開請求による開示資料))
原則の期間がもらえる条件
上の表の上限(たとえば更新なら3年)が原則として許可されるのは、次の両方に当てはまるときです。
- 雇用契約の期間が、その年数以上続くと見込まれること
- 通算5年のうち残りの期間が、その年数以上あること
審査要領では、「雇用契約の期間がその年数以上続くと見込まれる」かどうかを、次の2つで判断するとしています。
- 申請書に書いた滞在予定期間、または希望する在留期間が、その年数以上であること
- 雇用契約の期間がその年数以上であること(契約書に「自動更新」や「更新する場合があり得る」などの記載がある場合を含む)
つまり、申請書の「希望する在留期間」の書き方も、判断材料の1つになっています。希望する在留期間は、雇用契約の内容と合わせて、会社や専門家と相談して記載を決めましょう。
(出典:入国・在留審査要領 第12編(令和8年版、情報公開請求による開示資料))
11月・2年8月のような期間になるとき
原則の期間に当てはまらない場合は、雇用契約の期間と残りの通算期間から、上限より短い期間が1月単位で決まります。範囲は次のとおりです。
- 上限が3年の場合:4月〜2年11月
- 上限が2年の場合:4月〜1年11月
- 上限が1年の場合:4月〜11月
また、許可したあとに通算5年の残りが6月より短くならないよう、期間を調整する考え方もあります。審査要領には、次のような例が書かれています。
| 許可するときの通算在留期間 | 残りの通算期間 | 決まる在留期間 |
|---|---|---|
| 2年 | 3年 | 3年 |
| 1年10月 | 3年2月 | 2年8月 |
| 4年7月 | 5月 | 5月 |
| 4年10月 | 2月 | 4月 |
1行目は、カテゴリー1〜3の法人で働き、雇用が3年以上続くと見込まれる場合の例です。2行目は、3年にすると残りが2月になってしまうため、残りが6月になる「2年8月」になる例です。
(出典:入国・在留審査要領 第12編(令和8年版、情報公開請求による開示資料))
「4月」になるケース
次のような場合は、上のルールにかかわらず「4月」が許可されることがあります。
- 会社の適格性や、本人の在留状況から、4月とすることが相当なとき
- 職務上の地位、活動の実績、会社の受入れ状況などから、在留状況を4月に1回確認する必要があるとき
- 住居地の届出、所属機関の変更の届出など、入管法上の届出をしていないとき
届出は本人が気をつけることで防げます。引っ越しや転職をしたときは、決められた期限までに届け出ましょう。
(出典:入国・在留審査要領 第12編(令和8年版、情報公開請求による開示資料))
手数料はいくら変わる?
2026年10月1日以降に受け付けた変更・更新の手数料は、許可される在留期間で決まります。この記事で出てきた期間に当てはめると、次のとおりです。
| 許可される在留期間 | 窓口申請 | オンライン申請 |
|---|---|---|
| 4月 | 18,000円 | 15,000円 |
| 11月 | 25,000円 | 21,000円 |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円 |
| 2年8月 | 48,000円 | 42,000円 |
| 3年 | 64,000円 | 56,000円 |
たとえば、オンライン申請で「2年8月」なら42,000円、「3年」なら56,000円です。期間が長いほど1回の手数料は高くなりますが、1年あたりの負担は小さくなります。手数料の全体は在留手数料の改定の記事で説明しています。
本人と会社ができる準備
- 会社のカテゴリーを確認する:上限の期間が分かり、手数料の予算も立てやすくなります。
- 雇用契約書の期間と更新の条項を確認する:契約期間が短く、更新の記載もない場合は、原則の期間にならないことがあります。
- 申請書の「希望する在留期間」は相談して決める:雇用契約の内容と合わない書き方をしないよう、会社や専門家と確認しましょう。
- 届出を忘れない:住居地や所属機関の変更の届出をしていないと、「4月」になることがあります。
- 残りの通算期間を把握する:通算5年のうち、あとどれくらい残っているかで、許可される期間が変わります。
よくある質問
更新で3年をもらえるのはどんな人ですか?
審査要領では、カテゴリー1〜3の法人で働く人の更新で、雇用契約が3年以上続くと見込まれ、通算5年の残りが3年以上ある場合に、原則として3年とする考え方が示されています。ただし、個別の事情で違う判断になることもあります。
自分の会社のカテゴリーはどこで分かりますか?
会社や登録支援機関に確認してください。カテゴリーは、上場しているか、源泉徴収税額、過去の指導勧告や改善命令の有無などで分かれます。
「4月」が許可されたのはなぜですか?
審査要領では、会社や本人の在留状況、在留状況を短い間隔で確認する必要があるか、届出をしているかなどが理由として挙げられています。理由が分からないときは、専門家に相談してください。
まとめ
- 特定技能1号の在留期間は、3年を超えない範囲で一人ひとりに指定されます。
- 審査要領では、会社のカテゴリー、雇用契約の期間、残りの通算期間を見て期間を決める考え方が示されています。
- 申請書の「希望する在留期間」も判断材料の1つです。
- 2026年10月からは、許可される期間で手数料が変わるため、準備がより大切になりました。
自分の場合にどのくらいの期間が見込まれるか、申請書をどう書けばよいか不安なときは、専門家に相談してください。
記事作成で参照した一次情報
- 出入国管理及び難民認定法施行規則 別表第二(e-Gov法令検索)
- 入国・在留審査要領 第12編 在留資格(令和8年版、情報公開請求による開示資料)
- 出入国在留管理庁 在留許可手数料のリーフレット(日本語版)

