特定技能1号の申請では、特定技能雇用契約書(参考様式第1-5号)・雇用条件書(第1-6号)・賃金の支払(第1-6号の別紙1)の3つの書類を、認定・変更・更新のどれでも出します。2026年10月1日改定の提出書類一覧表でも、3つとも「必要」です。どれも、本人が十分に理解できる言語で書き、控除する費用は名目と額をはっきり書きます。
入管庁の参考様式と記載例を使えば、自社で作れます。止まりやすいのは、次の3点です。
- 本人が十分に理解できる言語で書き、本人に署名してもらう
- 雇用条件書と賃金の支払の記載内容が整合するようにする(居住費は支援計画書とも合わせる)
- 控除の額を「適正な額」にし、後で変えると届出になる欄を意識して書く
同じ申請で出す支援計画書の書き方は、別の記事で説明しています。報酬に関する説明書などほかの書類の書き方と、分野ごとの書類は、この記事では扱いません。内容は、2026年10月12日に入管庁の資料で確認したものです。
→ 特定技能1号の支援計画書の書き方|全部委託・自社支援の記載例で欄ごとに解説
まず全体像:3つの書類の関係と、どの申請で作るか
3つの書類は、1組です。契約書が「雇用条件書のとおりに契約する」と約束し、雇用条件書が条件の本体、賃金の支払が賃金の中身を書きます。契約書には期間や賃金の数字を書く欄がないので、数字を確かめるのは、主に雇用条件書と賃金の支払です。
| 書類 | 役割 | 本人の署名 |
|---|---|---|
| 特定技能雇用契約書(第1-5号) | 「別添の雇用条件書に記載された内容に従い」契約すると約束する1枚 | 乙の欄に署名 |
| 雇用条件書(第1-6号) | 期間・場所・業務・時間・休日・休暇・賃金・退職・その他(Ⅰ〜Ⅸ)の本体 | 受取人の欄に署名 |
| 賃金の支払(第1-6号 別紙1) | 雇用条件書Ⅶ賃金の「詳細は別紙のとおり」の中身。手当・控除・手取り | 署名欄はない |
このほか、別紙2があります。同じ会社との有期契約が通算5年を超え、無期契約に変わった後の条件が今と違う場合に使います。
どの申請でも3つの書類を出す
提出書類一覧表の第1表(2026年10月1日改定)では、認定・変更・更新のどれでも、3つの書類の写しが必要です。1年単位の変形労働時間制をとる場合は、本人が理解できる言語を併記した年間カレンダーの写しも出します。運用要領では、労働基準監督署に届け出た協定書の写しも確認の対象です。
他社で働く特定技能の人を採用するときは、変更の申請になります。新しい会社で3つの書類を作ります。
→ 特定技能の転職手続き|在留資格変更の流れと審査期間、申請中は働ける?
分野ごとの書類の例は、次の記事にあります。
→ 特定技能「介護」の必要書類一覧|認定・変更・更新それぞれの添付書類と提出先【2026年版】
様式は入管庁のページから最新版を取る
様式は、入管庁の「特定技能関係の申請・届出様式一覧」にあります。雇用条件書は様式と記載例が別のファイルです。参考様式は必ず使う必要はありません。ただし、別の書式で作るときも、労働関係の法令を守り、申請に必要な項目を入れます。項目が足りないと、直しを求められることがあります。
(出典:出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」、参考様式第1-6号 雇用条件書(記載例)、第1表(認定用、令和8年10月1日改定)、第1表(変更用)、第1表(更新用)、特定技能外国人受入れに関する運用要領)
3つの書類に共通するルール:本人が理解できる言語と署名
3つとも、本人が十分に理解できる言語で書きます。契約書と雇用条件書は、本人が内容を十分に理解したうえで署名していることが必要です。
| 書類 | 言語 | 署名 |
|---|---|---|
| 雇用契約書 | 本人が十分に理解できる言語 | 必要 |
| 雇用条件書 | 本人が十分に理解できる言語 | 必要 |
| 賃金の支払 | 本人が十分に理解できる言語 | 一覧表の要件にない(様式に署名欄もない) |
翻訳様式を使うときの注意
入管庁は、英語と9か国語(ベトナム語・タガログ語・インドネシア語・タイ語・ミャンマー語・カンボジア語・モンゴル語・ネパール語・中国語)の翻訳様式を出しています。
ただし、2026年10月12日に確認した翻訳様式の雇用条件書には、日本語の現行様式のⅨ4「通常の労働者との間の待遇の相違について説明を求めることができる窓口」の欄がありませんでした。翻訳様式を使うときは、日本語の現行様式と項目を見比べ、足りない欄を足してください。
署名の前に説明する
書き終えたら、本人の言語で中身を説明し、そのあとで署名してもらいます。会社名・代表者名・日付・本人の氏名の表記は、3つの書類でそろえます。
様式には、会社側の欄に「捺印」や印の表示があります。一方、様式一覧のページでは、原則として申請書を含む提出書類への押印は不要とされています。社内の決まりで押印するかどうかは、会社で決めてください。
(出典:第1表(認定用、令和8年10月1日改定)、特定技能外国人受入れに関する運用要領、出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」、英語の翻訳様式、参考様式第1-6号 雇用条件書(様式))
特定技能雇用契約書(参考様式第1-5号)の書き方
契約書は、条文がすでに書かれた1枚です。書き込むのは、画像のA 会社名(甲)、B 本人の名前(乙)、E 締結日、F 会社の記名(会社名・代表者の役職と氏名)、G 本人の署名だけです。

出典:出入国在留管理庁「参考様式第1-5号 特定技能雇用契約書」
Cの一文で「別添の雇用条件書に記載された内容に従い」契約するとしているので、期間・時間・賃金などの条件は、契約書ではなく雇用条件書に書きます。契約書には、期間や賃金などの数字を書く欄はありません。Dの条文は書き換えません。条文には、次のことが書かれています。
- 許可(上陸許可や在留資格変更許可など)を受けた日から1か月以内で、双方が合意した日から働き始める
- 雇用条件書の雇用契約期間は、実際に働き始める日に合わせて変わる
- 在留資格の審査の結果を、会社と本人で共有する
- 契約を更新せずに期間が終わったとき、または本人が在留資格を失ったときに、契約が終わる
- 契約書と雇用条件書を2部作り、会社と本人が1部ずつ持つ
雇用条件書Ⅰの期間は、申請の時点の予定で書きます。運用要領では、入国の延期などで働き始める日が変わっても、雇用契約期間が変わらなければ届出は要らないとされています。
(出典:参考様式第1-5号 特定技能雇用契約書、特定技能外国人受入れに関する運用要領)
雇用条件書(参考様式第1-6号)の欄ごとの書き方
雇用条件書の欄は、「会社の情報に置き換える欄」と「会社が判断して決める欄」に分かれます。判断して決めた内容は、あとで変えると入管への届出が要る場合があります。
| 欄 | 置き換える欄 | 判断が要る欄 | 後で変えると届出になる例 |
|---|---|---|---|
| Ⅰ 雇用契約期間 | 期間、入国予定日 | 更新の有無と判断基準、更新上限 | 期間を短くする、更新の判断基準を変える |
| Ⅱ 就業の場所 | 事業所名・所在地・連絡先 | 変更の範囲 | 事業所を変える(連絡先だけの変更を除く) |
| Ⅲ 業務の内容 | 分野・業務区分 | 変更の範囲 | 同じ分野の中で業務区分を変える |
| Ⅳ 労働時間等 | 始業・終業、休憩 | 変形労働時間制・交代制、所定時間・日数 | 1年単位の変形労働時間制の採用・廃止、所定時間・日数の変更(年間所定労働日数を減らす場合を除く) |
| Ⅴ 休日 | 曜日・祝日 | 年間合計休日日数 | 年間休日を減らす |
| Ⅵ 休暇 | 年次有給休暇の日数 | その他の休暇 | 休暇日数を減らす、休暇を廃止する |
| Ⅶ 賃金 | 締切日・支払日 | 基本賃金、手当、割増率、控除、昇給・賞与・退職金 | 基本賃金・手当の減額、控除の追加など |
| Ⅷ 退職 | 届け出る日数 | - | 変更するときはどれも届出 |
| Ⅸ その他 | 保険、健康診断、窓口 | 定期健康診断の間隔 | 健康診断の間隔を1年を超える期間にする |
様式の1ページ目には、画像のA 本人の氏名(宛名)、B 会社の情報と、Ⅰ〜Ⅳの欄があります。赤い枠のⅠ〜Ⅳは、上の表の欄と同じです。

出典:出入国在留管理庁「参考様式第1-6号 雇用条件書(様式)」
Ⅰ 雇用契約期間
日本にすでにいる人は、入国予定日を書く必要はありません。「更新する場合があり得る」を選んだら、更新の判断基準にも印を付けます。更新上限の有無も書きます。同じ会社との有期契約が通算5年を超える場合は、無期契約に変わった後の条件が変わるかを書き、変わるなら別紙2を使います。
Ⅱ 就業の場所・Ⅲ 業務の内容
就業の場所には、受入れ機関の事業所を書きます。働く場所が複数あるときは、主な場所をはっきり書いたうえで、全部を書きます。派遣の形で雇えるのは、農業と漁業の分野だけです。
業務は、分野と業務区分を、分野ごとの運用要領の名前どおりに書きます。分野そのものが変わる場合は、届出ではなく在留資格変更許可申請が要ります。
両方の欄にある「変更の範囲」は、将来、働く場所や業務が変わり得るかを書く欄です。厚生労働省は、2024年4月から、労働契約を結ぶときに就業場所・業務の変更の範囲を明示するルールにしました。変わる可能性がなければ「変更の可能性なし」に印を付けます。
Ⅳ 労働時間等・Ⅴ 休日・Ⅵ 休暇
2ページ目は、Ⅳの続きからⅧまでです。画像の赤い枠は、Ⅳ3・4の所定労働時間数・日数、Ⅴ1の年間合計休日日数、Ⅵ3の一時帰国休暇、Ⅶ1・2の基本賃金・諸手当、Ⅶ3の割増賃金率、Ⅶ7の控除の有無です。どれも、下で説明する欄です。このうちⅣ3・4とⅦの欄は、賃金の支払(別紙1)の記載とも関わります。

出典:出入国在留管理庁「参考様式第1-6号 雇用条件書(様式)」
所定労働時間は、会社でフルタイムで働く人と同じにします。運用要領では、フルタイムは原則として、週5日以上かつ年間217日以上働き、週の労働時間が30時間以上であることです。
1年単位の変形労働時間制をとる場合は、年間カレンダーと協定書の写しを付けます。年間合計休日日数は、Ⅳの年間所定労働日数と合わせて確かめます。
Ⅵ3の一時帰国休暇の一文は、消さずに残します。運用要領では、本人から一時帰国の申出があったときに、必要な有給または無給の休暇を取らせることを、契約で定めることとされています。家族が「短期滞在」で来日したときは、滞在中に有給休暇を取れるよう配慮が必要です。
Ⅶ 賃金・Ⅷ 退職・Ⅸ その他
Ⅶ賃金の基本賃金と手当の名前は、賃金の支払(別紙1)と同じにします。割増賃金率、締切日・支払日・支払方法も書きます。控除があるときは「有」にして、中身を別紙1に書きます。昇給・賞与・退職金は、「有」にするなら、実際に続けられる内容にします。後で「無」にすると届出が要るからです。
Ⅸには、社会保険・労働保険、雇入れ時と初回の定期健康診断の時期、窓口の部署・担当者・連絡先を書きます。本人が帰国旅費を払えないときに会社が負担する一文も、残します。
3ページ目の画像で、Ⅸが保険と健康診断、Ⅸ4が待遇の相違について説明を求めることができる窓口(翻訳様式にない欄)、Ⅸ6が帰国旅費の一文です。本人は、その下の受取人の欄に署名します。

出典:出入国在留管理庁「参考様式第1-6号 雇用条件書(様式)」
記載例を下書きにするときの注意
雇用条件書の記載例は2019年の日付の例で、現行の様式と表記が違う所があります。例えば、記載例のⅡとⅢの「(雇入れ直後)」は、現行の様式にはありません。記載例を見ながら書くときも、現行の様式に書いてください。
(出典:参考様式第1-6号 雇用条件書(様式)、参考様式第1-6号 雇用条件書(記載例)、特定技能外国人受入れに関する運用要領、厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わりました」)
賃金の支払(別紙1)の書き方:手当・控除と手取り
賃金の支払には、上から順に、1基本賃金、2諸手当、3支払概算額、4控除、5手取りを書きます。画像の赤い枠の番号は、様式の番号と同じです。2(e)は固定残業代がある場合の欄、4は控除を項目ごとに書き、合計も書く欄です。

出典:出入国在留管理庁「参考様式第1-6号 雇用条件書(別紙1 賃金の支払)」
1 基本賃金と2 諸手当
月給や日給のときは、1時間当たりの金額も書きます。日給や時間給のときは、1か月当たりの金額も書きます。
諸手当は、手当ごとに額と計算方法を書きます。手当の名前は、雇用条件書Ⅶ2と同じにします。
固定残業代がある場合は、記載例の注意書きのとおり、次の3つを明示します。
- 固定残業代を除いた賃金の額
- 何時間分の時間外労働に当たるか、金額の計算方法
- その時間を超えた時間外労働には、割増賃金を追加で払うこと
固定残業代の計算に使う時間単価には、入れない手当があります。労働基準法と施行規則では、家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当・臨時に支払われた賃金・1か月を超える期間ごとに支払われる賃金は、割増賃金の基礎に入れません。
3 支払概算額・4 控除・5 手取り
支払概算額は、1と2の合計です。控除には、税金・社会保険料・雇用保険料・食費・居住費・水道光熱費などを、項目ごとに書きます。記載例では、どの項目でいくら引かれるかを本人に説明するための欄とされています。手取りは、支払概算額から控除の合計を引いた額です。様式の注記どおり、欠勤などがない場合の額で、時間外労働の割増賃金などは入れません。固定残業代は2の手当なので、支払概算額と手取りに入ります。
運用要領では、給与から定期的に費用を引く場合は、雇用条件書に控除する費用の名目と額をはっきり書くこととされています。
控除の「適正な額」
食費・居住費・水道光熱費は、運用要領で「適正な額」の考え方が示されています。
| 費用 | 運用要領の考え方 |
|---|---|
| 食費(食材・弁当などの現物) | 買うのにかかった額以内 |
| 食費(社員食堂) | ほかの従業員から取る額以内 |
| 食費(会社が調理して出す) | 材料費・水道光熱費・人件費などを、食事を受ける人数で割った額以内 |
| 居住費(会社が持つ物件) | 建設・改築などの費用、耐用年数、入居人数などから出した合理的な額 |
| 居住費(借り上げた物件) | 借りるための費用(管理費・共益費を含む)を、入居する特定技能外国人の人数で割った額以内 |
| 水道光熱費 | 実際の費用を、一緒に住む人(会社の人や家族を含む)の人数で割った額以内 |
借り上げた物件の敷金・礼金・保証金・仲介手数料・更新手数料・途中解約金などは、本人に負担させられません。居住費が高いと、適正な額かどうかについて追加の説明を求められることがあります。
居住費の額は、支援計画書の住居の欄と同じにします。審査要領では、支援計画書の居住費の額と、賃金の支払の控除の居住費の額が同じかを確認すると定められています。支援計画書の居住費の書き方は、次の記事で説明しています。
→ 特定技能1号の支援計画書の書き方|全部委託・自社支援の記載例で欄ごとに解説
帰国旅費のための積み立てを給与から引くことは、運用要領で認められないとされています。控除の項目に入れないでください。
(出典:参考様式第1-6号 雇用条件書(様式・別紙1)、参考様式第1-6号 雇用条件書(記載例)、特定技能外国人受入れに関する運用要領、労働基準法(e-Gov)、労働基準法施行規則(e-Gov))
提出前の見直し:雇用条件書と賃金の支払の記載内容を整合させる
出す前に、雇用条件書と賃金の支払の記載内容が整合しているかを確かめます。雇用条件書には所定労働時間・日数や基本賃金の額、手当の名前、控除の有無などを書き、手当の額や控除の中身、手取りは賃金の支払に書きます。雇用契約書には期間や賃金などの数字の欄がないので、見直しの対象になりません。次の例は、説明のための仮の数字です。税金や社会保険料は、実際には本人の条件で計算してください。
計算の例(仮の数字)
- 1日8時間、週5日、年間所定労働日数252日、年間休日113日
- 月給210,000円、皆勤手当8,400円、通勤手当6,000円
- 固定残業代は20時間分
- 特定技能外国人3人だけで住む借り上げの部屋(家賃・共益費75,000円)、水道光熱費は月15,000円
| 確かめること | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 年間の日数 | 252日+113日 | 365日 |
| 週・年の所定時間 | 8時間×5日/8時間×252日 | 週40時間/年2,016時間 |
| 月の所定時間 | 2,016時間÷12 | 168時間 |
| 1時間当たりの金額 | 210,000円÷168時間 | 1,250円 |
| 割増賃金の時間単価の基礎 | (210,000円+8,400円)÷168時間 | 1,300円(通勤手当は入れない) |
| 固定残業代 | 1,300円×1.25×20時間 | 32,500円 |
| 支払概算額 | 210,000円+8,400円+6,000円+32,500円 | 256,900円 |
| 居住費 | 75,000円÷入居する特定技能外国人3人 | 25,000円以内 |
| 水道光熱費 | 15,000円÷一緒に住む3人 | 5,000円以内 |
| 控除の合計 | 税金6,000円+社会保険料37,000円+雇用保険料1,400円+居住費25,000円+水道光熱費5,000円 | 74,400円 |
| 手取り | 256,900円−74,400円 | 182,500円 |
この例は週5日・年252日・週40時間で、フルタイムの基準を満たします。割増率の1.25は例です。雇用条件書Ⅶ3に書いた率で計算してください。
雇用条件書と賃金の支払の間で確かめること
- 時間と日数:1日の時間×日数が、週・月・年の所定時間と合うか。年間所定労働日数と年間休日の合計が、1年の日数と合うか
- 単価:月給÷月の所定時間が、別紙1の1時間当たりの金額と合うか
- 手当:雇用条件書Ⅶ2の手当の名前が、別紙1の2と同じか
- 控除:雇用条件書Ⅶ7が「有」なら別紙1の4に項目があるか。項目の合計が控除の合計と合うか
- 手取り:支払概算額から控除の合計を引いた額が、手取りの欄と合うか
ほかの書類との照合
賃金の支払の居住費は、支援計画書の居住費と同じ額にします。報酬に関する説明書の月給や手当、申請書の勤務先と業務も、雇用条件書・賃金の支払と同じ内容にします。
(出典:参考様式第1-6号 雇用条件書(様式・別紙1)、特定技能外国人受入れに関する運用要領、労働基準法施行規則(e-Gov))
作った後に条件を変えるとき
特定技能雇用契約を変えたとき(軽微な変更を除く)は、変更した日から14日以内に入管へ届け出ます。運用要領の別表は、雇用条件書の項目ごとに、届出が必要な変更の例を示しています。別表は例であり、届出の対象は別表に限られません。
| 届出が必要な例 | 届出が要らないとされる例 |
|---|---|
| 基本賃金の減額、支給方法の変更(月給制から日給制など) | 雇用契約期間が変わらない、働き始める日のずれ |
| 手当の廃止・減額、割増賃金率を下げる | 年間所定労働日数を当初より少なくする(フルタイムでなくなる場合は届出が必要) |
| 固定残業代の導入・廃止 | 休暇日数を増やす |
| 控除の「有」「無」の変更、控除項目を増やす | 控除の項目や額が単に減る(本人の負担が増える場合を除く) |
| 年間休日を減らす、就業場所や業務区分を変える | 昇給・賞与などの支給時期だけの変更 |
届出に付ける雇用条件書は、変えた部分だけを書けば足ります。この場合も、本人が十分に理解できる言語で書き、本人が理解したうえで署名していることが必要です。この条件を満たせば、雇用条件書の代わりに会社の書式でもかまいません。
最初に書くときから、手当・昇給・賞与・控除は続けられる内容にしておきましょう。届出の流れは、次の記事で説明しています。
→ 特定技能の届出 年間ガイド|定期届出(4〜5月)と随時届出(14日以内)の全体像
(出典:特定技能外国人受入れに関する運用要領)
よくある質問
Q 押印は要りますか。 A 様式一覧のページでは、原則として申請書を含む提出書類への押印は不要とされています。
Q 賃金の支払にも本人の署名が要りますか。 A 一覧表の要件は、本人が十分に理解できる言語で書くことです。署名は要件になく、様式にも署名欄はありません。
Q 本人の母語の翻訳様式がないときは。 A 要件は、本人が十分に理解できる言語で作ることです。入管庁の翻訳様式がない言語の扱いは、公式の資料では確認できませんでした。提出先の地方入管か、専門家に確認してください。
Q 更新のときも3つの書類を出しますか。 A 更新用の一覧表でも、3つの書類の写しが必要とされています。条件を変えていない場合に新しく作り直す必要があるかは、一覧表からは読み取れません。迷う場合は、提出先の地方入管に確認してください。
(出典:出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」、参考様式第1-6号 雇用条件書(記載例)、第1表(認定用、令和8年10月1日改定)、第1表(更新用))
まとめ
- 雇用契約書・雇用条件書・賃金の支払は、認定・変更・更新のどれでも出す1組の書類です。本人が十分に理解できる言語で書き、契約書と雇用条件書には本人の署名をもらいます。
- 雇用条件書と賃金の支払の記載内容が整合しているかを確かめ、賃金の支払の手当・控除・手取りを検算してから出します。居住費は支援計画書とも合わせます。
- 控除は運用要領の「適正な額」に合わせます。後で変えると届出になる欄は、続けられる内容で書きます。
申請書類は、登録支援機関や申請等取次者、行政書士が作成や提出を手伝えます。誰が何をできるかは、次の記事を見てください。個別の事情で書き方が変わる場合は、提出先の地方入管や専門家に相談してください。
→ 申請等取次者証明書の取り方・更新|申出書と提出書類、登録支援機関が取次できる範囲【改正行政書士法対応】
記事作成で参照した一次情報
- 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」
- 参考様式第1-5号 特定技能雇用契約書
- 参考様式第1-6号 雇用条件書(別紙「賃金の支払」を含む。様式)
- 参考様式第1-6号 雇用条件書(記載例)
- 英語の翻訳様式(参考様式第1-5号・第1-6号ほか)
- 出入国在留管理庁「特定技能運用要領」
- 特定技能外国人受入れに関する運用要領(令和8年8月20日一部改正)
- 「特定技能1号」に係る提出書類一覧表(在留資格認定証明書交付申請用)第1表(令和8年10月1日改定)
- 「特定技能1号」に係る提出書類一覧表(在留資格変更許可申請用)第1表(令和8年10月1日改定)
- 「特定技能1号」に係る提出書類一覧表(在留期間更新許可申請用)第1表(令和8年10月1日改定)
- 労働基準法(e-Gov法令検索)
- 労働基準法施行規則(e-Gov法令検索)
- 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わりました」(リーフレット)

