食品工場などで特定技能の外国人を雇うには、事業所が受入対象の産業を「主として」行っていること、外国人が技能試験と日本語試験に合格していること(技能実習2号の良好な修了で免除あり)、入管に申請する前に「食品産業特定技能協議会」に入っていることが必要です。協議会の加入には、書類を出してからおおむね2〜3か月かかります。雇い方は直接雇用だけで、派遣はできません。2027年4月1日からは、業務区分が「飲食料品製造業」と「水産加工業」に分かれます。
この記事では、受け入れる会社と登録支援機関がすることの全体像をまとめます。事業所の判定や協議会の書類の書き方などの細かい話は、別の記事で説明する予定です。
内容は、2026年10月15日に、運用要領(飲食料品製造業分野、令和8年8月28日一部改正)と、農林水産省・水産庁の案内で確認したものです。
飲食料品製造業分野の特定技能とは:所管・受入れの上限・2027年の変更
飲食料品製造業分野は、酒類を除く飲食料品の製造・加工を行う産業の分野です。日本標準産業分類でいうと、食料品製造業(中分類09。肉・魚の加工品、パン、菓子、めん類、そう菜など)を中心に、清涼飲料製造業、茶・コーヒー製造業、製氷業と、食料品の製造を行うスーパーマーケット・食肉小売業、パン・菓子の製造小売などが当たります(詳しくは次の見出しの表)。酒類・塩・医薬品の製造や、飲食料品の卸売は含まれません。
所管は農林水産省で、水産加工は水産庁も問合せ先です。分野だけの基準は、農林水産省の告示(平成31年農林水産省告示第526号)と運用要領で決められています。
受入れの上限と、交付停止の仕組み
1号の受入れ見込数は133,500人で、令和10年度末(2029年3月末)までの5年間の上限として運用されます。分野全体の見込数は、同じ5年間で194,900人です。
見込数を超えそうなときは、農林水産大臣が法務大臣に、在留資格認定証明書の交付を一時的に止めるよう求めます。同じ協議会が扱う外食業分野では、2026年4月13日に一時的な交付停止の措置がとられました。
(出典:運用要領(飲食料品製造業分野)、分野別運用方針、出入国在留管理庁「飲食料品製造業分野」、農林水産省「食品産業特定技能協議会について」)
対象になる事業所:日本標準産業分類で「主として」行う事業で決まる
判断の単位は、会社ではなく、外国人が働く事業所(工場・店舗)です。その事業所が、次の表の産業を「主として」行っていることが必要です。
複数の事業をしている事業所は、製品の直近の売上高で最も大きな割合を占める活動で、産業を決めます。賃加工と自社製品の製造をしている場合など、売上高で決めにくいときは、産出額や従業員数なども使います。
対象の産業
| 分類の番号 | 産業 | 条件 |
|---|---|---|
| 中分類09 | 食料品製造業 | 肉・魚の加工品、缶詰、漬物、調味料、パン、菓子、めん類、冷凍食品、そう菜など |
| 小分類101 | 清涼飲料製造業 | — |
| 小分類103 | 茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く) | — |
| 小分類104 | 製氷業 | — |
| 小分類583 | 食肉小売業 | 食料品製造を行うものに限る。令和8年4月15日の告示改正で追加 |
| 細分類5621 | 総合スーパーマーケット | 食料品製造を行うものに限る |
| 細分類5811 | 食料品スーパーマーケット | 食料品製造を行うものに限る |
| 細分類5861 | 菓子小売業(製造小売) | 自分で作って店で売る形 |
| 細分類5863 | パン小売業(製造小売) | 自分で作って店で売る形 |
| 細分類5896 | 豆腐・かまぼこ等加工食品小売業 | 豆腐・かまぼこ等の製造を行うものに限る |
次の産業は対象になりません。酒類・塩・医薬品・香料の製造、飲食料品の卸売、デパートなどの各種商品小売(総合スーパーを除く)、一般の飲食料品小売(表の小売業を除く)、ペットフードなどの飼料の製造です。
迷いやすい業態の早見表
農林水産省のFAQと運用要領から、迷いやすい業態をまとめました。「条件つき」の多くは、その製造・加工の売上が事業所の中で最も大きいことも条件です。
| 業態 | 判断 | 条件・理由 |
|---|---|---|
| スーパーのバックヤード(そう菜・ベーカリー・鮮魚・精肉・青果の加工) | 条件つき | スーパーが自分で製造する部門だけ。レジ・接客・品出しはできない。軽微な加工だけなら対象外 |
| コンビニ・百貨店のバックヤード、スーパーのテナント | 対象外 | — |
| プロセスセンター(小売・卸に納める食品の製造) | 対象 | 精肉加工、水産物加工、そう菜製造など |
| 外食業のセントラルキッチン | 条件つき | 独立した事業所なら対象。店舗と同じ敷地にあれば外食業として扱われ、対象外 |
| 弁当・そう菜を作って小売・卸に卸す | 対象 | 持ち帰り弁当・仕出し・デリバリーは外食業分野で、対象外 |
| 給食 | 条件つき | センター方式で調理だけをする独立した施設は対象。学校の自校方式や病院・福祉施設に併設の厨房は外食業分野 |
| GPセンター(卵) | 条件つき | 洗浄(・消毒)をしてから選別・パック詰めし、小売・卸に納めるなら対象。洗浄や消毒をせず選別・包装だけなら対象外 |
| 野菜のカット | 条件つき | すぐ調理に使える加工は対象。キャベツを半分に切るなどの軽微な加工は卸売で、対象外 |
| 精肉・食鳥処理・刺身や切り身 | 条件つき | 小売・卸に納めるための加工。消費者に直接売る鮮魚小売は対象外 |
| 製造請負 | 条件つき | 発注元から独立した組織として製造工程を請け負い、請負側が指示する場合。箱詰め・荷役などの付随業務だけ、派遣、偽装請負は対象外 |
迷ったら、協議会に申請する前に確認する
運用要領は、協議会で対象外と判断されると外国人を雇えないとしています。迷うときは、協議会の加入申請の前に農林水産省に問い合わせるよう、運用要領は案内しています。農林水産省の補助事業の無料相談窓口(記事の最後)でも、事業所の要件を相談できます。
(出典:運用要領(飲食料品製造業分野)、告示(令和8年4月15日一部改正)、農林水産省FAQ、加入申請ガイドブック)
外国人にさせられる業務と、させてはいけない業務
1号の外国人は、飲食料品(酒類を除く)の製造・加工と、安全衛生の確保の仕事に、幅広く従事します。
- 製造・加工:原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥などの一連の生産の作業
- 安全衛生の確保:使う機械の安全確認、作業する人の衛生管理など、仕事の安全衛生と食品衛生を守る作業
付随的ならできる仕事
同じ仕事をする日本人がふだん行う関連業務は、付随的にならできます。運用要領は、原料の調達・受入れ、製品の納品、清掃、事業所の管理を例に挙げています。
ただし、関連業務だけをさせることはできません。FAQは、パック詰め・検品・箱詰め・運搬に専ら従事させることはできないとしています。同じ仕事をする日本人と同じくらいの量なら、差し支えないとされています。
させてはいけないこと
- 単なる選別や包装(梱包)だけの作業(製造・加工に当たらない)
- スーパーでの販売業務(関連業務としてもできない)
- 派遣(外国人を派遣することも、派遣された人を受け入れることもできない)
派遣をした場合や受け入れた場合は、その後5年間、特定技能の外国人を受け入れられなくなると運用要領に書かれています。雇い方は直接雇用だけです。
2号の外国人は、これに加えて、複数の技能者を指導しながら、衛生・品質・納期・コスト・従業員・原材料の管理などをします。
(出典:運用要領(飲食料品製造業分野)、農林水産省FAQ、分野別運用方針)
外国人の要件:技能試験と日本語試験、技能実習2号からの移行
1号になるには、技能と日本語の両方の証明が必要です。技能実習2号を良好に修了した人は、職種によって免除があります。
| 外国人のルート | 技能 | 日本語 |
|---|---|---|
| 試験に合格した人 | 飲食料品製造業特定技能1号評価試験に合格 | JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)でA2.2相当以上、又は日本語能力試験N4以上 |
| 関係のある職種の技能実習2号を良好に修了した人 | 免除 | 免除 |
| 関係のない職種の技能実習2号を良好に修了した人 | 試験の合格が必要 | 免除 |
試験の概要
試験は、HACCP(工程ごとに危害の要因を分析し、重要な工程を監視・記録する方法)に沿った衛生管理に、すぐ対応できるかを確かめます。
実施機関は、農林水産省の公募で選ばれた一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)です。日本語で、CBT(コンピュータで解答)かペーパーテストで行います。学科と実技があり、合格基準は合計得点の65%以上です(難易度に大きな偏りがあれば補正)。
試験結果通知書を偽造すると、OTAFFの全ての試験を5年間受けられなくなります。
→ 【速報】OTAFFが試験結果通知書の偽造に注意喚起、偽造すると全試験が5年間受験禁止(2026年10月13日)
入管の書類の一覧表では、試験の名前が「技能測定試験」と書かれています。運用要領は、2027年3月31日までに評価試験を受けて合格した人は、技能測定試験に合格したものとみなすとしています。
技能実習2号から移る人
技能と日本語の両方が免除になる技能実習の職種は、次の10職種です(運用要領の別表とFAQ)。
- 缶詰巻締、食鳥処理加工業、牛豚食肉処理加工業、ハム・ソーセージ・ベーコン製造、パン製造、そう菜製造業、農産物漬物製造業
- 加熱性水産加工食品製造業、非加熱性水産加工食品製造業、水産練り製品製造
FAQは、これらの職種の修了者は、技能実習のときの職種にかかわらず、この分野の仕事に就けるとしています(酒類の製造を除く)。
(出典:運用要領(飲食料品製造業分野)、飲食料品製造業特定技能評価試験実施要領、農林水産省 分野のページ、農林水産省FAQ)
受入れ機関に求められること:分野で上乗せされる7つの条件
特定技能の受入れ機関に共通する基準(雇用契約、支援の体制など)に加えて、この分野には次の条件があります。
| 条件 | 中身 | いつ |
|---|---|---|
| 1. 協議会の構成員になる | 食品産業特定技能協議会に加入する | 入管への申請の前 |
| 2. 協議会に協力する | 協議会の調査・情報共有などに協力する | 加入の後ずっと |
| 3. 農林水産省に協力する | 調査・指導などに協力する(委託先を含む) | 加入の後ずっと |
| 4. 登録支援機関も構成員にする | 支援を全部委託するなら、委託先の登録支援機関も協議会の構成員であること | 入管への申請の前 |
| 5. キャリアアッププランを説明する | 仕事・地位・賃金がどう上がるかの計画を、書面(電子データも可)で渡して説明する | 雇用契約を結ぶ前 |
| 6. 実務経験の証明書を出す | 本人から求められたら、自社での実務経験を証明する書面を渡す | 求められたとき |
| 7. 事業所が受入対象の産業である | 前の見出しの表の産業を、主として行っている | 協議会の加入審査で確かめられる |
キャリアアッププランの中身
様式は決まっていません。運用要領は、想定されるキャリアのルート、レベルごとの仕事と年数の目安、レベルアップに必要な経験・資格、地位や賃金などの待遇の上がり方を、内容の例に挙げています。
農林水産省の2号のQ&Aは、2号の外国人にもキャリアアッププランを示す必要があるとしています。農林水産省は「飲食料品製造業分野における育成・キャリア形成プログラム」も掲載しています(2026年10月9日)。
協議会に協力しない場合や、求められた実務経験の証明書を出さない場合は、基準に合わず、受け入れられなくなると運用要領に書かれています。
(出典:運用要領(飲食料品製造業分野)、出入国在留管理庁「飲食料品製造業分野」、2号に関するQ&A、農林水産省 分野のページ)
食品産業特定技能協議会への加入:入管の申請より先に、2〜3か月を見込む
食品産業特定技能協議会は、飲食料品製造業分野と外食業分野が共同で置いている組織で、農林水産省が運営しています。受け入れる会社は、入管に申請する前に加入し、加入証を在留資格の申請に添えます。2人目からの受入れで、もう一度加入する必要はありません。
手続の流れを図にしました。図の4のとおり、書類を出してから加入証が届くまで、おおむね2〜3か月かかります。

出典:編集部作成(農林水産省「食品産業特定技能協議会について」と加入申請ガイドブックをもとに作成)
出す書類
| 書類 | 出す事業所 | 注意点 |
|---|---|---|
| 誓約書(分野参考様式第13-1号) | すべて | 2026年9月1日以降は新しい様式。押印は不要。外国人が未定なら外国人の欄は空欄でよい |
| 営業許可証の写し | スーパー以外 | フォームに書いた就労先の事業所のもの。有効期限内か、営業の種類が分野に当たるか |
| 行動規範に係る誓約書(協議会規約の別紙様式) | すべて | 2026年9月1日以降に書類を出す場合に必要。事業所ごとに出す |
| スーパーの業務に関する誓約書 | 総合スーパー・食料品スーパー | 外国人を販売業務に就かせないことを誓約する。営業許可証は不要 |
| 業務請負契約書・注文仕様書・請負工程組織図 | 製造請負の事業者 | 請負側の責任者から外国人への指示の流れを書く |
メールの本文には、外国人の業務の内容を書き、製品の画像2枚と、製造加工の設備・事業所の外観の画像を各1枚程度添えます。
止まりやすい点
- 申請は事業所(工場・店舗)ごとが原則です。バックヤードのあるスーパーは、本社での加入ができます。
- 稼働前・開業前の事業所は、事業の実態を確かめられないため、加入できません。
- 営業許可証の所在地・名称が、フォームの入力と違っていないか確かめます。変更や承継があれば、保健所への届出が分かる資料も添えます。
- 返信するときは、メールの件名を変えません。
- 審査は書類が届いた順です。提出から2か月未満の進み具合の問合せは、控えるよう案内されています。
会費・加入証・その後の手続
- 会費:当面の間、入会金や年会費はかかりません(FAQは、今後お願いする場合があるとしています)。
- 加入証:新しく受け入れるときと、在留期間の更新のときに必要です。担当者が替わるときは引き継ぎます。
- 登録内容の変更:社名・所在地・代表者・担当者が変わったら、協議会にメールで連絡します。
- 外食業分野でも受け入れるときは、外食業分野として新しく加入の手続が必要です。
支援を登録支援機関に全部委託する場合は、その登録支援機関も、入管への申請の前に協議会の構成員になっている必要があります。2号の外国人を受け入れる会社も、協議会への加入が必要です。
(出典:農林水産省「食品産業特定技能協議会について」、加入申請ガイドブック、農林水産省FAQ、運用要領(飲食料品製造業分野)、2号に関するQ&A)
入管に出す分野の書類:第3表の15(1号)と第3表の10(2号)
入管の申請では、全分野に共通する書類に加えて、飲食料品製造業分野の書類を出します。1号の在留資格認定証明書の申請と、在留資格の変更の申請は、同じ一覧表(第3表の15)です。
| 書類 | いつ出すか・注意点 |
|---|---|
| 技能の証明 | 試験の合格者は合格証明書の写し。関係のある職種の技能実習2号修了者は、技能実習評価試験(専門級)か技能検定3級の実技試験の合格証明書の写し(なければ評価調書) |
| 日本語の証明 | 日本語能力試験N4以上の合格証明書か、JFT-Basicの判定結果通知書の写し。技能実習2号の良好修了者は、職種にかかわらず省略できる |
| 誓約書(分野参考様式第13-1号) | 全員 |
| 協議会の構成員であることの証明書 | 全員 |
| 登録支援機関の誓約書(第13-2号)と構成員の証明書 | 支援を全部委託するとき |
一覧表の「技能実習2号良好修了者」は、2年10か月以上の人です。日本語の証明を省略するときも、良好に修了したことを証明する書類は必要です。過去の申請で同じ人の書類を出していて、内容が変わらず有効期限内なら、省略できる書類もあります。
2号と更新の申請
2号の申請(第3表の10)では、2号の試験の合格証明書の写し、誓約書(第13-1号)、協議会の構成員であることの証明書を出します。
1号の在留期間の更新(第3表の1)では、協議会の構成員であることの証明書が必要です。支援を全部委託している場合は、登録支援機関の誓約書と証明書も出します。
共通の書類と、申請する人
雇用契約書・雇用条件書や支援計画書など、全分野に共通する書類は、次の記事で説明しています。
→ 特定技能1号の雇用契約書・雇用条件書・賃金の支払|記入例と手当・控除などの注意点
→ 特定技能1号の支援計画書の書き方|全部委託・自社支援の記載例で欄ごとに解説
入管への申請を誰が取り次げるかは、次の記事で説明しています。
→ 申請等取次者証明書の取り方・更新|申出書と提出書類、登録支援機関が取次できる範囲【改正行政書士法対応】
(出典:第3表の15(認定用)、第3表の15(変更用)、第3表の10(認定用)、第3表の10(変更用)、第3表の1(更新用)、出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』」)
受入れまでの流れと逆算スケジュール
協議会の審査に時間がかかり、その加入証がないと入管に申請できません。そのため、協議会の加入申請を最初に始めます。入社日から逆算した順番を図にしました。

出典:編集部作成(農林水産省「食品産業特定技能協議会について」、加入申請ガイドブック、出入国在留管理庁の案内をもとに作成)
採用と雇用契約は、協議会の審査と並行して進められます。キャリアアッププランは、雇用契約を結ぶ前に書面で説明します。
入管の審査期間と、技能実習から移る人
入管庁は、在留資格の変更の標準処理期間を1か月〜2か月としています。技能実習から特定技能に移る人については、就労を始める予定日の2か月以上前に申請するようお願いしています。
技能実習から移る人は、在留期間が切れる前に申請する必要があります。準備が間に合わない場合に使える「特定活動(特定技能1号移行準備)」は、別の記事で説明する予定です。
受け入れた後
入管への届出の時期は、次の記事にまとめています。
→ 特定技能の届出 年間ガイド|定期届出(4〜5月)と随時届出(14日以内)の全体像
(出典:加入申請ガイドブック、運用要領(飲食料品製造業分野)、出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」、出入国在留管理庁 技能実習生の移行のご協力依頼)
特定技能2号:試験と「工程を管理する」実務経験2年
2号になるには、2号の評価試験に合格し、管理の実務経験を2年以上持っていることが必要です。
実務経験の数え方
- 複数の従業員(2名以上)を指導しながら作業をし、工程を管理する立場での経験です。指導を受ける人には日本人も含まれ、国籍は問われません。
- 「工程を管理する者」は、工場長などの管理業務を補助する人です。運用要領は、担当部門長・ライン長・班長などの役職を例に挙げています。
- 役職は、辞令や職務命令書などで命じます。出していない場合は、いつから指導しているか分かる書類を用意するよう、2号のQ&Aは求めています。
- 国外での管理の経験は対象になり、他の分野での経験は対象になりません(2号のQ&A)。
実務経験は、2号の試験を受けるときに確かめられます。日本国内で受ける人は、試験の前日までに2年以上の経験が必要です。管理等実務経験の証明書は、試験の実施機関に出します。
日本語の要件
入管庁の分野ページと運用要領は、2027年4月1日以降、2号では「日本語教育の参照枠」のB1相当以上が求められ、取扱いは別途知らせるとしています。運用要領は、その証明として日本語能力試験N3以上(CEFRのB1相当と判定された場合)を挙げています。今の2号の書類の一覧表(第3表の10)に、日本語の書類はありません。今後の発表を確かめてください。
2号の試験に不合格だった場合
2号の試験で合格基準点の8割以上の得点を取るなどの要件を満たし、相当の理由があると認められれば、1号の通算在留期間(5年)を超えて、最長1年在留できます。対象は、発行日が2025年6月30日以降の試験結果通知書です。
(出典:運用要領(飲食料品製造業分野)、出入国在留管理庁「飲食料品製造業分野」、2号に関するQ&A、飲食料品製造業特定技能評価試験実施要領、2号試験不合格時の措置)
2027年4月からの変更:「水産加工業」の切り分けと育成就労
2027年4月1日から、業務区分の「飲食料品製造業全般」が、「飲食料品製造業」と「水産加工業」に分かれます。
| 項目 | 2027年3月31日まで | 2027年4月1日から |
|---|---|---|
| 業務区分 | 飲食料品製造業全般 | 飲食料品製造業/水産加工業 |
| 技能試験(1号・2号) | 飲食料品製造業の試験 | 飲食料品製造業の評価試験/水産加工業の評価試験 |
運用要領は、これまでの技能測定試験の合格者を、新しい2つの評価試験の両方に合格したものとみなすとしています。1号・2号とも同じです。
転職できる範囲
転職は同じ業務区分の中に限られ、水産加工業の区分で雇われた人は、飲食料品製造業の区分の事業所に転職できないと水産庁は説明しています。
運用要領によると、水産加工業の区分で採用するときは、転職できる範囲を含むキャリアパスや待遇を、雇用契約のときに丁寧に説明し、同意を得ることが協議会で定められています。転職の手続の全体像は、次の記事で説明しています。
技能実習2号を良好に修了して試験の免除を受けた人は、移った後も、両方の区分で働け、転職もできます。
水産加工業の試験と問合せ先
水産庁は、水産加工業特定技能1号・2号評価試験などの新しい試験を準備中で、決まり次第掲載するとしています(2026年10月15日時点)。水産加工業の区分の問合せ先は、水産庁 漁政部加工流通課 加工振興班(03-6744-2349)です。
育成就労の開始
2027年4月から育成就労が始まり、この分野も対象です。受入れ見込数は、令和9年度から2年間で61,400人です。協議会は別の「食品産業育成就労協議会」で、雇う人の在留資格によって、どちらか又は両方に加入します。
(出典:運用要領(飲食料品製造業分野)、水産庁「水産加工食品製造における外国人の受入れ制度について」、分野別運用方針、農林水産省 分野のページ)
よくある質問
Q スーパーの惣菜売り場で働いてもらえますか。 A スーパーが自分で作るそう菜の製造・加工ならできます。レジ・接客・品出しはできません(FAQ Q3・Q14)。
Q パン製造の技能実習を修了した人を、水産加工品の工場で雇えますか。 A 雇えます。FAQ Q21は、パン製造の修了者が水産食料品の製造に就く例を挙げています(酒類の製造を除く)。
(出典:農林水産省FAQ、運用要領(飲食料品製造業分野)、農林水産省「食品産業特定技能協議会について」、加入申請ガイドブック)
まとめと相談先
- 最初に、事業所が受入対象の産業を「主として」行っているかを確かめます。
- 協議会への加入は入管の申請より先で、おおむね2〜3か月かかります。
- 2027年4月から「水産加工業」の区分が分かれ、転職できる範囲も区分の中に限られます。
困ったときの公的な問合せ先は、次のとおりです。
- 分野に当たるか・事業所の要件・制度全般:特定技能外国人材制度相談窓口(農林水産省の補助事業、無料)03-6630-8179(10時〜17時30分、土日・祝日・年末年始を除く)
- 協議会の審査:食品産業特定技能協議会のナビダイヤル 0570-031574(平日10時〜12時、13時〜17時)
- 水産加工業の区分:水産庁 漁政部加工流通課 加工振興班 03-6744-2349
- 在留資格の申請:地方出入国在留管理局
会社や事業所の状況によって、対象になるかや必要な書類が変わることがあります。判断に迷う場合は、専門家に相談してください。
記事作成で参照した一次情報
- 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-飲食料品製造業分野の基準について-(法務省・農林水産省、令和8年8月28日一部改正)
- 飲食料品製造業分野に特有の事情に鑑みて定める基準(平成31年農林水産省告示第526号、最終改正 令和8年4月15日)
- 飲食料品製造業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針(令和8年1月23日閣議決定)
- 出入国在留管理庁「飲食料品製造業分野」
- 出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』」(提出書類一覧表)
- 「特定技能1号」に係る提出書類一覧表 第3表の15 飲食料品製造業(在留資格認定証明書交付申請用)
- 「特定技能1号」に係る提出書類一覧表 第3表の15 飲食料品製造業(在留資格変更許可申請用)
- 「特定技能2号」に係る提出書類一覧表 第3表の10 飲食料品製造業(在留資格認定証明書交付申請用)
- 「特定技能2号」に係る提出書類一覧表 第3表の10 飲食料品製造業(在留資格変更許可申請用)
- 「特定技能1号」に係る提出書類一覧表 第3表の1(在留期間更新許可申請用)
- 出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」
- 出入国在留管理庁「技能実習制度・特定技能制度関係者の皆様へ【ご協力依頼】」
- 農林水産省「飲食料品製造業分野における外国人材の受入れ拡大について」
- 農林水産省「食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業分野・外食業分野)について」
- 農林水産省「加入申請ガイドブック 飲食料品製造業分野編」(令和8年8月31日改訂)
- 農林水産省「特定技能 飲食料品製造業分野に関するFAQ」(令和8年3月更新)
- 農林水産省「食品産業分野(飲食料品製造業分野及び外食業分野)の特定技能2号に関するQ&A」(令和8年8月作成版)
- 農林水産省「飲食料品製造業特定技能評価試験実施要領」(令和8年5月改訂)
- 農林水産省「2号評価試験において不合格となった1号特定技能外国人に関する措置について」
- 水産庁「水産加工食品製造における外国人の受入れ制度について」
- 一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)

