この記事は、NIPPON VISA & LIFE編集部が、国や自治体などの公的機関の情報をもとに作成しています。ルールや料金は、お住まいの市区町村によって違うことがあります。
日本では、給料の最低額(最低賃金)が法律で決まっています。金額は都道府県ごとに違い、毎年秋ごろに変わります。会社は、働く人に最低賃金以上の給料を払わなければなりません。この記事では、最低賃金の調べ方と、自分の給料が最低賃金を下回っていないかを確かめる方法を説明します。
まず結論:最低賃金の調べ方
- 働いている場所の都道府県を確かめる(住んでいる場所ではありません)
- 厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」で、その都道府県の金額(1時間あたりの金額)と、新しい金額になる日(発効日)を見る
- 自分の給料を1時間あたりの金額に直して、最低賃金と比べる(時給の人はそのまま比べる)
- 最低賃金より低いときは、会社に確かめるか、労働基準監督署や外国語の相談窓口に相談する
仕事探しと働き方の全体は 日本での仕事探しと働き方の基本|ハローワーク・労働条件・給料と残業・有給休暇・辞めるとき・相談先 にまとめています。
最低賃金とは
最低賃金は、最低賃金法という法律にもとづいて、国が決める給料の最低額です。会社は、その金額以上の給料を払わなければなりません。
- 働く人と会社が「最低賃金より低い給料」で合意しても、その約束は法律で無効になります。最低賃金と同じ金額で約束したことになります
- 会社が最低賃金より低い給料しか払っていないときは、会社はその差額を払わなければなりません
- 地域別最低賃金より低い給料しか払わない会社には、最低賃金法で罰則(50万円以下の罰金)が決められています
(出典:厚生労働省「最低賃金制度」最低賃金とは?)
パート・アルバイトにも当てはまる
地域別最低賃金は、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託など、働き方(雇用形態)や呼び方に関係なく、その都道府県の職場で働くすべての働く人に当てはまります。
例外として、会社が都道府県労働局長の許可を受けた場合に限り、試用期間中(試しに働く期間)の人など一部の人について、最低賃金を下げることが認められています(減額の特例)。許可がなければ、試用期間中でも最低賃金以上の給料が必要です。
最低賃金は2種類ある
| 種類 | どんな最低賃金か | 数 |
|---|---|---|
| 地域別最低賃金 | 産業や職種に関係なく、その都道府県で働くすべての人に当てはまる | 各都道府県に1つ(全部で47件) |
| 特定(産業別)最低賃金 | 特定の産業で働く人に当てはまる。地域別最低賃金より高い金額 | 全国で223件(令和8年4月1日現在) |
両方が当てはまる人には、高いほうの金額以上の給料を払わなければなりません。特定(産業別)最低賃金は、18歳未満または65歳以上の人などには当てはまらないことがあり、内容は最低賃金ごとに違います。自分の仕事が当てはまるかは、下の「調べ方」で確かめてください。
令和8年度の地域別最低賃金(47都道府県)
令和8年度は、47都道府県すべてで最低賃金が上がりました。全国加重平均(全国の平均の目安)は1時間1,177円です(前の年は1,121円)。
新しい金額になる日(発効日)は、都道府県ごとに違います(令和8年10月1日〜12月2日)。発効日の前の日までは、前の年の金額が当てはまります。
| 都道府県 | 最低賃金(時間額) | 発効日 | 前の年の金額 |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 1,131円 | 令和8年10月1日 | 1,075円 |
| 青森 | 1,090円 | 令和8年10月29日 | 1,029円 |
| 岩手 | 1,090円 | 令和8年12月1日 | 1,031円 |
| 宮城 | 1,098円 | 令和8年10月1日 | 1,038円 |
| 秋田 | 1,090円 | 令和8年10月14日 | 1,031円 |
| 山形 | 1,092円 | 令和8年10月30日 | 1,032円 |
| 福島 | 1,094円 | 令和8年10月16日 | 1,033円 |
| 茨城 | 1,136円 | 令和8年10月18日 | 1,074円 |
| 栃木 | 1,125円 | 令和8年10月1日 | 1,068円 |
| 群馬 | 1,120円 | 令和8年10月3日 | 1,063円 |
| 埼玉 | 1,196円 | 令和8年10月1日 | 1,141円 |
| 千葉 | 1,195円 | 令和8年10月1日 | 1,140円 |
| 東京 | 1,280円 | 令和8年10月1日 | 1,226円 |
| 神奈川 | 1,279円 | 令和8年10月1日 | 1,225円 |
| 新潟 | 1,108円 | 令和8年10月1日 | 1,050円 |
| 富山 | 1,119円 | 令和8年10月1日 | 1,062円 |
| 石川 | 1,113円 | 令和8年10月3日 | 1,054円 |
| 福井 | 1,112円 | 令和8年10月4日 | 1,053円 |
| 山梨 | 1,113円 | 令和8年11月1日 | 1,052円 |
| 長野 | 1,117円 | 令和8年10月2日 | 1,061円 |
| 岐阜 | 1,121円 | 令和8年10月1日 | 1,065円 |
| 静岡 | 1,154円 | 令和8年10月15日 | 1,097円 |
| 愛知 | 1,195円 | 令和8年10月1日 | 1,140円 |
| 三重 | 1,143円 | 令和8年10月1日 | 1,087円 |
| 滋賀 | 1,136円 | 令和8年10月3日 | 1,080円 |
| 京都 | 1,180円 | 令和8年11月16日 | 1,122円 |
| 大阪 | 1,231円 | 令和8年10月1日 | 1,177円 |
| 兵庫 | 1,172円 | 令和8年10月1日 | 1,116円 |
| 奈良 | 1,107円 | 令和8年10月4日 | 1,051円 |
| 和歌山 | 1,101円 | 令和8年10月3日 | 1,045円 |
| 鳥取 | 1,090円 | 令和8年10月3日 | 1,030円 |
| 島根 | 1,092円 | 令和8年10月10日 | 1,033円 |
| 岡山 | 1,104円 | 令和8年10月2日 | 1,047円 |
| 広島 | 1,141円 | 令和8年10月11日 | 1,085円 |
| 山口 | 1,101円 | 令和8年10月8日 | 1,043円 |
| 徳島 | 1,103円 | 令和8年11月1日 | 1,046円 |
| 香川 | 1,092円 | 令和8年10月1日 | 1,036円 |
| 愛媛 | 1,093円 | 令和8年11月1日 | 1,033円 |
| 高知 | 1,086円 | 令和8年10月29日 | 1,023円 |
| 福岡 | 1,114円 | 令和8年10月4日 | 1,057円 |
| 佐賀 | 1,095円 | 令和8年11月15日 | 1,030円 |
| 長崎 | 1,087円 | 令和8年11月2日 | 1,031円 |
| 熊本 | 1,092円 | 令和8年12月1日 | 1,034円 |
| 大分 | 1,096円 | 令和8年11月1日 | 1,035円 |
| 宮崎 | 1,085円 | 令和8年10月24日 | 1,023円 |
| 鹿児島 | 1,090円 | 令和8年10月25日 | 1,026円 |
| 沖縄 | 1,086円 | 令和8年12月2日 | 1,023円 |
最低賃金は毎年変わります。最新の金額は、必ず下の「調べ方」で確かめてください。
(出典:厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金全国一覧」、厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」)
最低賃金の調べ方
どの都道府県の金額を見るか
最低賃金は、働いている職場(事業場)がある都道府県の金額が当てはまります。たとえば、埼玉県に住んで東京都の職場で働いている人は、東京都の最低賃金を見ます。
派遣で働く人は、派遣会社の場所ではなく、派遣先の職場がある都道府県の最低賃金が当てはまります。派遣先の職場に特定(産業別)最低賃金が当てはまる場合は、その金額以上の給料が必要です。
(出典:厚生労働省「最低賃金制度」派遣労働者の最低賃金は?)
金額を調べるページ
- 地域別最低賃金:厚生労働省の「地域別最低賃金の全国一覧」で、金額と発効日を見られます
- 特定(産業別)最低賃金:厚生労働省の最低賃金のサイト「最低賃金制度」に、特定(産業別)最低賃金の全国一覧があります
- 計算のしかたが分からないときは、都道府県労働局の賃金の担当の課(賃金課室)か、労働基準監督署に聞くことができます
(出典:厚生労働省「最低賃金制度」最低賃金のチェック方法は?)
自分の給料が最低賃金以上か確かめる方法
最低賃金と比べる給料・比べない給料
最低賃金と比べるのは、毎月払われる基本的な給料です。次のものは、比べる給料に入れません。
- 臨時に払われる給料(結婚手当など)
- 1か月を超える期間ごとに払われる給料(ボーナス〈賞与〉など)
- 決められた労働時間(所定労働時間)を超えて働いた分の給料(残業代〈時間外の割増賃金〉など)
- 決められた労働日以外に働いた分の給料(休日の割増賃金など)
- 午後10時から午前5時までに働いた分の割増の部分(深夜の割増賃金など)
- 精皆勤手当(休まず出勤したときの手当)、通勤手当、家族手当
給与明細のどの欄が何かは 日本の給与明細の見方|支給・控除・勤怠の欄と、所得税・住民税・社会保険料が引かれるしくみ で説明しています。
計算のしかた(給料の払われ方ごと)
地域別最低賃金は、1時間あたりの金額(時間額)で決まっています。自分の給料を1時間あたりに直して比べます。
| 給料の払われ方 | 比べ方 |
|---|---|
| 時給 | 時給 ≧ 最低賃金(時間額) |
| 日給 | 日給 ÷ 1日の所定労働時間 ≧ 最低賃金(時間額) |
| 月給 | 月給 ÷ 1か月平均所定労働時間 ≧ 最低賃金(時間額) |
| 出来高払い(歩合給) | 歩合給の合計 ÷ その給料のために働いた合計の時間 ≧ 最低賃金(時間額) |
基本給は日給、手当は月給のように組み合わさっているときは、それぞれを1時間あたりに直して合計し、最低賃金と比べます。
「1か月平均所定労働時間」は、1年間の所定労働時間(会社で決められた働く時間)の合計を12で割った時間です。所定労働時間は、労働条件通知書や就業規則(会社の働き方のルール)に書かれています。
(出典:厚生労働省「最低賃金制度」最低賃金のチェック方法は?)
計算の例
次の例は、計算のしかたを示すために編集部が作ったものです。
例1:日給の人(東京都の職場、令和8年10月1日以降)
- 日給10,000円、1日の所定労働時間8時間
- 10,000円 ÷ 8時間 = 1,250円
- 東京都の最低賃金1,280円より低いので、最低賃金を下回っています
例2:月給の人(東京都の職場、令和8年10月1日以降)
- 基本給200,000円、職務手当20,000円、通勤手当10,000円、残業代30,000円(合計260,000円)
- 1年間の所定労働日数245日、1日の所定労働時間8時間
- ① 比べない給料(通勤手当と残業代)を除く:260,000円 −(10,000円 + 30,000円)= 220,000円
- ② 1時間あたりに直す:(220,000円 × 12か月)÷(245日 × 8時間)= 約1,347円
- 東京都の最低賃金1,280円より高いので、最低賃金以上です
困ったとき・よくある疑問
最低賃金が上がったのに、時給が前と同じなのは大丈夫?
発効日からは、新しい最低賃金以上の給料が必要です。時給が前のままでも、新しい最低賃金以上なら問題ありません。新しい最低賃金より低いときは、まず会社に確かめてください。給料の金額は、労働条件通知書や給与明細で確かめられます。
「試用期間だから」と最低賃金より低い時給を言われたら?
試用期間中の人の最低賃金を下げられるのは、会社が都道府県労働局長の許可を受けた場合だけです。分からないときは、労働基準監督署に相談してください。
外国人でも最低賃金は同じ?
地域別最低賃金は、働き方や呼び方に関係なく、その都道府県の職場で働くすべての働く人に当てはまります。外国人の働く人にも同じ最低賃金が当てはまります。
最低賃金より低い給料しか払われていないときは?
まず、計算に入れない給料(通勤手当や残業代など)を除いて、正しく計算できているかを確かめます。それでも低いときは、会社に確かめるか、職場の所在地を受け持つ労働基準監督署や、下の外国語の相談窓口に相談してください。働いた時間の記録(出勤・退勤の時刻、タイムカードの写し)と給与明細を残しておくと、説明しやすくなります。
残業代のルールは 日本の残業と残業代のルール|労働時間・休憩・休日と、割増賃金(25%・35%・50%)の基本 で説明しています。
外国語で相談できる窓口
- 給料・働く時間など働く条件の困りごとは、厚生労働省の「外国人労働者向け相談ダイヤル」と「労働条件相談ほっとライン」に、外国語で電話で相談できます。言語ごとの電話番号と曜日は、厚生労働省の「外国人労働者向け相談機関」のページで確かめてください
- 各都道府県の労働局や労働基準監督署にも相談できます。外国語で相談できる窓口があるのは一部の労働局・労働基準監督署だけです。場所・日・時間は上のページで確かめ、近くになければ電話の相談窓口を使ってください
(出典:厚生労働省「外国人労働者向け相談機関」(確かめよう労働条件))

