この記事は、NIPPON VISA & LIFE編集部が、国や自治体などの公的機関の情報をもとに作成しています。ルールや料金は、お住まいの市区町村によって違うことがあります。
日本の健康診断には、おもに会社の健康診断、特定健診(40歳から74歳の人のための健康診断)、市区町村のがん検診の3つがあります。会社に雇われて働く人(パート・アルバイトは条件を満たす人)は、会社の健康診断を受けなければなりません。費用は会社が払います。がん検診は、お住まいの市区町村の案内やホームページで、対象と申し込み方を確かめます。
病院のかかり方の全体は、日本で病気やけがをしたとき|病院・救急車・薬・医療保険・相談窓口の基本にまとめています。
まず結論:自分が受ける健康診断を確かめる
| 種類 | 対象になる人 | だれが行う | 費用 |
|---|---|---|---|
| 会社の健康診断 | 会社に雇われて働く人(パート・アルバイトは条件を満たす人) | 会社 | 会社が払う |
| 特定健診 | 40歳から74歳の人 | 加入している健康保険(国民健康保険なら市区町村) | 加入している健康保険に確かめる |
| がん検診 | 種類ごとに決まった年齢の人 | 市区町村(職場や健康保険で行うこともある) | 多くの市区町村で、一部だけ自分で払う |
- 会社で働いている人は、会社から案内される健康診断を受けます。
- 40歳から74歳の人は、加入している健康保険の特定健診を受けられます。受け方は、加入している健康保険に確かめてください。会社の健康診断を受けている人は、その結果が使われます。
- がん検診は、市区町村の案内やホームページで、対象の年齢と申し込み方を確かめます。
- 結果に「要精密検査」「要再検査」とあったら、医療機関で詳しい検査を受けます。
(出典:厚生労働省「がん検診」、厚生労働省「特定健診・特定保健指導について」、出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」)
会社の健康診断
いつ受ける?
会社は、労働者を雇い入れるときと、雇い入れたあとは1年以内ごとに1回、医師による健康診断をしなければなりません。労働者は、その健康診断を受けなければなりません。
(出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」第66条、e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第43条・第44条)
パート・アルバイトも対象?
正社員だけでなく、次の2つをどちらも満たす派遣社員・契約社員・パートタイムの人・アルバイトも対象です。
- 期間の定めのない契約で働いていること(期間の定めのある契約の人は、1年以上働く予定があるか、更新して1年以上働いていること)
- 1週間の労働時間が、同じ職場で同じ仕事をする通常の労働者の、1週間の所定労働時間の4分の3以上であること
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第3章3-1)
費用は?
法律で会社に義務づけられている健康診断の費用は、会社が払うものとされています。
(出典:厚生労働省「健康診断の費用は労働者と使用者のどちらが負担するものなのでしょうか?」)
どんな検査をする?
1年に1回の健康診断(定期健康診断)の項目は、法律の規則で決まっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問診 | これまでの病気や仕事の内容、今の体の具合を聞かれる |
| 身体測定 | 身長・体重・腹囲(おなかまわり)・視力・聴力 |
| 胸部エックス線検査 | 胸のレントゲン写真をとる |
| 血圧 | 血圧をはかる |
| 血液検査 | 貧血・肝臓の働き・血液中の脂質(コレステロールなど)・血糖を調べる |
| 尿検査 | 尿に糖やたんぱくが出ていないか調べる |
| 心電図検査 | 心臓の動きを調べる |
身長・胸部エックス線検査・血液検査・心電図検査などの一部の項目は、国が決めた基準にもとづいて医師が必要ないと認めたときは、省くことがあります。
結果はどうなる?
- 会社は、健康診断を受けた人に結果を知らせなければなりません。
- 会社は、とくに健康に気をつける必要がある人に、医師や保健師による保健指導(生活のしかたなどのアドバイス)をするよう努めることになっています。
(出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」第66条の6・第66条の7)
特定健診(40歳から74歳)
- 特定健診は、生活習慣病(高血圧・糖尿病など、食事や運動などの生活の習慣が関係する病気)を防ぐための健康診断です。メタボリックシンドローム(おなかまわりの脂肪に、血圧・血糖・脂質の異常が重なった状態)に注目して調べます。
- 対象は40歳から74歳の人で、1年に1度受けることが勧められています。
- 行うのは、あなたが加入している健康保険(国民健康保険なら市区町村、会社の健康保険なら健康保険組合など)です。受け方や費用は、加入している健康保険に確かめてください。
- 会社の健康診断を受けた人は、その結果が特定健診の代わりに使われます(特定健診の項目に当たる部分)。
- 結果から、生活習慣病になる危険が高く、生活を変えることで防げる見込みが大きいと分かった人は、保健師・管理栄養士などから特定保健指導(生活の見直しのサポート)を受けられます。
(出典:厚生労働省「特定健診・特定保健指導について」、e-Gov法令検索「高齢者の医療の確保に関する法律」第20条・第21条)
国民健康保険の入り方は、国民健康保険の入り方とやめ方|加入する人・14日以内の届出・持ち物・保険料と軽減を見てください。
市区町村のがん検診
どんながん検診がある?
市区町村は、法律にもとづいてがん検診を行っています。国が勧めているがん検診は、次の5種類です。
| 種類 | 検査の内容 | 対象の年齢 | 受ける間隔 |
|---|---|---|---|
| 胃がん | 問診と、胃のエックス線検査か胃の内視鏡検査(胃カメラ)のどちらか | 50歳以上(当分の間、胃のエックス線検査は40歳以上でもよい) | 2年に1回(当分の間、胃のエックス線検査は年1回でもよい) |
| 子宮頸がん | 問診・視診・子宮頸部の細胞の検査・内診 | 20歳代 | 2年に1回 |
| 子宮頸がん | 問診・視診・子宮頸部の細胞の検査・内診 | 30歳以上 | 2年に1回 |
| 子宮頸がん | 問診・視診とHPV検査単独法 | 30歳以上 | 5年に1回(がんになる危険が高い人は1年後に受ける) |
| 肺がん | 質問(問診)と胸のエックス線検査 | 40歳以上 | 年1回 |
| 乳がん | 質問(問診)と乳房のエックス線検査(マンモグラフィ) | 40歳以上 | 2年に1回 |
| 大腸がん | 問診と便の検査(便に血がまじっていないか調べる) | 40歳以上 | 年1回 |
30歳以上の子宮頸がん検診は、市区町村によって検査の方法が違います。お住まいの市区町村で確かめてください。
(出典:厚生労働省「がん検診」表1 国が推奨するがん検診の一覧)
対象の年齢より若いときは?
厚生労働省は、対象の年齢になってからがん検診を受けることを勧めています。対象の年齢より若い人はがんになる人が少なく、検診の効果も確かめられていないためです。また、そのがんやがんの前の段階の病気で治療を受けている人は、そのがん検診の対象になりません。
(出典:厚生労働省「がん検診」)
費用と申し込み方
- ほとんどの市区町村では、がん検診の費用の多くを市区町村が払っていて、受ける人は一部だけを払います。
- 会社や、加入している健康保険でがん検診をしていることもあります。会社の健康診断の案内が届いたら、がん検診が入っているか、検査の内容・対象の年齢・受ける間隔を確かめてください。
- 申し込み方・費用・受けられる医療機関は、市区町村によって違います。市区町村の広報や案内を見るか、ホームページで「(市区町村の名前) がん検診」と検索して確かめてください。分からないときは、役所の健康の担当の窓口(保健センターなど)に聞きます。
(出典:厚生労働省「がん検診」)
子どもの健康診断
市区町村は、1歳6か月の子どもと3歳の子どもの健康診断を無料で行っています。発育・発達の診察、身長・体重の測定、育児の相談などがあります。妊娠中の健康診断(妊婦健康診査)は、妊娠の届出をすると、公費の補助で受けられる受診券か補助券がもらえます。くわしくは、住んでいる市区町村に問い合わせてください。
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第4章1-1・4-2)
こんなときはどうする?
結果に「要精密検査」と書いてあったら?
医療機関で詳しい検査(精密検査)を受けてください。がん検診は、精密検査まで受けて、はじめてがんがあるかないかが分かります。厚生労働省によると、精密検査が必要と判定されても、実際にがんと診断される人はごくわずかです。しかし、「症状がないから」と受けないでいると、がんがあった場合に見つかるのが遅れるおそれがあります。
(出典:厚生労働省「がん検診」)
会社が決めた病院ではなく、自分で選んだ病院で受けてもいい?
できます。会社の健康診断と同じ内容の健康診断を、ほかの医師のところで受けて、その結果を証明する書類を会社に出せば、会社の健康診断を受けたことになります。費用の扱いは会社に確かめてください。
(出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」第66条第5項)
少し前に健康診断を受けたばかりのときは?
雇い入れのときの健康診断は、医師による健康診断を受けてから3か月たっていない人が、その結果を証明する書類を出したときは、同じ項目を省けます。
一度「異常なし」だったら、もう受けなくていい?
いいえ。がん検診で「異常なし」と言われても、数年後にがんができることがあります。決まった間隔で、続けて受けてください。
(出典:厚生労働省「がん検診」)
困ったときの相談先
- 会社の健康診断のこと:まず会社の担当者に聞きます。働く条件について相談したいときは、厚生労働省の「外国人労働者向け相談ダイヤル」(外国語で電話相談ができる窓口。言語ごとに曜日と時間が決まっています)があります。
- 特定健診のこと:加入している健康保険(国民健康保険なら市区町村の窓口)
- がん検診・子どもの健康診断のこと:お住まいの市区町村の健康の担当の窓口(保健センターなど)
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第3章、厚生労働省「外国人労働者向け相談機関」)

