この記事は、NIPPON VISA & LIFE編集部が、国や自治体などの公的機関の情報をもとに作成しています。ルールや料金は、お住まいの市区町村によって違うことがあります。
日本の薬局では、「ジェネリック(後発医薬品)にしますか」と聞かれることがあります。ジェネリック医薬品は、先発医薬品(最初に作られた薬)と同じ有効成分で、値段が安い薬です。ジェネリックがある薬で先発医薬品を希望すると、2026年6月から、価格差の2分の1に当たる「特別の料金」を払います。
まず結論:薬局で聞かれたら
- ジェネリック医薬品は、先発医薬品と有効成分が同じで、国の審査を受けて承認された薬
- 値段は先発医薬品より安いので、薬代の自己負担が軽くなる
- ジェネリックがある先発医薬品を自分の希望で選ぶと、通常の自己負担(1〜3割)とは別に「特別の料金」を払う
- 医師が「医療上必要」と判断したときや、薬局にジェネリックの在庫がないときは、特別の料金はかからない
- 迷ったら、医師や薬剤師に相談する
病院や薬局のかかり方の全体は 日本での病院のかかり方|病院と診療所の選び方・受付で出すもの・問診票・支払い・薬局まで を見てください。
(出典:厚生労働省「後発医薬品(ジェネリック医薬品)があるお薬で、先発医薬品の処方を希望される場合は、特別の料金をお支払いいただきます」(患者向けチラシ)、厚生労働省「ジェネリック医薬品」リーフレット)
ジェネリック医薬品とは
| 先発医薬品(新薬) | ジェネリック医薬品(後発医薬品) | |
|---|---|---|
| どんな薬か | 最初に開発されて発売された薬 | 先発医薬品の特許が切れたあとに作られる薬 |
| 有効成分 | — | 先発医薬品と同じ成分を同じ量ふくむ |
| 国の審査 | — | 有効性・安全性・品質について、国が審査して承認 |
| 値段(薬価) | 高い | 開発の費用が少ないので安い |
ジェネリック医薬品は、先発医薬品と効き目(効能・効果)が同じになるように作られています。ただし、先発医薬品があとから効能を追加しているときなど、違う場合もあります。
添加剤(有効成分以外の材料)は、先発医薬品と違うことがあります。そのため、色・形・味が違うことがあります。新しい技術で、飲みやすくしたものもあります。
すべての薬にジェネリック医薬品があるわけではありません。また、ジェネリック医薬品は、病院や診療所の医師の処方箋(しょほうせん。医師が出す薬の指示書)が必要な「医療用医薬品」です。
(出典:厚生労働省「ジェネリック医薬品」リーフレット、厚生労働省「ジェネリック医薬品希望シール」、厚生労働省「後発医薬品(ジェネリック医薬品)及びバイオ後続品(バイオシミラー)の使用促進について」)
先発医薬品を選んだときの「特別の料金」
しくみ
ジェネリック医薬品がある先発医薬品を「長期収載品(ちょうきしゅうさいひん)」といいます。長期収載品を自分の希望で選ぶと、通常の自己負担とは別に「特別の料金」を払います。
- 2024年10月から始まったしくみです
- 2026年6月から、特別の料金は、先発医薬品とジェネリック医薬品の価格差の2分の1に当たる額になりました
- 特別の料金には、消費税がかかります
- 診察や調剤の費用など、薬の代金以外の費用は変わりません
計算の例
厚生労働省は、次の例で説明しています。
| 1錠の値段 | |
|---|---|
| 先発医薬品 | 100円 |
| ジェネリック医薬品 | 60円 |
| 価格差 | 40円 |
| 特別の料金(価格差の2分の1) | 20円 |
この例では、通常の1〜3割の自己負担とは別に、1錠20円(と消費税)を払います。
- ジェネリック医薬品がいくつかあるときは、その中で一番値段の高いものとの差で計算します
- 端数の処理などで、ちょうど2分の1にならないことがあります
(出典:厚生労働省「長期収載品の選定療養について」、厚生労働省 患者向けチラシ、厚生労働省「長期収載品の処方等又は調剤について」の一部改正について(令和8年3月27日))
特別の料金がかからないとき
| 場面 | 特別の料金 |
|---|---|
| 医師が、医療上の必要があると判断して先発医薬品を出した | かからない |
| 薬局にジェネリック医薬品の在庫がなく、先発医薬品を出すしかない | かからない |
| 薬剤師が、飲みにくい形であるなどの理由で、先発医薬品を飲むべきと判断した | かからないことがある |
| 「使い心地」や「味」など、効き目に関係のない理由で先発医薬品を希望した | かかる |
前にジェネリック医薬品で副作用が出たことがあるときなどは、医師・歯科医師・薬剤師に相談してください。
(出典:厚生労働省 患者向けチラシ(Q3・Q4)、厚生労働省「長期収載品の処方等又は調剤について」の一部改正について)
処方箋のどこを見ればいい?
2024年10月から、処方箋には次の2つの欄があります。当てはまる薬があるときに、医師が薬ごとに「✓」か「×」を書きます。
| 欄 | 意味 |
|---|---|
| 変更不可(医療上必要) | 医師が、医療上の必要があるので、ジェネリック医薬品に変えないほうがよいと判断した。特別の料金はかからない |
| 患者希望 | 患者の希望で、先発医薬品の名前で処方した。特別の料金の対象になる |
どちらの欄にも印がないときは、薬局でジェネリック医薬品に変えることができます。このとき先発医薬品を希望すると、特別の料金の対象になります。「患者希望」に印があっても、薬局で説明を聞いてジェネリック医薬品を選べば、特別の料金はかかりません。
医師も薬剤師も、ジェネリック医薬品を選べることや、特別の料金がかかることを、患者に説明することになっています。
(出典:厚生労働省「長期収載品の処方等又は調剤について」の一部改正について(第1の1〜4))
ジェネリック医薬品を希望するとき
- ジェネリック医薬品を希望するときは、医師や薬剤師に伝えて相談します
- 厚生労働省は、「ジェネリック医薬品希望シール」を用意しています。お薬手帳(飲んでいる薬の記録の手帳)などに貼って、医師や薬剤師に見せることができます。貼るのは義務ではありません
- 日本語で伝えにくいときは、この記事の表や、厚生労働省のチラシを見せて相談してもよいでしょう
困ったとき・よくある質問
薬の色や形がいつもと違う。間違いではない?
ジェネリック医薬品は、先発医薬品と添加剤が違うことがあり、色や形が違うことがあります。心配なときは、薬を受け取る前に薬剤師に確かめてください。
ジェネリック医薬品に変えたくないときは?
先発医薬品を選ぶことはできます。ただし、ジェネリック医薬品がある先発医薬品を自分の希望で選ぶと、特別の料金がかかります。医療上の理由があると思うときは、医師や薬剤師に相談してください。
ドラッグストアで買う薬(市販薬)にも特別の料金はかかる?
特別の料金は、病院や診療所で医師や歯科医師が処方する薬(医療保険を使う薬)で、先発医薬品を希望したときのしくみです。対象の薬の一覧は、厚生労働省「長期収載品の選定療養について」のページで見られます。
薬について日本語で相談しにくい
まずは、薬を受け取る薬局の薬剤師に相談してください。厚生労働省のリーフレットでは、ジェネリック医薬品についての問い合わせ先として、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の「くすり相談窓口」なども紹介しています。外国語で相談できる窓口は 日本で病気やけがをしたとき|病院・救急車・薬・医療保険・相談窓口の基本 も見てください。
(出典:厚生労働省「ジェネリック医薬品」リーフレット(お問い合わせ先)、厚生労働省「長期収載品の選定療養について」)

