この記事は、NIPPON VISA & LIFE編集部が、国や自治体などの公的機関の情報をもとに作成しています。ルールや料金は、お住まいの市区町村によって違うことがあります。
軽い病気やけがのときは、まず近くの診療所(クリニック)に行きます。受付ではマイナ保険証(健康保険証として使う登録をしたマイナンバーカード)か資格確認書を出してください。出さないと、医療費を全額払うことになります。大きな病院に紹介状なしで行くと、「特別の料金」がかかることがあります。
まず全体の流れ
- 行く医療機関を選ぶ(軽い病気やけがなら、近くの診療所・クリニック)
- できれば行く前に電話して、診療時間や、外国語で話せるかを確かめる
- 受付で、マイナ保険証か資格確認書を出す
- 問診票(今の症状などを書く紙)を書く
- 診察・検査・治療を受ける
- 会計(支払い)をする
- 薬が必要なときは、処方箋(医師が書く薬の指示書)を薬局に持って行き、薬を受け取る
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」、日本政府観光局(JNTO)「医療機関ご利用ガイド」)
急な病気やけがで救急車を呼ぶか迷うときは、日本で救急車を呼ぶには|119番のかけ方・伝えること・迷ったときの相談窓口(#7119)を見てください。
診療所と病院の違い
日本には多くの医療機関があり、それぞれ役割が分かれています。軽い病気やけがなら、身近な診療所に行きましょう。
| 医療機関 | どんなときに行くか |
|---|---|
| 診療所・クリニック | ふだんの病気やけがの治療 |
| 中小病院 | 手術や入院が必要なとき、救急の医療が必要なとき |
| 大病院 | 重い救急の患者、高度な医療が必要なとき |
紹介状なしで大きな病院に行くと「特別の料金」がかかることがある
一部の病院に外来の患者が集まりすぎないように、国の制度で、次の病院では、紹介状(ほかの医療機関の医師が書く紹介の手紙)を持たずに外来で受診した患者から、ふつうの自己負担(3割など)とは別に「特別の料金」を受け取ることになっています。
- 特定機能病院(大学病院など)
- 一般病床200床以上の地域医療支援病院
- 一般病床200床以上の紹介受診重点医療機関
| 区分 | 特別の料金(令和4年10月1日から) |
|---|---|
| 初診(はじめて受診するとき)・医科 | 7,000円以上 |
| 初診・歯科 | 5,000円以上 |
| 再診(病院からほかの医療機関への紹介状をもらったのに、同じ病院を受診するとき)・医科 | 3,000円以上 |
| 再診・歯科 | 1,900円以上 |
- 金額には消費税が含まれます。病院は、この金額以上の特別の料金を受け取ります。
- 救急の患者などには、病院は特別の料金を求めてはいけないことになっています。
- 厚生労働省は、まず住んでいる地域の医療機関を受診し、必要なときに紹介を受けるようお願いしています。
(出典:厚生労働省「紹介状を持たずに特定の病院を受診する場合等の『特別の料金』の見直しについて」、厚生労働省「制度案内リーフレット」)
何科に行けばいい?
病気やけがの様子によって、受診する科(診療科)が決まります。出入国在留管理庁のガイドブックは、例として次の科を紹介しています。
| 診療科 | 診てもらえるものの例 |
|---|---|
| 内科 | 内臓の病気。かぜなどの一般的な病気の診断や治療も行う |
| 外科 | がんやけがによる内臓の病気を、手術を中心に治療する |
| 小児科 | 子どもの病気 |
| 整形外科 | 骨・関節・筋肉など、体を動かす部分の病気 |
| 眼科 | 目の病気 |
| 歯科 | 歯の病気(治療・矯正など) |
| 産科 | 妊娠・出産に関係すること |
どの科に行けばよいか分からないときは、行く前に医療機関に電話で聞いてください。
医療機関の探し方
出入国在留管理庁のガイドブックは、次の探し方を紹介しています。
- 住んでいる市区町村が出している広報誌
- インターネット
- 医療情報ネット(ナビイ):全国の医療機関を検索できる、厚生労働省のサイト
- 日本政府観光局(JNTO)のサイト:外国語で、医療機関(都道府県が選んだ、外国人の患者を受け入れる拠点的な医療機関など)を探せる
JNTOのサイトでは、地域・診療科・対応できる言語(英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語など)・使えるクレジットカードなどで絞り込めます。ただし、対応できる言語や診療時間は、それぞれの医療機関に確かめる必要があります。JNTOは、受診する前に、できるだけ電話で連絡するよう案内しています。
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」、医療情報ネット(ナビイ)、日本政府観光局(JNTO)「医療機関ご利用ガイド」)
受付で出すもの
マイナ保険証か資格確認書
日本に住む人は、国籍に関係なく、公的医療保険(健康保険・国民健康保険など)に入ります。病院や診療所では、保険に入っていることを確かめるために、次のどちらかを出します。
- マイナ保険証を持っている人:マイナ保険証
- マイナ保険証を持っていない人:資格確認書
従来の健康保険証の有効期限は、2025年12月1日で終わっています。
マイナ保険証などを出さなかったときは、医療費を全額自分で払うことになります。
(出典:厚生労働省「資格確認方法について」、出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」)
マイナ保険証とは
健康保険証として使う登録(利用登録)をしたマイナンバーカードが、マイナ保険証です。利用登録は、医療機関や薬局の受付にある顔認証付きカードリーダーなどでできます。
- マイナンバーカードの中の電子証明書の有効期限に注意してください。電子証明書の有効期限は5年です(カードそのものの有効期限とは違います)。
- 2025年9月19日から、機器の準備ができた医療機関・薬局では、スマートフォンをマイナ保険証として使えるようになっています。
マイナンバーカードの作り方は、住んでいる市区町村で確かめてください。マイナンバーは、転入届(住所の届出)のあとに市区町村から知らされます(転入届と住民票|日本に来て住所が決まったら14日以内に市区町村へ(持ち物・流れ・引っ越しのとき))。
(出典:厚生労働省「資格確認方法について」、出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」)
資格確認書とは
マイナンバーカードを持っていない人や、マイナンバーカードの健康保険証の利用登録をしていない人などには、当分の間、資格確認書が、無料で、申請しなくても、入っている医療保険の保険者(会社の健康保険の組合や、市区町村の国民健康保険など)から届きます。資格確認書だけで受診できます。
- 様式や発行の形は、保険者によって違います。
- 有効期限は、5年以内で保険者が決めます。
- 分からないことは、入っている医療保険の保険者に聞いてください。
(出典:厚生労働省「資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)」)
マイナ保険証で受付ができなかったとき
機械の故障などで、マイナ保険証で確認ができなかったときは、次の方法で確認します。
- マイナンバーカード+マイナポータル(国のオンラインサービス)の資格情報の画面(ダウンロードしたPDFでもよい)
- マイナンバーカード+「資格情報のお知らせ」(マイナ保険証を持っている人に届く紙。紙に印刷したものだけが使える。スマートフォンの画面などで見せるのは無効)
- 上のどちらも持っていないときは、はじめて行った医療機関・薬局で「被保険者資格申立書」を書く
(出典:厚生労働省「資格確認方法について」)
働き始めたばかりで、まだ何もないとき
出入国在留管理庁のガイドブックは、就職してすぐでマイナ保険証の登録が済んでおらず、資格確認書も手元にないときなどは、いったん費用を全額払い、あとで申請して認められると、自己負担の分を除いたお金を「療養費」として受け取れると説明しています。申請のしかたは、入っている医療保険の保険者に聞いてください。
問診票と診察
- 受付のあと、問診票(今の症状などを書く紙)を書くことがあります。
- JNTOのサイトには、自分の医療情報を書いておくシートや、症状を指でさして伝えるシート(指さしシート)があります。前もって書いておくと、問診票を書くときに役立ちます。
- 診察では、医師の説明をよく聞いてください。分からないことは、その場で聞きましょう。
(出典:日本政府観光局(JNTO)「医療機関ご利用ガイド」)
支払い(会計)
公的医療保険を使うと、窓口で払うのは医療費の一部(自己負担)です。
| 年齢 | 自己負担の割合 |
|---|---|
| 6歳(小学校に入る前)未満 | 2割 |
| 70歳未満 | 3割 |
| 70歳から74歳まで | 2割(現役並みの所得がある人は3割) |
- 住んでいる市区町村によっては、子どもの医療費の助成があり、高校卒業まで医療費が無料のところもあります。
- 1か月に払った医療費が一定の額を超えたときは、超えた分が戻ってくる「高額療養費」という制度があります。上限の額は、年齢や所得によって違います。
- JNTOは、大きな病院ではクレジットカードが使えることが多い一方、クリニックでは現金で払うのが一般的だと案内しています。
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」、日本政府観光局(JNTO)「医療機関ご利用ガイド」)
薬の受け取り(薬局とドラッグストア)
- 医師が処方箋を出したときは、処方箋を薬局に持って行きます。薬局では、薬剤師が処方箋に従って薬を用意し、飲み方などを説明してから薬を渡します。
- 薬の代金は、ふつう、病院とは別に薬局で払います。ただし、病院の中で薬を出す医療機関もあります。
- ドラッグストアでは、処方箋がなくても買える薬(OTC医薬品)を買えますが、処方箋は受け付けていません。
- 薬には副作用があるので、使い方に注意が必要です。分からないことは、薬局やドラッグストアの薬剤師・登録販売者に相談してください。
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」、日本政府観光局(JNTO)「医療機関ご利用ガイド」)
よくある疑問
マイナ保険証や資格確認書を忘れたら?
出入国在留管理庁のガイドブックは、マイナ保険証などを出さなかったときは、医療費が全額自己負担になると説明しています。忘れたときにどうすればよいかは、受診する医療機関に聞いてください。
予約しないと行けない?
医療機関によって違います。JNTOは、受診する前に、できるだけ電話で連絡するよう案内しています。
大きな病院に直接行ってもいい?
受診はできますが、上で説明した病院では、紹介状がないと「特別の料金」がかかることがあります。軽い病気やけがなら、まず近くの診療所に行きましょう。
日本語が心配なとき・困ったときの相談先
- 住んでいる市区町村
- 住んでいる地域の国際交流協会
- NPO法人(外国語で相談に応じてくれることがあります)
- 医療安全支援センター:都道府県や、保健所のある市・特別区に、約400か所あります。医療についての相談ができます。
- 厚生労働省は、都道府県ごとの外国人向けの相談窓口(対応する言語・受付の時間)の一覧を出しています。
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」、医療安全支援センター、厚生労働省「都道府県相談窓口」)

