この記事は、NIPPON VISA & LIFE編集部が、国や自治体などの公的機関の情報をもとに作成しています。ルールや料金は、お住まいの市区町村によって違うことがあります。
会社の健康保険に入っていない人は、住んでいる市区町村の国民健康保険(こくみんけんこうほけん。「国保」ともいいます)に入ります。入るときも、やめるときも、14日以内に市区町村の窓口に届け出ます。この記事では、どんなときに入る・やめるのか、何を持って行くのかを、場面ごとに説明します。
まず結論:国民健康保険の入り方・やめ方
- 日本に住民登録をしていて、会社などの健康保険に入っていない75歳未満の人は、国民健康保険に入る
- 入るとき・やめるときは、14日以内に、住んでいる市区町村の国民健康保険の窓口に届け出る
- 届け出るのは、原則として世帯主(その家の代表の人)
- 会社の健康保険に入ったとき、別の市区町村に引っ越すとき、日本を出て住所がなくなるときは、やめる手続が必要
- 保険料は世帯ごとに決まる。所得が少ないときや会社を辞めさせられたときなどは、軽くなることがある
役所でする手続の全体は 日本に来たら役所でする手続|転入届・マイナンバー・国民健康保険・国民年金・住民税の基本 にまとめています。病院のかかり方は 日本で病気やけがをしたとき|病院・救急車・薬・医療保険・相談窓口の基本 を見てください。
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第6章 2-2 国民健康保険、厚生労働省「国民健康保険の加入・脱退について」)
日本の公的医療保険は2種類
日本に住む人は、国籍に関係なく、公的な医療保険に入ることになっています。主に次の2つがあります。
| 種類 | 入る人 | 手続をする人 |
|---|---|---|
| 健康保険(会社の保険) | 健康保険に入る必要がある会社で働く人(正社員、条件を満たすパート・アルバイトなど)と、その家族(被扶養者) | 会社 |
| 国民健康保険 | 上の健康保険に入っていない人(自営業、仕事をしていない人、留学生、会社の保険の条件に当てはまらないアルバイトなど) | 本人(世帯主)が市区町村で |
会社の健康保険に入っている人やその被扶養者(会社の保険で養われている家族)は、国民健康保険には入りません。どちらに入るか分からないときは、まず勤め先に「健康保険に入っていますか」と聞いてみてください。
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第6章 医療保険・2-1 健康保険、国民健康保険法 第5条・第6条)
国民健康保険に入る人・入らない人
入る人
住民登録をしていて、会社などの健康保険に入っていない75歳未満の人です。外国人も、次の「入らない人」に当てはまらなければ、国民健康保険に入る必要があります。
入らない人(外国人の場合)
- 在留期間が3か月以下の人(例外は下を見てください)
- 在留資格「短期滞在」の人
- 在留資格「特定活動」のうち、「医療を受ける活動」「その人の日常の世話をする活動」「観光、保養その他これらに類似する活動」をする人
- 在留資格「外交」の人
- 在留資格のない人
- 日本と医療保険を含む社会保障協定を結んでいる国の人で、本国の政府から「適用証明書」(本国の保険に入っている証明書)をもらっている人
在留期間が3か月以下でも、在留資格が「興行」「技能実習」「家族滞在」「特定活動」(上の医療・世話・観光などの活動を除く)で、資料によって3か月を超えて日本にいると認められる人は、加入できます。
75歳以上の人は、国民健康保険ではなく「後期高齢者医療制度」に入ります。
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第6章 2-2(1)・2-3)
入るとき・やめるときの手続
期限と窓口
- 入るとき・やめるときは、14日以内に届け出ます
- 届け出る先は、住んでいる市区町村の国民健康保険の窓口です。窓口の名前は「保険年金課」「国保年金課」など、市区町村によって違います
- 法令では、届け出るのは世帯主と決まっています。届書にはマイナンバー(個人番号)を書きます
国民健康保険の資格は、届け出た日ではなく、住所を持った日や会社の健康保険の資格がなくなった日などから始まります。例:横浜市では、保険料は届け出た月からではなく、国民健康保険に入った(前の保険をやめた)月の分からかかり、届出が遅れると、さかのぼって納めることになると案内しています。決まった日から14日以内に届け出てください。
(出典:厚生労働省「国民健康保険の加入・脱退について」、国民健康保険法 第7条〜第9条、国民健康保険法施行規則 第2条・第3条・第11条・第13条、横浜市「国民健康保険 保険料について」)
入る手続が必要なとき
| 場面 | すること |
|---|---|
| 日本に来て住所が決まった(会社の健康保険に入らない) | 転入届(住民登録)と一緒に、国民健康保険に入る手続をする |
| 会社を辞めて、会社の健康保険がなくなった | 国民健康保険に入る手続をする(家族も会社の保険の被扶養者だった場合は、家族も) |
| 別の市区町村から引っ越してきた | 新しい市区町村で入る手続をする |
| 子どもが生まれた | 子どもを国民健康保険に入れる手続をする |
転入届は、住所が決まってから14日以内です。詳しくは 転入届と住民票|日本に来て住所が決まったら14日以内に市区町村へ(持ち物・流れ・引っ越しのとき) を見てください。
やめる手続が必要なとき
| 場面 | すること |
|---|---|
| 就職などで、会社の健康保険に入った | 国民健康保険をやめる手続をする。会社の保険に入ったことが分かるものを持って行く |
| 別の市区町村に引っ越す | 今の市区町村でやめる手続をして、新しい市区町村で入る手続をする |
| 日本を出て、日本に住所がなくなる | 転出届と一緒に、国民健康保険をやめる手続をする |
会社の健康保険に入ったあとは、国民健康保険の資格確認書(保険の資格を示す書類)は使えません。
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第6章 2-2(2)、国民健康保険法 第6条・第8条・第9条、横浜市「国民健康保険の加入・脱退について」)
持ち物の例(例:横浜市の場合)
持ち物は市区町村によって違います。ここでは例として、横浜市の案内を紹介します。
| 場面 | 持ち物(横浜市の場合) |
|---|---|
| 職場の健康保険をやめて国民健康保険に入る | 資格がなくなった日が分かるもの(健康保険資格喪失証明書、マイナンバーカードとマイナポータルの資格の画面など)、本人確認書類 |
| 市外から引っ越してきた | 本人確認書類 |
| 子どもが生まれた | 母子健康手帳、窓口に来た人の本人確認書類 |
| 職場の健康保険に入って国民健康保険をやめる | 資格を得た日が分かるもの(資格確認書、資格情報のお知らせ、健康保険資格取得証明書、マイナポータルの資格の画面など)、今まで使っていた国民健康保険の資格確認書 |
| 市外に引っ越す | 今まで使っていた国民健康保険の資格確認書 |
横浜市では、資格がなくなったあとに国民健康保険の資格確認書などを使うと、市が負担した医療費を請求されることがあると案内しています。
お住まいの市区町村の持ち物は、市区町村のホームページで「(市区町村の名前) 国民健康保険 加入」「国民健康保険 脱退」などの言葉で調べられます。
会社を辞めたときの健康保険
会社を辞めると、会社の健康保険の資格はなくなります。次のどれかを選ぶことになります。
- 国民健康保険に入る:住んでいる市区町村で、14日以内に手続をします
- 会社の健康保険を続ける(任意継続):辞める前に続けて2か月以上会社の健康保険に入っていた人は、資格がなくなった日から20日以内に申し出ると、続けて入ることができます。申し出る先は、入っていた健康保険(協会けんぽや健康保険組合)です
- 家族の会社の健康保険の被扶養者になる:家族の勤め先を通じて手続をします
どれがよいか(保険料がいくらになるか)は人によって違います。市区町村の国民健康保険の窓口や、入っていた健康保険に聞いてください。
(出典:健康保険法 第3条第4項・第37条、厚生労働省「国民健康保険の加入・脱退について」)
保険料のしくみ
- 保険料は世帯ごとに計算され、入っている人の所得や人数などで決まります
- 保険料を納めるのは世帯主です
- 計算のしかたや納める時期は、市区町村ごとに条例で決まっています。金額は市区町村から届く通知で確かめてください
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第6章 2-2(3)、厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」)
保険料が軽くなることがあるとき
| 場面 | 内容 |
|---|---|
| 世帯の所得が少ない | 所得が基準より少ない世帯は、保険料の一部(均等割・平等割)が7割・5割・2割のどれかで減ります |
| 小学校に入る前の子どもがいる | 子どもの均等割の保険料の5割が減ります |
| 倒産・解雇・雇い止めなどで会社を辞めた | 雇用保険の「特定受給資格者」「特定理由離職者」になった人は、仕事を失ったときから翌年度の終わりまで、前の年の給与所得を100分の30として保険料を計算します |
| 災害など特別な事情で払うのが難しい | 保険料が減ったり、納める時期を待ってもらえたりすることがあります |
所得が少ない世帯・小学校に入る前の子ども・会社を辞めた人の軽減は、国の決まりにもとづく制度です。一方、保険料の計算のしかたや納め方、災害などのときの減免の扱いは、市区町村によって違います。会社を辞めた人の軽減を受けるための手続は、市区町村の窓口で確かめてください。保険料が払えないと思ったら、払う期限の前に、市区町村の国民健康保険の窓口に相談してください。
国民年金の保険料が払えないときの手続は 国民年金の保険料が払えないとき|免除・納付猶予の申請のしかた(所得の基準・窓口・持ち物・追納) にまとめています。
(出典:厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」)
国民健康保険で受けられること
| 給付 | 内容 |
|---|---|
| 医療費の自己負担 | 病院や薬局で払うのは、6歳(小学校に入る前)未満は2割、70歳未満は3割、70〜74歳は2割(現役並みの所得の人は3割) |
| 療養費 | 入った直後でマイナ保険証の登録が済んでおらず資格確認書もないときなどに、いったん全額払ったあと、申請して認められると、自己負担を超える分が戻る |
| 高額療養費 | 1か月に払った医療費が一定の額を超えたとき、超えた分が戻る |
| 出産育児一時金 | 入っている人が子どもを産んだとき、お金が支給される |
医療費が高くなったときは 医療費が高くなったとき|高額療養費制度のしくみ・上限額の目安・申請のしかた(2026年8月からの見直しにも対応) を見てください。
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第6章 2-2(4))
困ったとき・よくある質問
入る手続の前に病院に行ってもいい?
病院に行くことはできます。ただし、マイナ保険証の登録が済んでおらず、資格確認書も手元にないときは、いったん医療費を全額払うことがあります。あとで市区町村に申請して認められると、自己負担を超える分が「療養費」として戻ります。
会社の保険に入ったのに、国民健康保険をやめる手続をしていない
会社の健康保険に入った日から国民健康保険の資格はなくなりますが、やめる届出は自分(世帯主)でする必要があります。気づいたら、すぐに市区町村の窓口に届け出てください。
帰国するときは?
日本を出て日本に住所がなくなるときは、市区町村に転出届を出し、国民健康保険をやめる手続をします。最後の保険料の払い方は、市区町村の窓口で確かめてください。
日本語がよく分からない
市区町村の窓口のほか、住んでいる地域の国際交流協会などで、外国語で相談に応じてもらえることがあります。
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第6章 1-2・2-2、国民健康保険法 第8条・第9条)

