この記事は、NIPPON VISA & LIFE編集部が、国や自治体などの公的機関の情報をもとに作成しています。ルールや料金は、お住まいの市区町村によって違うことがあります。
日本で犬を飼う人は、法律で決まった3つのことをします。①市区町村に犬を登録する、②毎年1回、狂犬病の予防注射を受けさせる、③もらった「鑑札(かんさつ)」と「注射済票(ちゅうしゃずみひょう)」を犬に着ける、です。犬や猫をペットショップなどから買ったときは、マイクロチップの「変更登録」も必要です。
まず結論:飼い始めたらすること
| すること | 対象 | いつまでに | どこで |
|---|---|---|---|
| 犬の登録(鑑札をもらう) | 犬 | 犬を飼い始めた日から30日以内(子犬は下の説明) | 住んでいる市区町村 |
| 狂犬病の予防注射(注射済票をもらう) | 犬 | 毎年1回 | 動物病院、または市区町村の集合注射 |
| 鑑札と注射済票を犬に着ける | 犬 | いつも | ― |
| マイクロチップの変更登録 | マイクロチップが登録済みの犬・猫 | 飼い始めた日から30日以内 | オンライン(環境省の「犬と猫のマイクロチップ情報登録」) |
猫には、市区町村への登録や狂犬病の予防注射の義務はありません。マイクロチップの手続は、犬と猫の両方にあります。
日本で暮らすときのほかのマナーやルールは、日本で暮らすときに知っておきたいマナーとルール|家・電車やバス・温泉・近所付き合い・お酒とたばこ・休日 を見てください。
(出典:厚生労働省「狂犬病に関するQ&A」Q20、e-Gov法令検索「狂犬病予防法」第4条・第5条、環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録」マイクロチップ情報登録制度)
犬を飼うときの3つの義務(狂犬病予防法)
狂犬病(きょうけんびょう)は、人や動物が発症すると、ほぼ100%亡くなる病気です。日本では、人は1956年、動物は1957年を最後に発生していません。それでも、海外から入ってくる危険があるため、犬の飼い主には次の義務があります。
1. 犬の登録
- 犬を飼い始めた日から30日以内に、住んでいる市区町村に登録を申請します
- 生まれてから90日以内の子犬を飼い始めたときは、生まれてから90日を過ぎた日から30日以内です
- 登録すると「鑑札」(犬の登録番号が書かれた小さな札)がもらえます
2. 狂犬病の予防注射
- 毎年1回、犬に狂犬病の予防注射を受けさせます
- 毎年4月から6月が、狂犬病の予防注射の期間です
- 注射は、動物病院で受ける(個別注射)か、市区町村が行う「集合注射」で受けるかを、飼い主が選べます。集合注射をしていない市区町村もあります
- 注射を受けると、市区町村から「注射済票」(その年の注射を受けた証明の札)がもらえます
3. 鑑札と注射済票を着ける
鑑札と注射済票は、首輪などに着けて、いつも犬に着けておきます。
守らないとどうなる?
登録や予防注射をしていない犬、鑑札や注射済票を着けていない犬は、捕獲・抑留(保護して留めておくこと)の対象になります。飼い主は、20万円以下の罰金の対象になります。
費用と申込み方
登録や注射の申込み方・費用・集合注射の日程は、市区町村で違います。市区町村のホームページで「犬の登録」「狂犬病予防注射」と検索するか、市区町村の窓口(保健所や環境・衛生の担当課など)に聞いてください。
(出典:厚生労働省「狂犬病に関するQ&A」Q1・Q8・Q20・Q23・Q24・Q30、e-Gov法令検索「狂犬病予防法」第4条・第5条・第6条・第27条)
マイクロチップ(犬と猫)
マイクロチップとは
マイクロチップは、長さ8mmほどの小さな電子の札です。動物病院で、獣医師などが犬や猫の皮膚の下に入れます。15桁の番号が記録されていて、専用の読み取り機で読むと、データベースから飼い主の情報が分かります。迷子や災害で離ればなれになったときに、飼い主のもとに戻りやすくなります。GPSのように居場所が分かるものではありません。
ペットショップなどから買ったとき
ブリーダーやペットショップなどは、犬や猫を売る前にマイクロチップを入れて登録することが義務になっています。そのため、買った犬や猫は、すでに前の持ち主(お店など)の名前で登録されています。
- 飼い始めた日から30日以内に、「所有者の変更登録」をして、自分の情報に変えます
- お店から渡される「登録証明書」に書かれた暗証記号が必要です
- 手続は、環境省の「犬と猫のマイクロチップ情報登録」のサイトで、オンラインでできます
- 手数料は、オンラインなら400円です(紙の申請は手数料が違います)
知人や保護団体から譲り受けたとき
マイクロチップがすでに登録されている犬や猫を、登録証明書と一緒に譲り受けたときは、お店から買ったときと同じように、飼い始めた日から30日以内に「所有者の変更登録」をします。
マイクロチップが入っていない犬や猫
マイクロチップが入っていない犬や猫の飼い主は、マイクロチップを入れるよう努めることになっています(努力義務)。入れたときは、獣医師からもらう「マイクロチップ装着証明書」を使って、「マイクロチップ情報の登録」をします。
犬のマイクロチップと市区町村の登録
住んでいる市区町村が「狂犬病予防法の特例」という制度に参加していれば、犬のマイクロチップの登録の情報が市区町村に送られ、狂犬病予防法の犬の登録の申請をしたことになります。この場合、マイクロチップが鑑札の代わりになります。参加しているかどうかや手数料は、市区町村に確かめてください。
(出典:環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録」マイクロチップ情報登録制度、同「よくある質問」、e-Gov法令検索「動物の愛護及び管理に関する法律」第39条の2・第39条の5・第39条の6・第39条の7)
引っ越し・飼い主が変わる・亡くなったとき
| 場面 | 犬の登録(市区町村) | マイクロチップ(犬・猫) |
|---|---|---|
| 引っ越した | 30日以内に、引っ越し先の市区町村に届け出る | 30日以内に「登録事項の変更」(手数料なし) |
| 飼い主が変わった(譲った・譲り受けた) | 新しい飼い主が30日以内に届け出る | 新しい飼い主が30日以内に「所有者の変更登録」 |
| 亡くなった | 30日以内に市区町村に届け出る | すぐに「死亡等の届出」(手数料なし) |
犬や猫を人に譲るときは、マイクロチップの「登録証明書」も一緒に渡します。
引っ越しのほかの手続は、日本で引っ越すときの手続チェックリスト|転出届・転入届・在留カード・電気ガス水道・郵便の転送 を見てください。
(出典:e-Gov法令検索「狂犬病予防法」第4条、e-Gov法令検索「動物の愛護及び管理に関する法律」第39条の5・第39条の6・第39条の8、環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録」マイクロチップ情報登録制度、同「よくある質問」)
飼い主の責任とマナー
法律で決まっている飼い主の責任
動物愛護管理法(どうぶつあいごかんりほう)では、飼い主は次のことに努めることになっています。
- 動物の種類や習性に合わせて正しく飼い、健康と安全を守る
- 動物が人にけがをさせたり、周りの人に迷惑をかけたりしないようにする
- 逃げ出さないようにする
- できるかぎり、動物が命を終えるまで飼う(終生飼養)
- 増えすぎて飼えなくならないよう、繁殖に気をつける
犬や猫などを捨てること(遺棄)は犯罪です。1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。
散歩のマナー
環境省のガイドラインでは、次のように案内しています。
- 散歩のときは、ふんを入れる袋を持って行き、ふんは家に持ち帰って処理する
- 散歩のときも公園でも、犬にはリード(引きひも)を着ける。犬の放し飼いは原則として禁止されています
- 犬を自由に遊ばせたいときは、ドッグランなどを使う
アパート・マンション(集合住宅)で飼うとき
- 飼い始める前に、その建物で犬や猫を飼えるか、大きさや数の決まりはないかを確かめる。賃貸なら契約書、マンションなら管理規約を見て、大家さんや管理会社に聞く
- 鳴き声や、部屋の中を走り回る音に気をつける
- 共用部分(みんなで使う場所)のベランダに、犬や猫を出さない
- 決められた場所以外で、えさや水をあげたり、トイレやブラッシングをしたりしない
- 廊下やエレベーターなどの共用部分では、できるだけ抱いて移動する
近所の人との付き合い方は、日本で暮らすときに知っておきたいマナーとルール|家・電車やバス・温泉・近所付き合い・お酒とたばこ・休日 も見てください。
(出典:e-Gov法令検索「動物の愛護及び管理に関する法律」第7条・第44条、環境省「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」(PDF))
ペットと一緒に日本に来る・日本を出るとき
- 海外から犬や猫を日本に連れてくるときは、農林水産省の動物検疫所で輸入検疫(けんえき。病気を持ち込まないための検査)を受けなければなりません
- 着く前に、決められた期日までに動物検疫所に届け出ます。条件がそろっていないと、動物検疫所での留め置きが最長180日になることがあります。日本に来る前に、動物検疫所のホームページで手続を確かめてください
- 犬や猫を連れて日本から出国するときも、動物検疫所での検疫が必要です。マイクロチップを登録している場合は、「登録事項の変更」で「海外への引越し」を選んで変更します
(出典:農林水産省 動物検疫所「犬、猫を輸入するには」、厚生労働省「狂犬病に関するQ&A」Q26・Q31、環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録」よくある質問)
困ったとき・よくある質問
30日を過ぎてしまった。どうすればいい?
マイクロチップの変更登録について、環境省のサイトでは、法律に違反している状態になるので、すぐに手続をするよう案内しています。犬の登録も、気がついたらすぐに市区町村に相談してください。
日本の犬にかまれた。狂犬病は大丈夫?
厚生労働省によると、日本国内では狂犬病が発生していないので、感染の心配はありません。けがの手当てについては、病院に相談してください。病院のかかり方は 日本で病気やけがをしたとき|病院・救急車・薬・医療保険・相談窓口の基本 を見てください。
災害のときペットはどうする?
避難のときにペットとどう行動するかは、市区町村の防災の案内で確かめてください。迷子になったときのために、マイクロチップの登録や、首輪に迷子札を着けておくと役に立ちます。災害への備えは 日本の災害と緊急時の基本|119番・110番、地震・津波・大雨・火山、避難と多言語の情報 を見てください。
飼い方が分からない・困ったことがある
都道府県・指定都市・中核市の動物愛護の担当部署、動物愛護センター、保健所、獣医師会などに相談できます。マイクロチップの手続については、指定登録機関のコールセンター(03-6384-5320。月曜から土曜の9時から18時。日曜・祝日・1月1日から3日は休み)に問い合わせることができます。
(出典:環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録」よくある質問、厚生労働省「狂犬病に関するQ&A」Q13、環境省「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」(PDF))

