オンライン申請で在留カードを郵送で受け取ると、在留資格の変更などの許可は、新しいカードが届いた時に効力が生じます。届く日は申請する側では選べないため、前の会社の退職日より前にカードが届いてしまう、といった問題が起こります。
この記事では、きさらぎ行政書士事務所が実際に入管へ送った「在留カード交付日についてのお願い」の本文を、一部を伏せて公開し、書き方の意図を解説します。
題名の「指定する方法」は、カードを交付する時期について書面で配慮をお願いする方法のことで、日付を決められる公式の手続はありません。「発行日(許可日)」も、許可の効力が生じる時期(郵送ではカードが届いた時)のことで、カードに記録される「許可年月日」をお願いした日にできるという意味ではありません。
公式の情報は、2026年10月18日に出入国在留管理庁(入管庁)のページで確認したものです。
郵送で受け取ると、効力はカードが届いた時に生じる
郵送を選んだ場合、審査が終わると「審査完了」のメールが届きます。案内に従って、返信用のレターパックや今の在留カードなどを東京出入国在留管理局オンライン審査第二部門おだいば分室へ送ると、入管職員が届いた順に新しいカードを作って穴開けした古いカードと一緒に返送してくれます。
このとき許可の効力は「在留カードの送達を受けた時」から生じます。入管法も、在留資格の変更の許可は在留カードの交付の時に効力が生じると定めています。
届く日が早すぎると、次のような場面で困ります。
- 特定技能の転職:特定技能の人は、許可のときに働く会社(特定技能所属機関)が書かれた「指定書」を受け取ります。新しいカードと指定書が届いた時点で指定される会社が新しい会社に変わるため、前の会社の退職日より前に届くと、退職日までの数日を前の会社で働けなくなります。
- 技能実習から特定技能への変更:技能実習の修了前の人は、原則として特定技能への変更は認められていません。修了予定日より前にカードが届くと、修了の前に新しい在留資格に移ってしまうおそれがあります。
転職の手続の全体は特定技能の転職ガイド|本人・新しい会社・前の会社の手続と順番を一覧で解説にまとめています。
(出典:出入国在留管理庁「在留申請のオンライン手続 よくある質問」Q5-7・Q6-1・Q6-5・Q6-6・Q6-8、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第20条、出入国在留管理庁「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」p.17〜18・p.50)
実際に送った「在留カード交付日についてのお願い」の本文
特定技能の人の転職で、在留資格変更許可の審査が終わったものの、前の会社の退職日がまだ先だった場面で使った書面です。
実際の在留カード郵送交換で送付した書面を、個人が分からないよう一部を伏せた内容で掲載しています。「(氏名)」「(申請受付番号)」は伏せた所です。「令和○年○月○日」は退職日、「令和○年△月△日」はその翌日です。それ以外の言い回しは原本のままです。
在留カード交付日についてのお願い
| 氏名: | (氏名) |
| 申請種別: | 在留資格変更許可申請 |
| 申請受付番号: | (申請受付番号) |
この度、上記申請につき審査完了のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
当該外国人は令和○年○月○日をもって現在の所属機関を退職し、翌日以降に新たな所属機関において就労開始予定となっております。
つきましては、当該在留資格変更許可に係る在留カードの交付日につきまして、現在の所属機関との在籍関係との整合性を踏まえ、令和○年△月△日以降となるようご配慮いただけますと幸いです。
何卒ご高配賜りますようお願い申し上げます。
以上
この書面は、審査完了のメールを受けたあと、おだいば分室へ送る在留カードや指定書と一緒に送りました。
書き方の意図:この事例で意識したこと
- 冒頭の3行:分室には全国から書類が届くので、どの申請のお願いかがすぐ分かるよう、氏名・申請の種類・申請受付番号を最初に書きました。
- 退職日と就労開始の予定:日付を気にする理由を、事実の2点だけで書きました。使いまわしやすいように、会社名などは入れていません。
- 「△月△日以降」:特定の1日ではなく「この日以降」と幅を持たせました。届いた順にカードを作る流れの中で、配慮しやすい形だと考えたためです。
- お願いする言い方:交付日の調整は公式の手続ではなく、対応するかは入管の判断です。そのため求める書き方にはしていません。入管庁のよくある質問にも、決まった様式は載っていません。
当事務所の実務での経験(公式の案内ではありません)
1つの事務所の経験で、どの申請でも同じになるとは限りません。
- 当事務所からおだいば分室に電話で確認したところ、この方法でお願いすれば、基本的には配慮する方向で対応する、との回答でした(公表された案内ではありません)。
- 書類が分室に届いてから、おおむね3日〜2週間程度で新しいカードが発行されています。混み具合で大きく変わります。
- 混んでいるときに近すぎる日を指定すると、対応してもらえない可能性があります。「この日ちょうどに」という指定に応じてもらえるかも、はっきりしません。
- 退職日を書いたうえで「○月○日以降」とお願いすると、対応してもらえる可能性が高いと感じています。
上の本文は、この書き方で送った1件の事例です。配慮を約束するものではありません。
自分で書くときの注意
- 自分の事情に合わせる:そのまま写さず、退職日や修了予定日など自分の日付で書いてください。技能実習から変える場合は「修了予定日」と「その翌日以降」のように書き換えます。
- 「早く出してほしい」は控える:特例期間(在留期間の満了日までに申請した人が、処分がされる時か満了日から2か月がたつ時の早いほうまで在留できる期間)の期限の直前など、特別な事情がある場合を除いて控えましょう。入管庁は、カードの交付を受けないまま在留期限から2か月がたつと日本に滞在できなくなる、と注意しています。
- 急ぐときは窓口も考える:入管庁は、早く受け取りたい人には窓口での受け取りを勧めています。処理状況が「申請完了」「審査中」の間なら、システムで受領方法を窓口に変えられます。
- 予定が変わったら知らせる:退職日などが変わったら、早めにおだいば分室に連絡してください。
判断に迷うときは、申請取次を行う行政書士などの専門家に相談してください。
(出典:出入国在留管理庁「在留申請のオンライン手続 よくある質問」Q5-2・Q6-5・Q6-9・Q6-12、e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」第20条第6項)
まとめ
- 郵送で在留カードを受け取ると、許可の効力はカードが届いた時に生じ、届く日は選べません。
- 当事務所では、審査完了後に送る書類と一緒に「在留カード交付日についてのお願い」を送り、「○月○日以降」となるよう配慮をお願いしています。公式の手続ではなく、対応は入管の判断です。
- 早く出してほしいというお願いは、特別な事情がなければ控えましょう。

