この記事は、NIPPON VISA & LIFE編集部が、国や自治体などの公的機関の情報をもとに作成しています。ルールや料金は、お住まいの市区町村によって違うことがあります。
日本の公立の小学校・中学校は授業料がかかりませんが、ノートや体操着、給食、修学旅行などにはお金がかかります。お金の事情でこうした費用を払うのが難しい家庭には、市区町村が費用を援助する就学援助(しゅうがくえんじょ)という制度があります。申し込み先は市区町村によって違います。たとえば横浜市・大阪市では、子どもが通っている学校に申請書を出します。
外国籍の子どもを公立の小学校・中学校に入れる手続は、外国籍の子どもを日本の小学校・中学校に入れるには|公立学校の入学の手続・持ち物・費用にまとめています。子育ての手続の全体は、日本での子育て・教育の基本|妊娠・出産の手続、児童手当、健診と予防接種、保育園・幼稚園、小学校・中学校をご覧ください。
まず結論:就学援助の申し込みの流れ
申し込みのしかたは市区町村によって違います。ここでは、横浜市・大阪市の案内をもとに、よくある流れを示します。
- お知らせを読む:例:横浜市・大阪市では、学校で「就学援助制度のお知らせ」が配られます。市区町村のホームページにも載っています。
- 申請書を書く:お知らせについている申請書に記入します。
- 書類を付けて出す:所得を確かめる書類などを付けて出します。例:横浜市・大阪市では、子どもが通う学校に出します。
- 審査の結果を待つ:市区町村の教育委員会が審査し、結果が知らされます。
- 援助を受ける:認められると、決められた費用が援助されます。
就学援助は、学校教育法という法律の第19条に決まりがあります。経済的な理由で学校に通うのが難しいと認められる子どもの保護者に、市町村は必要な援助をしなければならない、という内容です。
(出典:文部科学省「就学援助制度について(就学援助ポータルサイト)」、e-Gov法令検索「学校教育法」)
就学援助を受けられる家庭
就学援助の対象は、大きく2つに分かれます。
| 区分 | どんな家庭か |
|---|---|
| 要保護者(ようほごしゃ) | 生活保護を受けている家庭など |
| 準要保護者(じゅんようほごしゃ) | 生活保護を受けている家庭に近いくらい生活が苦しいと、市区町村の教育委員会が認めた家庭 |
準要保護者として認められるかどうかの基準は、市区町村ごとに決められています。そのため、同じ収入でも、住んでいる市区町村によって結果が違うことがあります。
市区町村の案内では、たとえば次のような家庭が対象として挙げられています。
- 生活保護を受けている家庭
- 市民税が非課税の家庭(例:大阪市の場合)
- 児童扶養手当(ひとり親の家庭などがもらう手当)を受けている家庭
- 世帯全体の所得が、市区町村の決めた基準より少ない家庭
例:横浜市の場合、お知らせに所得の基準の表がありますが、表の金額は「目安」だとしています。所得から一定の金額を差し引いて審査するしくみもあるため、基準を超えていても認められる場合があります。横浜市は、生活が苦しい家庭は、まず申請するよう案内しています。
(出典:文部科学省「就学援助制度について」、横浜市「就学援助制度について」、大阪市「小・中・義務教育学校の就学援助」)
就学援助で援助される費用
国が補助の対象にしている費用には、次のようなものがあります。実際にどの費用が援助されるか、いくら援助されるかは、市区町村によって違います。
| 費用 | どんなものか |
|---|---|
| 学用品費 | ノート・鉛筆など、勉強に使う物 |
| 通学用品費 | 通学に使う物 |
| 新入学児童生徒学用品費等 | 小学校・中学校に入学するときに必要な物をそろえる費用 |
| 修学旅行費 | 修学旅行(学校で泊まりがけで行く旅行)の費用 |
| 校外活動費 | 遠足など、学校の外で行う活動の費用 |
| 学校給食費 | 学校の昼ごはん(給食)の費用 |
| 医療費 | 学校病(むし歯・中耳炎など、決められた病気)の治療費 |
| そのほか | 体育実技用具費、通学費、クラブ活動費、生徒会費、PTA会費、卒業アルバム代など、オンライン学習通信費 |
例:横浜市の場合、学校病(上の表の病気)の治療を受けるには、学校が出す「治療券」が必要です。先に学校に相談するよう案内しています。
(出典:文部科学省「就学援助制度について」、文部科学省「義務教育段階の就学援助(概要)(令和8年度)」、横浜市「就学援助制度のお知らせ(令和8年度)」)
申し込みのしかた
どこに申し込むか
申し込み先は市区町村によって違います。たとえば横浜市・大阪市では、子どもが通っている学校に申請書を出します。
- 例:横浜市の場合、学校で配られるお知らせについている申請書に記入し、証明書などを付けて学校に出します。受け付けるのは各学校の事務職員です。
- 例:大阪市の場合、通っている学校か、これから通う予定の学校に、直接持っていくか送って申請します。
申請書が手元にないときは、学校に聞いてください。市区町村のホームページから申請書をダウンロードできる場合もあります。
申請の時期
申請の時期は市区町村によって違います。学年が始まる4月ごろに受け付ける市区町村や、年度の途中で申し込める市区町村もあります。
| 例 | 申請の時期 |
|---|---|
| 横浜市 | 最初の申請は4月。追加の申請は7月から翌年の2月24日まで |
| 大阪市 | 6月末までに申請すると、4月1日から認められる。7月以降も申請できるが、認められるのは申請した日以降 |
申し込みが遅れると、援助を受けられる期間が短くなることがあります。お知らせが届いたら、早めに読んでください。
続けて受けたいときも毎年の申請が要るか
例:横浜市の場合、続けて援助を受けたいときも、毎年度申請が必要です。子どもが2人以上いる家庭は、横浜市では子ども1人につき1枚の申請書を出します。お住まいの市区町村でも、毎年の申請が要るか確かめてください。
(出典:横浜市「就学援助制度のお知らせ(令和8年度)」、大阪市「小・中・義務教育学校の就学援助」)
必要な書類と所得の確認
審査では、世帯の所得(1年間の収入から必要な経費などを引いた金額)を確かめます。所得を確かめる書類として、課税証明書(市区町村が出す、所得と住民税の金額を証明する書類)や、源泉徴収票(会社が出す、1年間の給料と引かれた税金の書類)などが求められることがあります。
課税証明書の取り方は、課税証明書・非課税証明書・納税証明書の取り方|どの市区町村で取るか、年度と所得の年、窓口・郵送・コンビニ、申告していないときで説明しています。
例:横浜市の場合、決められた条件に当てはまり、教育委員会が所得などを確かめることに同意すると、証明書を付けなくてもよいことになっています。条件は、その年の1月1日に横浜市に住民登録をしていて、住民票と同じ名前で税の申告をしていることなどです。
日本に来たばかりで、日本での所得の記録がない人もいます。どの書類を出せばよいか分からないときは、学校か市区町村の教育委員会に相談してください。
困ったとき・よくある疑問
外国籍の家庭でも申し込める?
文部科学省の説明では、就学援助の対象は、経済的な理由で学校に通うのが難しいと認められる子どもの保護者です。国籍の条件は書かれていません。横浜市・大阪市の案内も、市立の小学校・中学校に通う子どもの保護者を対象にしています。くわしい条件は、お住まいの市区町村で確かめてください。
日本語のお知らせが読めないときは?
外国語のお知らせを用意している市区町村があります。例:横浜市の場合、やさしい日本語、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語、タガログ語などのお知らせがあります。文部科学省も、やさしい日本語と英語の制度の説明(チラシ)を出しています。お住まいの市区町村のホームページで「就学援助」と検索するか、学校に外国語のお知らせがあるか聞いてみてください。
入学の準備にかかるお金を、入学の前に受け取れる?
入学の準備にかかるお金(新入学児童生徒学用品費等)を、入学する前に支給する市区町村があります。例:大阪市は、次の年度に小学校・中学校に入学する子ども(新1年生)向けのお知らせと申請書を別に出しています。早い時期に申請して認められると、入学準備補助金を入学の前に受け取れる予定だと案内しています。お住まいの市区町村で、入学前に申し込めるか確かめてください。
外国人学校や私立の学校に通っている場合は?
就学援助は、主に公立(市区町村立)の小学校・中学校に通う子どもが対象です。市区町村によっては、別の制度があります。例:横浜市の場合、市内に住む外国籍の子どもが市内の外国人学校(初級部・中級部)に通うときは、「私立学校等就学奨励制度」の対象になります。
給食費はどうなる?
学校給食費は、就学援助の対象の費用の1つです。給食費の扱いは市区町村によって違います。例:横浜市の場合、令和8年度は小学校の給食費を実質無償にし、中学校の給食費は就学援助が認められたあと無償になる、と案内しています。
(出典:文部科学省「就学援助制度概要(やさしい日本語版)」、横浜市「就学援助制度について」、大阪市「小・中・義務教育学校の就学援助」、大阪市「令和9年度 就学援助制度のお知らせ(早期1)」)
就学援助の問い合わせ先
就学援助の問い合わせ先は、子どもが通っている学校か、市区町村の教育委員会です。文部科学省も、認定の基準や援助される費用など、くわしいことは住んでいる市町村に問い合わせるよう案内しています。
- 例:横浜市の場合:通っている学校か、教育委員会 学校支援・地域連携課 就学係(電話 045-671-3270)
- 例:大阪市の場合:通っている学校か、教育委員会事務局 学校運営支援センター 事務管理担当(就学支援)(電話 06-6115-7653)
調べるときは、「(市区町村の名前) 就学援助」で検索すると、お知らせや申請書のページが見つかります。

