この記事は、NIPPON VISA & LIFE編集部が、国や自治体などの公的機関の情報をもとに作成しています。ルールや料金は、お住まいの市区町村によって違うことがあります。
日本では、子どもの予防接種の多くを、住んでいる市区町村が「定期接種」として行っています。決められた年齢のあいだに、住んでいる市区町村の中で受ければ、公費(税金)で受けられます(例:横浜市では、対象の期間の接種は無料)。外国籍の子どもも対象です。種類・時期・受け方を説明します。
まず結論:子どもの予防接種の受け方
- 住んでいる市区町村から、予診票(接種の前に体の様子などを書く紙)と案内が届く。届かないとき、引っ越してきたときは、市区町村の予防接種の担当の窓口に聞く
- 市区町村の案内で、接種できる病院・診療所を選び、予約する
- 当日は、母子健康手帳(子どもの健康の記録の手帳)・予診票・住所と生年月日が分かるものを持って、保護者が一緒に行く
- 医師の診察(予診)を受けてから接種する。接種したことは母子健康手帳に書いてもらう
届く時期や手続のしかたは、市区町村によって違います。
(出典:厚生労働省「定期接種実施要領」、出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第4章 出産・子育て、例として横浜市「こどもの予防接種について」)
子育てと教育の記事は 日本での子育て・教育の基本 にまとめていきます。
予防接種は2種類:定期接種と任意接種
| 種類 | どんなもの | 費用 |
|---|---|---|
| 定期接種 | 予防接種法という法律で決められた予防接種。市区町村が対象の人に案内する | 決められた年齢のあいだに、住んでいる市区町村の中で受ければ公費(例:横浜市では無料) |
| 任意接種 | 定期接種のほかに、希望して受ける予防接種(例:おたふくかぜ〈流行性耳下腺炎〉、季節性インフルエンザ。定期接種の年齢を過ぎてから受ける場合も) | 原則として自分で払う |
- 子どもの定期接種(A類疾病という区分)は、対象の子ども全員に受けることが勧められています
- 定期接種の年齢を過ぎると、多くの場合、任意接種(自己負担)になります。年齢を過ぎないように気をつけてください
- 市区町村によっては、年齢を過ぎた場合などに、独自に費用を助成していることがあります(例:横浜市)
(出典:厚生労働省「予防接種・ワクチン情報 よくある質問」Q2、出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第4章 4-3 予防接種)
子どもの定期接種の種類と時期
厚生労働省の一覧にある、子どもの定期接種です。「始める時期」は標準的な年齢です。細かいスケジュール(間隔・回数)は、母子健康手帳、市区町村の案内、接種する医療機関で確かめてください。
| ワクチン | 防ぐ病気 | 始める時期の目安 | 回数 |
|---|---|---|---|
| ロタウイルスワクチン(飲むワクチン) | ロタウイルス感染症 | 生後2か月から | 2回または3回(ワクチンの種類による) |
| 5種混合ワクチン | ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ・Hib感染症 | 生後2か月から | 4回(初回3回+追加1回) |
| 子どもの肺炎球菌ワクチン | 子どもの肺炎球菌感染症 | 生後2か月から | 初回+追加(始めた月齢で回数が違う) |
| B型肝炎ワクチン | B型肝炎 | 生後2か月から | 3回 |
| BCGワクチン | 結核 | 生後5か月から(標準は生後5〜8か月) | 1回 |
| MRワクチン | 麻しん(はしか)・風しん | 1歳と、小学校に入る前の1年間 | 2回 |
| 水痘ワクチン | 水痘(水ぼうそう) | 1歳から | 2回 |
| 日本脳炎ワクチン | 日本脳炎 | 3歳から(2期は9歳) | 1期3回+2期1回 |
| DTワクチン | ジフテリア・破傷風 | 11歳から | 1回 |
| HPVワクチン | ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がんなど) | 小学6年〜高校1年相当の女子(標準は12歳から) | 2回または3回(始めた年齢による) |
- ロタウイルスワクチンは、初回を生後14週6日までに受けることになっています(生後15週以降の初回はおすすめされていません)。赤ちゃんが生まれたら、早めに市区町村の案内を確かめてください
- 妊娠中の人が受けるRSウイルスワクチンも定期接種です(妊娠28週から36週のあいだに1回。生まれた赤ちゃんをRSウイルス感染症から守るためのもの)
(出典:厚生労働省「予防接種・ワクチン情報」ワクチンを一覧で見る、各ワクチンのページ(ロタウイルス・5種混合・子どもの肺炎球菌・B型肝炎・BCG・MR・水痘・日本脳炎・DT・HPV・RSウイルス))
全部の予定を1枚で見たいときは、国立健康危機管理研究機構(JIHS)の「日本の予防接種スケジュール」(PDF)が参考になります。
受け方:予診票・予約・持ち物
1. 予診票と案内が届く
市区町村は、定期接種の対象の子どもの保護者に、予防接種の種類・受ける時期・場所・注意することなどを、前もって知らせることになっています。知らせ方は、原則として一人ひとりへの個別の通知です。
例:横浜市の場合、生後2か月・1歳・3歳・9歳・11歳になる日、小学校入学の1年前、中学校入学前(HPVワクチン。女子だけ)を目安に、家に案内と予診票を送っています。
市区町村によっては、マイナポータル(国の行政サービスのサイト)でお知らせを送ったり、紙の予診票のかわりに「デジタル予診票」を使ったりしています。
(出典:厚生労働省「定期接種実施要領」第1 総論 2、横浜市「こどもの予防接種について」)
2. 病院・診療所を選んで予約する
接種は、市区町村に協力する病院・診療所で受ける「個別接種」が原則です(決められた日に会場で受ける「集団接種」をしてもよいことになっています)。どこで受けられるかは、届いた案内か、市区町村のホームページで確かめてください。調べるときは「(市区町村の名前) 予防接種」で検索します。
病院のかかり方は 日本での病院のかかり方|病院と診療所の選び方・受付で出すもの・問診票・支払い・薬 も読んでください。
3. 当日に持って行くもの
例:横浜市の案内では、次のものを持って行きます。市区町村によって違うことがあるので、届いた案内で確かめてください。
- 母子健康手帳(または、予防接種済証など、これまでの接種の記録が分かるもの)
- 子どもの名前・生年月日・住所が分かるもの(マイナンバーカード、子どもの医療証など)
- 予診票(家で前もって書いておく)
接種には、原則として保護者が一緒に行きます。保護者が行けず、祖父母などが一緒に行くときは、委任状(代わりに行く人に任せることを書いた紙)が必要になることがあります。
(出典:横浜市「こどもの予防接種について」、厚生労働省「定期接種実施要領」)
4. 予診票は日本語で書く?
予診票は、子どもの体の様子・病気・アレルギーなどを書く、大切な紙です。市区町村によっては、外国語の予診票の見本を用意しています(例:横浜市では英語・中国語の見本があり、見本を見ながら正式な予診票に書き写します)。国は、市区町村に、外国籍の人にも多言語で知らせるよう努めることを求めています。分からないときは、市区町村の窓口か、接種する医療機関に聞いてください。
(出典:厚生労働省「定期接種実施要領」第1 総論 2(3)、横浜市「こどもの予防接種について」)
接種の前と後に気をつけること
- 予防接種は、体の調子がよいときに受けるのが原則です。はっきりした熱がある、重い急な病気にかかっている、などのときは受けられません
- いつもと様子が違うときは、受けられるかどうかを、接種する医師に相談してください
- 接種のあとは、しばらく医療機関の中で待ち、体の様子に変わりがないことを確かめてから帰ります
- 接種のあと、気になる症状があったときは、まず接種した医療機関の医師に相談してください
- 2つ以上のワクチンを同じ日に受ける「同時接種」は、医師が必要と認めた場合にできます
どのワクチンを受けるか、体の状態で受けられるかは、医師と相談して決めてください。
(出典:厚生労働省「予防接種・ワクチン情報 よくある質問」Q4・Q6、厚生労働省「定期接種実施要領」第1 総論 18、出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第4章 4-3)
困ったとき・よくある疑問
外国から日本に来た・ほかの市区町村から引っ越してきたときは?
まず、住んでいる市区町村の予防接種の担当の窓口に相談します(例:横浜市では、まだ受けていない予防接種の予診票を区の窓口で受け取ります)。そのとき、これまでの接種の記録(母子健康手帳や、母国で受けた予防接種の記録)と、子どもの名前・生年月日・住所が分かるものを持って行きます。
海外で受けた予防接種は、医師の判断と保護者の同意で、受けた回数として数えられることがあります。どれを受ければよいかは、市区町村の窓口や医師に相談してください。
(出典:厚生労働省「定期接種実施要領」第1 総論 8、例として横浜市「こどもの予防接種について」よくあるご質問 Q4)
転入届のことは 転入届と住民票|日本に来て住所が決まったら14日以内に市区町村へ(持ち物・流れ・引っ越しのとき) を読んでください。
母子健康手帳はどこでもらえる?
母子健康手帳は、妊娠の届出をした人に市区町村が渡します。乳幼児のときだけでなく、小学校・中学校・高校の年齢の予防接種の記録も書けるようになっています。国(こども家庭庁)の「母子健康手帳情報支援サイト」に、育児の情報があります。母子健康手帳を持っていない子どもの場合は、市区町村の窓口に相談してください。
(出典:出入国在留管理庁「生活・就労ガイドブック」第4章 1-1、厚生労働省「定期接種実施要領」第1 総論 16)
定期接種の年齢を過ぎてしまったら?
定期接種の年齢を過ぎると、多くの場合は任意接種(自己負担)になります。ただし、重い病気で長いあいだ治療していたなどの特別な事情で受けられなかった場合は、事情がなくなってから原則2年のあいだ、定期接種として受けられることがあります(ワクチンによって年齢の上限があります)。市区町村によっては、独自に費用を助成していることもあります。まず市区町村の窓口に相談してください。
(出典:厚生労働省「定期接種実施要領」第1 総論 19、厚生労働省「予防接種・ワクチン情報 よくある質問」Q2)
里帰りなどで、ほかの市区町村や病院で受けたいときは?
定期接種は、住んでいる市区町村の中で受けるのが基本です。里帰りや長い入院などで、住んでいる市区町村の外で受けたいときは、前もって住んでいる市区町村に相談してください。市区町村によっては、事前の申請で、あとから費用を払い戻す(償還払い)などの方法があります。相談せずに受けると、費用が自己負担になることがあります。
(出典:厚生労働省「定期接種実施要領」第1 総論 20、横浜市「こどもの予防接種について」よくあるご質問 Q2)
予防接種のあと、重い健康の問題が出たときは?
定期接種などで健康被害が出た場合に、医療費や障害年金などを給付する「予防接種健康被害救済制度」があります。申請を受けて、国の審査会が審査します。相談と請求の窓口は、予防接種を受けたときに住民票があった市区町村です。
(出典:厚生労働省「予防接種・ワクチン情報」健康被害救済について、厚生労働省「予防接種健康被害救済制度」)
保育園や学校に入るときに、接種の記録を聞かれた
母子健康手帳が、接種の記録になります。例:横浜市は、接種の記録(母子健康手帳など)は学校に入るときや海外に行くときに必要になることがあるので、一生大切に保存するよう案内しています。外国籍の子どもの小学校・中学校への入学は 外国籍の子どもを日本の小学校・中学校に入れるには|公立学校の入学の手続・持ち物・費用 を読んでください。
(出典:例として横浜市「こどもの予防接種について」よくあるご質問 Q7)

