この記事は、NIPPON VISA & LIFE編集部が、国や自治体などの公的機関の情報をもとに作成しています。ルールや料金は、お住まいの市区町村によって違うことがあります。
日本では、会社は人を雇うときに、給料や働く時間などの条件(労働条件)を働く人に示さなければなりません。大切な項目は、書面で渡すことが法律で決まっています。働き始める前に書面をもらい、内容を確かめて、大切に保管しましょう。
まず結論:働き始める前にすること
- 会社から、労働条件が書かれた書面(労働条件通知書など)をもらう
- 下の表の項目(契約期間・働く場所と仕事・時間・休日・賃金・退職)が書かれているか確かめる
- 分からない言葉や数字は、働き始める前に会社に質問する
- 書面は、働いている間も辞めたあとも保管する
- 書面をもらえない、書面と実際の条件が違うときは、労働基準監督署や外国語の相談窓口に相談する
仕事探しと働き方の全体は 日本での仕事探しと働き方の基本|ハローワーク・労働条件・給料と残業・有給休暇・辞めるとき・相談先 にまとめています。
労働条件通知書とは
労働基準法という法律で、会社(使用者)は、働く人と労働契約を結ぶときに、賃金(給料)や労働時間などの労働条件を示さなければならないと決まっています。このうち大切な項目は、書面を渡す方法で示さなければなりません。
この書面の例が、厚生労働省が見本(モデル様式)を出している「労働条件通知書」です。会社から渡される書面の名前は、「雇用契約書」などの場合もあります。大切なのは、名前ではなく、下の表の項目が書かれているかどうかです。
- 書面は、紙で渡すのが基本です
- 働く人が希望した場合は、ファクスや電子メールなどで受け取ることもできます。電子メールなどの場合は、働く人がそれを印刷して書面にできるものに限られます
(出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第15条、e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」第5条)
必ず書面でもらう項目
次の項目は、すべての人に書面で示すことが決まっています。正社員だけでなく、パート・アルバイトなども同じです。
| 項目 | 書面で確かめること |
|---|---|
| 契約期間 | 期間の決まりがない契約か、期間がある契約(例:1年)か |
| 契約の更新 | 期間がある契約で、更新することがある場合:更新するかどうかを何で決めるか、更新の上限(何回まで・通算何年まで)があるか |
| 働く場所と仕事 | 雇われた直後の働く場所と仕事の内容、それが将来どこまで変わることがあるか(変更の範囲) |
| 時間 | 仕事が始まる時刻と終わる時刻、決められた時間を超えて働くこと(残業)があるか、休憩時間、交替制で働く場合の決まり |
| 休日・休暇 | 休みの日、休暇(年次有給休暇など) |
| 賃金 | 給料の決め方・計算のしかた・払い方、締め日(給料を計算する区切りの日)と支払日 |
| 退職 | 辞めるときの決まり(解雇の理由を含む) |
このほか、昇給(給料が上がること)についても示すことになっています。また、会社に決まりがある場合は、退職金、ボーナス(賞与)、働く人が負担する食費や作業用品などの費用、安全と衛生、職業訓練、仕事中のけがの補償、表彰と制裁、休職についても示すことになっています。労働基準法では、これらを書面で示すことまでは決まっていません(制度があれば、口頭か書面などで示します)。
ただし、パートタイムで働く人と、期間がある契約で働く人には、パートタイム・有期雇用労働法という別の法律で、昇給・賞与・退職金があるかどうかと、会社の相談窓口も、書面などで示すことが決まっています。
(出典:厚生労働省「労働条件通知書(一般労働者用;常用、有期雇用型)」記載要領3)
2024年4月から追加された項目
2024年4月から、労働条件を示すルールが変わり、次の項目が追加されました。
| 対象 | 追加された項目 |
|---|---|
| すべての人(契約を結ぶとき、期間がある契約を更新するとき) | 働く場所と仕事の変更の範囲(将来の配置転換などで変わることがある範囲) |
| 期間がある契約の人(契約を結ぶとき、更新するとき) | 更新の上限があるかどうかと、その内容(通算の契約期間または更新の回数の上限) |
| 期間がある契約を同じ会社で通算5年を超えて更新し、期間の決まりがない契約に変えてもらう申込み(無期転換の申込み)ができるようになる人(その更新のとき) | 無期転換を申し込めること、無期転換したあとの労働条件 |
最初の契約のあとで更新の上限を新しく決めるときや、上限を短くするときは、会社はその理由を前もって説明することが必要になりました。
(出典:厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」、厚生労働省リーフレット「2024年4月から労働条件明示のルールが変わりました」)
書面のどこを見ればよいか(見本で確認)
厚生労働省の労働条件通知書の見本では、項目が次のように並んでいます。会社から渡される書面は、形が違うことがあります。同じ項目がどこに書かれているかを探して、確かめましょう。

出典:厚生労働省「労働条件通知書(一般労働者用;常用、有期雇用型)」

出典:厚生労働省「労働条件通知書(一般労働者用;常用、有期雇用型)」
とくに確かめたいポイント
- A 契約期間と更新:期間がある契約なら、終わる日と、更新があるかどうか、更新の上限を見ます
- B 働く場所と仕事:「雇入れ直後」と「変更の範囲」の両方を見ます
- C 時間:始まる時刻・終わる時刻、休憩時間、残業が「有」か「無」かを見ます。残業代のしくみは 日本の残業と残業代のルール|労働時間・休憩・休日と、割増賃金(25%・35%・50%)の基本 で説明しています
- D 休日・休暇:休みの曜日や日数、年次有給休暇の日数を見ます
- E 賃金:時給・日給・月給の金額、手当、締め日と支払日、払い方(銀行振込など)を見ます。「控除」(給料から差し引くもの)がある場合は、何を差し引くかも見ます。金額が最低賃金を下回っていないかは 日本の最低賃金の調べ方|都道府県ごとの金額(令和8年度)と、自分の給料が下回っていないかの計算方法 で確かめられます
- F 退職:自分から辞めるときに何日前までに届け出るか、どんなときに解雇されることがあるかを見ます
- G 社会保険など:厚生年金・健康保険・雇用保険に入るかどうかを見ます
外国語の見本と説明
厚生労働省の「確かめよう労働条件」のサイトでは、外国人の働く人のために、労働条件通知書の見本と、働くときのルールをまとめた「労働条件ハンドブック」を、日本語と13の外国語(英語・中国語・ポルトガル語・スペイン語・タガログ語・ベトナム語・ミャンマー語・ネパール語・韓国語・タイ語・インドネシア語・クメール語・モンゴル語)で公開しています。日本語の書面と見比べると、項目の意味が分かりやすくなります。
(出典:厚生労働省「確かめよう労働条件」FOR FOREIGN WORKERS)
困ったとき・よくある心配
書面をもらえないときは?
大切な項目は書面で示すことが決まっています。まず会社に「労働条件を書面でください」と頼みましょう。もらえないときは、働く場所を担当する労働基準監督署か、下の外国語の相談窓口に相談できます。
書面と実際の条件が違ったら?
会社は、示す労働条件を事実と違うものにしてはいけないことになっています。示された労働条件が事実と違う場合は、働く人はすぐに労働契約をやめる(解除する)ことができると、労働基準法で決まっています。働くために住む場所を変えた人が、契約をやめた日から14日以内に帰郷するときは、会社が必要な旅費を負担することになっています。
ただし、実際に契約をやめるかどうかは、生活や在留にも関わる大きな判断です。一人で決める前に、労働基準監督署や相談窓口に相談しましょう。
(出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第15条、e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」第5条)
「辞めたら罰金」と書いてあったら?
労働基準法では、会社が次のような契約をすることを禁止しています。書面にこのような内容があったら、相談窓口に相談しましょう。
- 契約を守らなかったときの違約金(罰金)や、損害賠償の金額を前もって決めておくこと
- 働くことを条件に前もって貸したお金(前借金)と、給料を差し引きすること(相殺)
- 労働契約と一緒に、貯金をさせる契約をすることや、会社が働く人の貯金を管理する契約をすること
(出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第16条・第17条・第18条)
書面はいつまで持っていればいい?
厚生労働省の見本には、労働条件通知書は、働く人と会社の間のトラブルを防ぐために保管しておくことをすすめる、と書かれています。働いている間はもちろん、辞めたあとも、すぐに出せる場所に保管しておきましょう。スマホで写真を撮っておくのも一つの方法です。
外国語で相談できる窓口
労働条件について、外国語で電話相談ができます(2026年10月現在。開設する曜日や時間が一時的に変わることがあります。年末年始〈12月29日〜1月3日〉は除きます)。
外国人労働者向け相談ダイヤル(平日 午前10時〜午後3時。正午〜午後1時を除く。通話料がかかります:固定電話から180秒ごとに9.35円、携帯電話から30秒ごとに22円〈税込〉)
| 言語 | 曜日 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 英語 | 月〜金 | 0570-001-701 |
| 中国語 | 月〜金 | 0570-001-702 |
| ポルトガル語 | 月〜金 | 0570-001-703 |
| タガログ語 | 月〜金 | 0570-001-705 |
| ベトナム語 | 月〜金 | 0570-001-706 |
| ミャンマー語 | 火・水・金 | 0570-001-707 |
| ネパール語 | 月〜金 | 0570-001-708 |
| 韓国語 | 火〜金 | 0570-001-709 |
| タイ語 | 火・木 | 0570-001-712 |
| インドネシア語 | 火・木 | 0570-001-715 |
労働条件相談ほっとライン(無料。平日 午後5時〜午後10時、土日・祝日 午前9時〜午後9時。労働局と労働基準監督署が閉まっている時間に相談できます)
| 言語 | 曜日 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 日本語 | 毎日 | 0120-811-610 |
| 英語 | 毎日 | 0120-531-401 |
| 中国語 | 毎日 | 0120-531-402 |
| ポルトガル語 | 月〜土 | 0120-531-403 |
| タガログ語 | 火・水・土 | 0120-531-405 |
| ベトナム語 | 火・水・金〜日 | 0120-531-406 |
| ミャンマー語 | 水・日 | 0120-531-407 |
| ネパール語 | 水・日 | 0120-531-408 |
| 韓国語 | 木・日 | 0120-613-801 |
| タイ語 | 木・日 | 0120-613-802 |
| インドネシア語 | 木・日 | 0120-613-803 |
このほか、一部の都道府県労働局や労働基準監督署には「外国人労働者相談コーナー」があり、窓口で外国語で相談できます。場所と言語は、下の厚生労働省のページで都道府県から探せます。
(出典:厚生労働省「確かめよう労働条件」外国人労働者向け相談機関)

