この記事は、NIPPON VISA & LIFE編集部が、国や自治体などの公的機関の情報をもとに作成しています。ルールや料金は、お住まいの市区町村によって違うことがあります。
借りている部屋のエアコンや給湯器(お湯をつくる機械)が壊れたら、まず家主(大家)か管理会社に連絡します。住むために必要な修理は、原則として家主が行い、費用も家主が払います。ただし、入居者の使い方が原因で壊れたときは、入居者が払います。
部屋を借りるときから出るときまでの全体の流れは、日本で部屋を借りる・引っ越すときの流れ|部屋探し・契約・初期費用・入居・住むときのルール・退去にまとめています。
まず結論:設備が壊れたときの流れ
- 安全を確かめる:水があふれている、焦げたにおいがするなど、危ないときは、その機械を使うのをやめます。
- 家主か管理会社に連絡する:いつから・どこが・どう壊れたかを伝えます。写真や動画を撮っておくと説明しやすくなります。
- 修理の日を決める:家主が修理の業者を手配するのが一般的です。家主が修理をするときは、入居者は原則として断ることができません。
- 費用を確かめる:だれが払うかは、壊れた原因と契約書の内容で決まります。修理の前に確かめましょう。
自分で業者を呼んで直す前に、まず家主か管理会社に連絡しましょう。先に自分で直すと、費用を返してもらえるかどうかで、もめることがあります。
(出典:e-Gov法令検索「民法」第606条・第615条、国土交通省「賃貸住宅標準契約書」第9条)
連絡するのは「家主」か「管理会社」
賃貸住宅では、部屋の持ち主を「家主」または「大家(おおや)」といいます。家主から頼まれて、建物や部屋の管理をしている会社を「管理会社」といいます。
- 連絡先は、賃貸借契約書(部屋を借りるときの契約書)や、入居のときにもらった書類に書いてあることが多いです。
- 分からないときは、部屋を紹介してくれた不動産店に聞きましょう。
- 会社の寮や社宅に住んでいる人は、会社の担当の人にも、どこに連絡すればよいか聞いてみましょう。
日本の法律(民法)では、部屋に修理が必要なとき、入居者は遅れずに家主に知らせなければならないと決まっています(家主がすでに知っているときを除く)。小さな故障でも、放っておくと大きな故障になることがあります。気づいたら早めに連絡しましょう。
(出典:e-Gov法令検索「民法」第615条)
連絡するときに伝えること
| 伝えること | 例 |
|---|---|
| 名前・部屋の番号 | 「○○マンション203号室の△△です」 |
| 壊れた設備 | エアコン、給湯器、トイレ、キッチンの水道 など |
| いつから | 「きのうの夜から」 |
| どうなっているか | 「お湯が出ない」「水が止まらない」「リモコンを押しても動かない」 |
| 連絡がつく時間 | 「平日は18時以降なら電話に出られます」 |
日本語で話すのが不安なときは、伝えたいことを紙やメールに書いて送る方法もあります。写真を一緒に送ると、言葉が少なくても伝わりやすくなります。
修理の費用はだれが払う?
基本は家主が修理し、家主が払う
民法では、家主は、部屋を使うために必要な修理をしなければならないと決まっています。国土交通省がつくった「賃貸住宅標準契約書」(国が示している契約書のひな形)でも、家主が修理を行い、費用は家主が払うのが基本です。
古くなって自然に壊れたもの(たとえば、長く使ったエアコンや給湯器の故障)は、この「家主が修理するもの」の代表です。
入居者の使い方が原因なら、入居者が払う
民法では、入居者のせい(わざと壊した、使い方が悪かったなど)で必要になった修理は、家主が修理しなければならないものに入りません。標準契約書では、その費用は入居者が払うことになっています。
電球やパッキンなど、小さな修理は自分でしてよいことがある
標準契約書では、次のような費用が少ない修理は、入居者が自分で行ってよく、そのときの費用は入居者が払う、という形になっています(家主に修理を頼むこともできます)。
- 電球・蛍光灯の取り替え
- ヒューズの取り替え
- 蛇口のパッキン(水もれを止めるゴムの部品)やコマの取り替え
- 風呂場などのゴム栓・鎖の取り替え
- そのほか、費用が軽い修理
ただし、これは国のひな形の例です。実際のルールは、あなたの契約書の内容で決まります。「修繕」「修理」「特約」と書いてある部分を確かめてください。分からないところは、家主や管理会社、不動産店に聞きましょう。
(出典:e-Gov法令検索「民法」第606条、国土交通省「賃貸住宅標準契約書」第9条・別表第4・別表第5)
家主が直してくれないときは?
連絡したのに、家主がなかなか修理をしてくれないこともあります。民法では、次のどちらかのときは、入居者が自分で修理できると決まっています。
- 入居者が修理が必要だと家主に知らせた(または家主が知っていた)のに、家主が相当の期間のうちに修理をしないとき
- 急いで直さなければならない事情があるとき
また、家主が払うべき修理の費用を入居者が払ったときは、家主にその費用を返すように求めることができる、と民法に書かれています。
ただし、「相当の期間」がどのくらいか、どんなときが「急いで直さなければならない事情」にあたるかは、状況によって違います。自分で業者を呼ぶ前に、次のことをしておくと、あとで話し合うときに役に立ちます。
- 家主や管理会社に連絡した日と内容を、メモやメールで残す
- 壊れたところの写真を撮る
- 修理の見積書と領収書をもらって、とっておく
自分だけで判断するのが難しいときは、下の「困ったときの相談先」に相談してください。
(出典:e-Gov法令検索「民法」第607条の2・第608条)
設備が使えない間の家賃は?
部屋の一部が使えなくなり、その原因が入居者のせいではないときは、民法では、使えなくなった部分の割合に応じて家賃が減額される、と決まっています。標準契約書では、減額の程度や期間などを、家主と入居者で話し合うことになっています。
家賃を減らしてほしいときも、自分で勝手に家賃を減らして払うのではなく、まず家主や管理会社と話し合いましょう。
(出典:e-Gov法令検索「民法」第611条、国土交通省「賃貸住宅標準契約書」第12条)
場面ごとの注意
水漏れ・トイレがつまったとき
- 排水がつまって水があふれると、下の階の部屋に被害が出ることがあります。下の階の部屋に被害が出たときは、弁償(お金を払って損害をつぐなうこと)しなければならないこともあります(国土交通省のガイドブック)。
- トイレには、排せつ物とトイレットペーパー以外は流さないでください。キッチンの排水口に油や生ごみを、浴室の排水口にごみを流して、つまらせないようにしましょう。
- 水を使っていないのに、水道メーター(使った水の量をはかる機械)の「パイロット」という部分が回っているときは、どこかで水が漏れている可能性があります(東京都水道局の案内)。
- マンションやアパートに住んでいる人は、自分で業者に修理を頼む前に、管理人や管理会社に相談してください。
(出典:国土交通省「部屋探しのガイドブック」、東京都水道局「水漏れ(漏水)について」)
エアコン・給湯器が動かないとき
- 部屋についているエアコンや給湯器が、部屋の設備として契約書に書いてあるかを確かめ、家主か管理会社に連絡します。
- 部屋の設備かどうか分からないときも、自分で業者を呼ぶ前に、家主か管理会社に聞きましょう。
- 長く使って古くなったことによる故障は、上の「家主が修理するもの」にあたるのが基本です。
結露・カビ
日本は湿気が多く、特に夏は部屋の中に湿気がたまりやすいです。国土交通省のガイドブックでは、部屋の換気をして、結露(窓などにつく水てき)が出たらふき取るように案内しています。放っておくとカビが出ます。
入居者の手入れが足りなくて出たシミやカビは、部屋を出るときに入居者が直す費用を払うことがあります。
(出典:国土交通省「部屋探しのガイドブック」、国土交通省「賃貸住宅標準契約書」別表第5)
よくある質問
壊れたまま退去したら、どうなる?
部屋を出るときは、入居者が壊したり傷つけたりしたところを直して返す「原状回復(げんじょうかいふく)」というルールがあります。自然に古くなったものや、ふつうに使っていてできた傷みは、入居者が払うものではありません。くわしくは日本の賃貸住宅を退去するときの原状回復と敷金|修理の費用はだれが払う?国のガイドラインの例を見てください。
壊れたことを家主に知らせずに出ると、いつ・なぜ壊れたのかが分からなくなり、話し合いが難しくなります。壊れたら、住んでいる間に連絡しておきましょう。
修理の業者が部屋に入るのを断ってもいい?
民法では、家主が部屋を守るために必要な修理などをしようとするときは、入居者は断ることができない、と決まっています。標準契約書では、家主は前もって入居者に知らせることになっています。都合の悪い日時は、家主や管理会社と相談して変えてもらいましょう。
(出典:e-Gov法令検索「民法」第606条、国土交通省「賃貸住宅標準契約書」第9条)
部屋のかべにくぎを打って、棚をつけてもいい?
国土交通省のガイドブックでは、かべにくぎを打ったり、ペンキをぬったりすることは禁止されていることが多い、としています。契約書の「禁止事項」を確かめ、必要なら家主の許可をもらってください。
(出典:国土交通省「部屋探しのガイドブック」)
困ったときの相談先
- 修理のこと(まず最初に):家主・管理会社・部屋を紹介した不動産店
- 費用や修理のことで、家主や管理会社と話がまとまらないとき:消費者ホットライン「188」。近くの消費生活センターなどの相談窓口につながります。土日祝日に市区町村などの窓口が開いていないときは、国民生活センターにつながります(一部の地域や年末年始などを除く)。IP電話など、一部の電話からはつながりません。
- 部屋探しの基本:国土交通省の「部屋探しのガイドブック」は、日本語を含む14の言語で読めます。
(出典:国民生活センター「全国の消費生活センター等」、国土交通省「部屋探しのガイドブック」)

